朝は時間がありません。
着替えてほしい。
ご飯も食べてほしい。
歯も磨いてほしい。
ところが子どもは、片方の靴下を持ったままテレビを見ています。
時計を見る。
子どもを見る。
もう一度、時計を見る。
時間だけは、とても順調に進んでいきます。
そんなとき、つい口から出てしまうのが、
「早くして!」
という言葉ではないでしょうか。
私も児童発達支援や放課後等デイサービスで子どもと関わる中で、急いでほしい場面を何度も経験してきました。
「早くして」と言いたくなるのは、それだけ大人が次の予定を考え、間に合うように動いているからです。
決して、保護者の方の関わり方が悪いわけではありません。
あらためまして、PTくま先生と申します。
理学療法士として15年、児童発達支援・放課後等デイサービスの療育指導員として4年、子どもたちの身体や発達に関わってきました。
このブログでは、保護者や支援者の方が家庭・支援現場で試せる声かけや関わり方を、できるだけ具体的にお伝えしていきます。
ただ「早くして」という言葉だけでは、子どもにしてほしい行動が伝わりにくいことがあります。
「早くして」が伝わりにくい3つの理由
1つ目は、何をすればよいか分かりにくいことです。
大人は「早くして」の中に、着替える、食べる、歯を磨くといった意味を込めています。
しかし、子どもからすると、
「何を早くするの?」
という状態かもしれません。
2つ目は、一度に複数の動作を求められていることです。
例えば「着替えて」には、
服を選ぶ、パジャマを脱ぐ、シャツを着る、ズボンを履く、靴下を履く。
これだけの動作が含まれています。
大人には1つの支度に見えても、子どもにとってはいくつもの工程なのです。
3つ目は、好きなことから急に切り替えにくいことです。
遊びやテレビに集中しているとき、突然「おしまい」と言われても、気持ちがすぐには次へ向かないことがあります。
今日から試せる3つの声かけ
1.最初の動作だけを伝える
「早く着替えて!」
ではなく、
「まず、パジャマを脱ごう」
と伝えます。
できたら、次の動作を1つ伝えます。
一度に全部を求めず、最初の一歩を分かりやすくする方法です。
2.終わりを具体的に伝える
「いつまで遊んでいるの?」
ではなく、
「あと1個作ったら、ブロックはおしまいにしよう」
と伝えます。
遊びの終わりが見えると、次の行動へ気持ちを切り替えやすくなる場合があります。
3.2つから選んでもらう
「早く服を着て!」
ではなく、
「青い服と恐竜の服、どちらを着る?」
と聞いてみます。
「着替えるかどうか」ではなく、「どちらを着るか」を選んでもらうのがポイントです。
声かけを変えても動かないときは
声かけを変えれば、必ず動けるわけではありません。
そんなときは、
離れた場所から声をかけていないか
一度にいくつも伝えていないか
遊びを突然終わらせようとしていないか
疲れや眠気が強くないか
その動作自体が難しくないか
という点も確認してみてください。
言葉だけではなく、伝えるタイミングや周囲の環境が関係していることもあります。
まずは1つだけで大丈夫です
今日からすべての声かけを変える必要はありません。
まずは、
具体的な行動を1つ伝える
ことから試してみてください。
例えば明日の朝、「早くして」と言いそうになったとき、
「まず、パジャマを脱ごう」
と言い換えてみる。
その1回からで十分です。
お子さんによって、伝わりやすい言葉やタイミングは異なります。
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※本記事は一般的な関わり方の例を紹介するものです。診断・治療・発達評価を行うものではなく、特定の効果や行動の変化を保証するものでもありません。