表紙のデータを作るとき、いちばん多い質問がこれです。
「タイトルは、どこまで端に寄せられますか」
答えは決まっています。紙の端から6.4mm内側までです。
■ 表紙には3つの層があります
外から順に、こうなっています。
・いちばん外の3.2mm 断裁で切り落とされる場所(裁ち落とし)
・その内側の3.2mm 残るけれど、何も置かないほうがいい場所
・さらに内側 文字やロゴを置いてよい場所
KDPの公式ヘルプは、裁ち落としを四方に3.2mmとったうえで、
重要な要素は外縁から6.4mm以上内側に置くよう求めています。
3.2mmではなく6.4mmです。ここを勘違いすると、タイトルの端が危うくなります。
■ なぜ2倍の余裕が要るのか
断裁の位置は1冊ごとにわずかに動くからです。
仮に文字を仕上がり線ちょうどに置いたとします。断裁が内側に1mmずれれば、文字は切れます。
外側に1mmずれれば、今度は切り落とされるはずだった裁ち落としの帯が残って、
狙っていない余白が出ます。
3.2mmの裁ち落としは「切られる前提の場所」。
そこからさらに3.2mm内側までを「置かない場所」にしておく。
合わせて6.4mm。これが、ずれても事故にならない幅です。
■ 下だけは条件が違います
ひとつ、見落とされやすい規定があります。
公式ヘルプには、ページ下部の裁ち落としは3.2mmを超えてはいけない、と書かれています。
上や横と違って、下は「3.2mm以上」ではなく「3.2mmまで」です。
背景を大きめに作って下にはみ出させる、という作り方をすると、ここに当たります。
■ 背表紙の文字は、折り目から1.6mm
背表紙に書名を入れる場合の条件です。
・背表紙の端から1.6mm以上あける
・左右の折り目には1.6mmのズレが出る前提で置く
折り目のズレというのは、表紙を本の束に巻きつけるときに、
背の位置が左右にわずかに動くことです。
背の幅ぴったりに文字を置くと、このズレの分だけ文字が折り目にかかります。
折り目にかかった文字は、曲がった面に印刷されるので読めません。
薄い本ほど、この1.6mmが効いてきます。
80ページの本なら背幅は約4.6mm。両側の1.6mmを引くと、残りは約1.4mmです。
■ 背をくっきり分けない
もうひとつ、公式が勧めていない作り方があります。
背表紙だけ色を変える、背の両端に線を引く。折り目にぴったり合わせたデザインです。
背の位置は最大3.2mmずれることが許容されています。
境目がくっきりしているほど、そのずれが目立ちます。
背景は表表紙から裏表紙まで続けてしまうほうが安全です。
■ 表紙は1枚の絵で、1つのPDFです
表紙は、裏表紙・背表紙・表表紙を1枚につないだ連続した画像で入稿します。
3枚バラバラのファイルではありません。
なお、KDPの表紙作成ツールを使う場合はJPG・PNG・GIFが使えますが、
自分で作った表紙を入れる場合はPDFです。
画像は300DPI以上、フォントは埋め込み、レイヤーは結合してから書き出します。
このあたりは本文と同じです。
■ だから、機械で測ることにしました
6.4mmも1.6mmも、画面で見て分かる差ではありません。
定規を当てるわけにもいきません。
そこで、表紙PDFの中の文字と画像の位置を1つずつ実測して、
仕上がり線からどれだけ内側にあるかを数値で出すことにしました。
背幅も、本文のページ数と用紙から計算して、実物のサイズと突き合わせます。
「たぶん大丈夫」を「何ミリだった」に置き換える。
それだけのことですが、あとから見返せるようになります。
■ この検査について
この記事に書いた表紙のセーフゾーンと背幅は、ココナラで出している入稿前チェックの表紙オプションで測っています。文字や画像が仕上がり線からどれだけ内側にあるかを、1つずつ数値で出します。
Kindleペーパーバックの入稿PDFを検査します