海外向けに商品を販売する際、税関申告や配送手続きでHSコードを
確認することがあります。
HSコードとは、国際貿易で商品を分類するために使用される番号です。
しかし、商品名を検索して見つかった番号を、そのまま申告に
使ってよいとは限りません。
実際の商品仕様や輸入先の国によって、確認すべき分類が異なるためです。
今回は、HSコードを調べる際に押さえておきたい8つのポイントを
紹介します。
1. HSコードの基本構造を知る
HSコードは、世界税関機構が管理する国際的な品目分類制度に
基づいています。
基本となる6桁までは国際的に共通する分類で、それ以降の細分は各国が
独自に設定します。
そのため、日本で使用する番号と、海外の輸入国で使用する番号が完全に
一致するとは限りません。
実際に申告するときは、対象となる国・地域の制度を確認する
必要があります。
2. 商品名だけで番号を決めない
例えば、カメラという言葉が商品名に含まれていても、カメラ本体、
交換レンズ、周辺アクセサリーなどでは確認すべき分類が異なります。
金属製品も、素材なのか機械の部品なのかによって検討対象が変わる
場合があります。
商品分類では、商品名だけでなく、材質、用途、構造、機能などを
確認することが重要です。
3. メーカー資料を整理する
HSコードを調べる前に、商品情報を集めておきましょう。
例えば、次のような資料です。
正式な商品名と型番
商品の用途
材質や成分
構造・機能
完成品か部品か
商品の原産地
メーカーの仕様書や写真
不明な情報を推測で埋めると、誤った分類へ進んでしまう可能性があります。
確認できない内容は、未確認として残しましょう。
4. 日本の税関情報を参考にする
日本税関では、品目分類に関する資料が公開されています。
輸出統計品目表、実行関税率表、事前教示回答などを参照できます。
ただし、それぞれ対象が異なります。
例えば、日本の実行関税率表は、原則として日本に輸入される商品について
確認する資料です。
日本から海外へ商品を輸出する場合、相手国の輸入関税率をそのまま
確認できるわけではありません。
5. 輸入先の国の分類を確認する
日本から米国、タイ、シンガポールなどへ商品を販売する場合、実際の
輸入国でどのような分類が適用されるかを調べる必要があります。
国際共通の6桁が分かっても、輸入先の国内細分番号が追加される
場合があります。
また、原産地や貿易協定の適用条件などによって関税率が変わることも
あります。
商品の発送国と原産国を混同しないよう注意してください。
6. 関税額を推測で確定しない
HSコードが分かっただけで、関税額が必ず確定するわけではありません。
実際の関税率には、商品の分類、輸入国、原産地、適用時期などが
関係します。
さらに、関税とは別に輸入VAT・GST等や通関関連手数料が発生する
場合もあります。
そのため、分類の確認と、実際にかかる輸入費用の見積もりは分けて
管理しましょう。
7. 分類確認不足による利益への影響
説明用に、次の販売条件を仮定します。
販売価格:30,000円
仕入れ原価:15,000円
国際送料:3,000円
販売関連手数料:3,000円
梱包費:500円
この場合、輸入関連費用を引く前の残額は、
30,000 − 15,000 − 3,000 − 3,000 − 500 = 8,500円
です。
販売者が輸入関連費用を負担する条件で比較します。
輸入関連費用が1,500円なら、残額は7,000円。
3,000円なら、残額は5,500円。
4,500円なら、残額は4,000円です。
想定していた費用と実際の費用が異なれば、利益計算の結果も変わります。
※これらは説明用の仮定例です。実際の関税率や課税額を示すものでは
ありません。
8. 確認履歴を残す
複数の商品を海外へ販売する場合、調べたHSコードを商品ごとに
記録しておくと便利です。
商品名、型番、用途、材質、HSコード候補、仕向国、原産地、
確認した税率、情報源、確認日などを整理します。
さらに、正式な回答に基づくものなのか、社内で調査中の候補なのかも
区別しましょう。
古い資料を使い続けたり、別の国の分類をそのまま流用したりしないことが
重要です。
まとめ
HSコードは、海外販売で商品を正しく分類するための重要な情報です。
ただし、商品名だけで決めるものではありません。
実際の商品の用途・材質・構造・機能を確認し、輸入先の国・地域に
適用される制度を調べる必要があります。
不明な場合は、関係する税関や通関業者へ確認しましょう。
商品の分類と関税率を確認したうえで、送料や輸入関連費用を含めた
採算を計算することが大切です。
※本記事は一般的な実務情報であり、正式な関税分類、通関結果、
税額を保証するものではありません。
※計算に使用した金額は説明用の仮定例です。
※掲載画像はAI生成のイメージです。