入稿してエラーになる原因のうち、いちばん単純で、いちばん見落としやすいものがあります。
総ページ数が奇数になっている。
■ 紙には裏がある
当たり前の話ですが、紙は両面です。1枚の紙には表と裏があり、そこに2ページが入ります。
だから紙の本のページ数は、必ず偶数になります。奇数にはなりようがありません。
ところが、原稿を書いているときには、この感覚がありません。画面はどこまでも続くので、「最後のページ」という概念が薄いのです。書き終わったところが最後になります。
その結果、総ページ数が奇数のまま入稿して、弾かれます。
■ 白いページも1ページ
ここでもうひとつ。何も印刷されていないページも、1ページとして数えます。
紙は存在しているからです。真っ白でも、そこに紙はあります。
なので「最後に白紙を1枚足せばいい」というのは正しい対処です。ただし、どこに足すかは少し考えたほうがよいことがあります。
たとえば章の始まりを必ず右ページにしたい場合。章の終わりが右ページで終わったら、次の章を右から始めるために、左に白紙が1枚入ります。これは意図的な白紙です。
■ 本扉と奥付
本の最初には「本扉」があります。タイトルと著者名だけが入った、あのページです。最後には「奥付」があります。書名・著者・発行日などを記したページです。
どちらも、ページ数に入ります。そして置く位置にも慣習があります。本扉は右ページ(奇数ページ)から始めるのが一般的です。
このあたりを整えると、白紙が自然に入ります。それを含めて偶数にします。
■ ページ数が決まると、その先がすべて決まる
総ページ数が決まると、背幅が決まります。紙の厚みにページ数を掛けた値です。KDPの場合、用紙の種類ごとに1ページあたりの厚みが決まっています。
背幅が決まると、表紙の幅が決まります。
表紙の幅 = 裁ち落とし + 裏表紙 + 背幅 + 表表紙 + 裁ち落とし
つまり、本文が1ページ増えるだけで、表紙のデータを作り直すことになります。
だから順番があります。本文を確定させてから、表紙を作る。逆にすると、やり直しになります。
■ 確認するのは一瞬
総ページ数の偶奇は、機械なら一瞬で分かります。私が納品前に通している13項目の中にも、これが入っています。
・判型
・ページサイズの揺れ
・総ページ数の偶奇
・最小ページ数
・フォントの埋め込み
・Type3フォント
・余白
・カラー混入
・画像の解像度
・カラースペース
・カラープロファイル
・暗号化・パスワード保護
・ページの回転指定
単純なものほど、人の目は滑ります。だから機械で見ることにしています。