仕事の数字は、正しいだけでは使えない。

仕事の数字は、正しいだけでは使えない。

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売上明細を集計し、元データの合計とも一致した。表の数字は正しい。それなのに、会議では「それで来月は何を変えるの?」と聞かれ、答えに詰まった。数字の正しさと、仕事で使える状態は少し違います。

たとえば担当者別売上が並んでいても、人員配置を決めるには取引件数や一件当たりの負荷が必要かもしれません。商品別の売上なら、追加発注には販売数量と在庫も要ります。正しい表でも、判断に必要な比較がなければ、読み手は次に進めません。

そこで、表の完成条件を二段階に分けます。一段目は計算の正しさ。対象期間、集計条件、元データとの一致を確かめます。二段目は判断へのつながり。「どの違いが目立つか」「その違いで何を決めるか」「まだ足りない情報は何か」を短く書きます。足りない情報があるなら、無理に結論を出さず、次に確認する対象を示します。

この一文は、長い分析文でなくて構いません。「商品Aの売上は増えたが、件数は横ばい。単価か商品構成の変化を確認したい」。事実と未確認を分けて書くだけで、表は次の仕事に渡せるものになります。

「数字が正しい」ことも、もちろん省いてはいけません。条件を確認し、元データと検算したという土台があるから、次の議論ができます。ただ、正しい数字だけでは決められないことを率直に示すのも仕事です。会議の場で初めて不足に気付くより、資料に「在庫数は未確認」と書いておけば、読み手は判断を保留するか、追加情報を求められます。

数字を渡す相手によっても、必要な一文は変わります。発注担当なら在庫と販売数量の関係、予算を見直す人なら金額と継続性が知りたいかもしれません。同じ表を渡す場合でも、何の判断に使えるか、どんな追加情報が必要かを添える。相手の仕事に接続して初めて、正しい数字は使いやすい材料になります。

今日のルールは、集計が合ったら「この数字で何を判断でき、何はまだ決められないか」を一文にすること。正しい数字を、使える数字へ変える最後の工程です。

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