■メールは届いている。でも本当に管理できていますか
中小企業ではレンタルサーバに付属しているメール機能を利用しているケースをよく見かけます。ホームページ制作時に契約したレンタルサーバをそのまま利用している会社も少なくありません。
実際、メールを送受信するだけであれば大きな問題は発生しません。そのため「今まで問題なかった」「追加費用を掛けたくない」という理由で使い続けている会社もあります。
しかし私が気になるのはメールの送受信ではありません。そのメール環境を会社として管理できているかどうかです。
■実際に見たケース
以前、ある会社の環境を確認した時のことです。メールはレンタルサーバで運用されていました。利用者は困っていませんでした。しかし管理情報を確認すると問題が見えてきました。
誰が管理者なのか分からない。契約情報が見つからない。メールアカウント一覧がない。退職者のアカウントも残っている。パスワード変更履歴も不明。
利用者視点では問題ありません。しかし管理者視点では非常に危険な状態でした。
■本当に怖いのはメール障害ではありません
レンタルサーバメールの話になると「障害が起きたら困る」という話になりがちです。しかし私が怖いと思うのは別です。
管理できなくなることです。
担当者が退職した。制作会社との契約が終了した。管理画面へログインできない。契約者情報が分からない。
こうした状況になった時に、会社が自力で対応できるでしょうか。
メールは会社の重要な情報資産です。しかし実態は「誰が管理しているのか分からない」という状態になっていることがあります。
■PCのメールソフトに保存されているリスク
もう一つ見落とされがちな問題があります。メールデータが利用者のパソコンにしか存在しないケースです。
昔から利用されている環境では、OutlookなどのメールソフトへPOP設定を行い、メールをパソコンへダウンロードして運用していることがあります。
利用者は毎日メールを見ています。だから問題に気付きません。
しかしパソコンが故障したらどうでしょうか。担当者が退職したらどうでしょうか。ランサムウェアに感染したらどうでしょうか。
メールサーバにはデータが残っておらず、そのパソコンにしか存在しないケースもあります。
私は実際に「そのパソコンが壊れたら過去メールが全部なくなる」という環境を何度も見てきました。
メールアドレスは会社のものでも、メールデータは個人のパソコンの中にしかない。これも会社の資産を会社が管理できていない状態の一つです。
■なぜ見落とされるのか
理由は単純です。今まで困っていないからです。
メールは毎日使います。送受信できています。だから誰も疑問を持ちません。
しかし管理者情報、契約情報、メール保管場所、退職者対応などは問題が起きた時に初めて確認されます。そして確認した時には既に遅いこともあります。
■私がMicrosoft 365やGoogle Workspaceを勧める理由
私はメール環境としてMicrosoft 365やGoogle Workspaceを勧めることがあります。理由はメール機能が優秀だからではありません。会社として管理しやすいからです。
誰が管理者なのか。誰に権限があるのか。退職者アカウントはどうするのか。メールデータはどこに保存されているのか。監査ログは確認できるのか。
こうした運用管理がしやすくなります。
もちろんコストは上がります。
しかし私は月額数百円の差額だけで判断するのは危険だと考えています。
■メール費用を節約して失うもの
経営者の立場になると固定費を抑えたくなる気持ちはよく分かります。私自身、法人を運営していた経験があります。
だからこそ思うのです。
メールだけは単純な価格比較で決めない方が良いと。
メールは単なる連絡手段ではありません。顧客とのやり取り。見積書。契約情報。会社の信用。様々な情報が集まる場所です。
私は「安いかどうか」よりも「会社として管理できるか」を重視しています。
■まとめ
レンタルサーバメールを利用していること自体が問題ではありません。
問題なのは会社が管理できる状態になっているかどうかです。
もし今、管理者が誰か分からない。契約情報が見当たらない。退職者アカウントが残っている。制作会社任せになっている。メールデータが個人PCにしか存在しない。このような状態であれば、一度見直してみる価値があると思います。
メールは会社の資産です。送受信できることではなく、会社が管理できていることが重要だと私は考えています。
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「うちの運用は大丈夫だろうか」と気になった方は、お気軽にご相談ください。