海外販売を始めると、商品が売れたあとに「この商品は海外へ
送れるのだろうか」と迷うことがあります。
日本国内では普通に購入できる商品でも、海外発送には制限がある
場合があります。
特に、リチウム電池を使う商品、化粧品、食品、スプレーなどは、
配送会社や輸入先の国によって条件が変わることがあります。
今回は、仕入れ・出品前に確認したいポイントと、発送できないことが
判明したときの対処方法を整理します。
1. なぜ販売できるのに発送できないのか?
越境ECでは、商品を販売することと、海外へ輸送することは
別の手続きです。
確認したい規制は大きく分けて4つあります。
販売プラットフォームのルール
出品してよい商品かどうか。
配送会社の引受条件
危険物や禁止品に該当しないか。
日本側の輸出規制
日本から輸出するときに禁止や許可の条件があるか。
輸入国の規制
輸入先の国で受け入れられる商品か、許認可等が必要か。
ECサイトに出品できるからといって、すべての配送手段で
発送できるわけではありません。
2. 電池入りの商品は何を確認する?
カメラ、スマートフォン、ゲーム機、時計などの電池入り商品は、
電池の種類や状態などの確認が必要です。
特にリチウム電池は、機器に組み込まれているか、単体なのか、
容量や数量がどれくらいなのかによって、輸送条件が異なります。
確認項目は、電池の種類、容量、数量、取付状態、製品の安全性、仕向国、
配送サービスです。
予備バッテリーを同梱すれば必ず送れる、という意味ではありません。
3. 化粧品は普通に海外発送できる?
商品によって異なります。
例えば、香水、ネイル用品、アルコールを含む化粧品、スプレー製品などは、危険物に関する規制を確認する必要があります。
また、輸送が可能でも、輸入国の成分規制や販売条件に対応しなければ
ならない場合があります。
メーカーの成分表示、危険物情報、容量、容器の種類などを確認しましょう。
4. 食品はどうして注意が必要?
食品は、配送会社が受け付けた場合でも、輸入国の条件によって通関が
認められないことがあります。
原材料、動植物由来の成分、加工状態、輸入目的、表示方法などが
関係します。
また、食品に分類される商品と、医薬品等として扱われる商品が、
国によって異なる場合があります。
サプリメントも、日本国内で販売されていることだけを根拠に、
海外でも販売可能と判断しないようにしましょう。
5. 注文後に発送できないと分かったら?
まず、発送作業を止め、何が原因で送れないのか確認してください。
禁止されている商品なのか、現在の配送サービスでは引受不可なのか、
必要な許可が不足しているのかを区別します。
そのうえで、配送会社や関係当局へ確認します。
別の配送方法が利用できる可能性はありますが、
利用できると決まったわけではありません。
条件を満たせない場合は、販売プラットフォームのルールに従って
購入者へ説明し、必要に応じてキャンセルや返金を行います。
発送制限を回避するために、商品名を偽ったり、電池を申告しなかったり
してはいけません。
6. 発送不可でどのくらい費用が発生する?
例えば、次の販売条件を仮定します。
販売価格:25,000円
仕入れ原価:13,000円
国際送料:3,000円
販売関連手数料:2,500円
梱包費:500円
通常発送でき、その他の費用が発生しない場合の残額は、
25,000 − 13,000 − 3,000 − 2,500 − 500 = 6,000円
です。
一方、発送不可と判明して全額返金し、商品は未発送のまま在庫に
残ったとします。
仕入れ13,000円、使用済みの梱包費500円、再手配などの費用1,000円が
発生した場合、先行支出は14,500円です。
ただし、商品は13,000円の取得価額で在庫として残っています。
そのため、14,500円全額を確定損失として考えることはできません。
再販売できるか、保管・返品・廃棄費用が発生するかなどで、
最終的な損益は変わります。
※金額は説明用の仮定例です。実際の損失額や配送費用を示すものでは
ありません。
7. 仕入れ前に何を確認すればいい?
仕入れ・出品前には、少なくとも次の情報を整理します。
正式な商品名・型番
電池、液体、ガスなどの危険物要素
材質・原材料・成分
発送先の国・地域
利用する配送サービス
日本側の輸出規制
輸入国の禁止品・許認可
販売プラットフォームのルール
確認した公式資料と確認日
分からない内容は推測せず、未確認として管理しましょう。
また、以前同じ商品を発送できた場合でも、別の仕向国や別の配送方法では
条件が変わる可能性があります。
まとめ
越境ECでは、利益の出る商品を見つけることだけでなく、実際に販売先へ
発送できるかどうかを確認することも重要です。
特に、電池入りの電子機器、化粧品、食品などは、商品仕様や
国別条件によって制限を受ける場合があります。
発送できないことが判明した場合は、無理に発送せず、配送会社や
関係当局へ確認し、必要な購入者対応を行いましょう。
仕入れ前に発送条件を確認しておくことが、キャンセルや追加費用を減らす
第一歩です。
※本記事は一般的な実務情報であり、個別商品の発送可否や許認可を
保証するものではありません。
※金額は説明用の仮定例です。実際の費用や販売利益を示すものでは
ありません。
※掲載画像はAI生成のイメージです。画像のチェックマークや警告記号は
正式な可否判定ではありません。