社用携帯は会社の資産です。社員へスマートフォンを支給している会社は珍しくありません。営業担当者、現場担当者、管理職など、多くの社員が業務でスマートフォンを利用しています。
しかし実際の運用を見ると、「会社支給のiPhoneなのに個人のApple IDで管理している」ケースを見かけることがあります。
利用者本人にとっては自然な運用です。iPhoneを初期設定するとApple IDの入力を求められます。普段使っている個人アカウントを入力すれば、そのまま利用できます。利用中は特に困りません。だからこそ見落とされやすい問題でもあります。
■本当に管理しているのは誰なのか
会社は端末代を支払っています。通信費も支払っています。
しかし管理しているのは会社でしょうか。それとも利用者個人でしょうか。
実はiPhoneはApple IDと強く結び付いています。端末を持っていても、Apple IDとパスワードが分からなければできないことがあります。
つまり会社の資産なのに会社だけでは管理できない状態になる可能性があります。
■問題が表面化するのは退職時だけではありません
この話になると「退職したら困る」と思われがちです。もちろんそれもあります。しかし実際にはもっと早い段階で問題になることがあります。
例えばパスコードが分からなくなった場合です。
例えばApple IDのパスワードを忘れた場合です。
例えば利用者本人が設定内容を覚えていない場合です。
こうした時に会社は端末を持っていても自由に扱えなくなります。
最近のiPhoneは盗難対策が強化されているため、Apple IDが分からなければ初期化後の再利用も難しくなります。
端末は会社の資産なのに、実質的な管理権限は個人が持っている状態です。
■私自身が経験した話
以前、法人を運営していた時の話です。
会社用のAppleアカウントを用意し、そのアカウントを利用するよう指示していました。
ところが実際には個人アカウントを使っていた社員がいました。
当時は特に問題なく運用できていました。
しかし後になってiPadを初期化する必要が発生しました。
そこで問題が起きました。Apple IDの情報が分からないのです。
端末は会社のものです。しかし管理権限は会社にありません。
結局、余計な手間と時間が発生しました。
その時に改めて感じたのは、「端末を所有していること」と「管理できること」は別だということでした。
■なぜこの運用が起きやすいのか
理由は単純です。最初はその方が楽だからです。
会社用アカウントを準備するより、利用者本人のApple IDで設定した方が早いのです。
特に社員数の少ない会社では、深く考えずに運用が始まることがあります。
そして数年間問題なく動いてしまうため、誰も疑問を持ちません。
しかし退職、異動、機種変更、端末故障などが発生した時に初めて問題が表面化します。
■私が確認するポイント
社用スマートフォンの運用を確認する時、私はまず次の点を確認します。
・Apple IDは会社管理か
・管理者は誰か
・パスコード管理ルールはあるか
・端末初期化が可能な状態か
・担当者が変わっても運用できるか
端末の台数よりも、誰が管理権限を持っているかの方が重要です。
■まとめ
社用携帯は会社の資産です。
しかし「会社が購入した」と「会社が管理できる」は同じではありません。
特にiPhoneはApple IDとの結び付きが強いため、利用中は問題なくても、担当者の異動や退職、端末交換などのタイミングで課題が表面化することがあります。
もし社用iPhoneを利用しているのであれば、「その端末を初期化できますか?」「そのApple IDは会社が管理していますか?」という視点で一度確認してみることをおすすめします。その答えに迷うのであれば、運用を見直す余地があるかもしれません。
社用スマートフォンだけでなく、Microsoft 365、Google Workspace、メール、クラウドサービスなども含めて、「会社の資産を会社が管理できているか」という視点で見直すことが大切だと考えています。
初回30分のオンライン相談は無料です。
「うちの運用は大丈夫だろうか」と気になった方は、お気軽にご相談ください。