体が細い子の「開きが早い」を、技術不足だけで決めつけない

体が細い子の「開きが早い」を、技術不足だけで決めつけない

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少年野球の指導をしていた頃、背は高いものの、まだ体が細い選手がいました。

その子はサードを守り、4番を任せていた選手です。しかし、バッティングではどうしても体の開きが早くなりました。何度教えても、本人が思うような形にならないことがありました。

ある時、競馬が好きな保護者から「若い競走馬にも、まだ体が緩く、思うように動けない時期がある」と聞きました。それは科学的な説明ではありませんが、私はその話から、自分自身の成長期を思い出しました。

私も高校生になるまでは体が細く、体に肉がついてくる前は「開きが早い」と言われた経験があります。

そこで私は、その選手の問題を「技術が足りない」「練習が足りない」だけで考えてはいけないのではないかと思いました。頭では動きが分かっていても、成長途中の体では、思い描いたとおりに動かせない時期があるからです。


【成長の速さは、同じ学年でも違う】

研究でも、身長が大きく伸びる時期と、筋力や運動能力が伸びる時期は、すべて同時ではないことが示されています。成長期には手足の長さや体重のバランスが変わり、それまでできていた動きが一時的に難しくなることもあります。

また、日本の中学生野球選手を調べた研究では、競技水準の高い選手群は、一般的な選手群より平均的に身体の成熟が早かったと報告されています。少年期の評価には、技術だけでなく、成長の早い遅いも影響している可能性があります。

ただし、「体が細いから開く」と決めつけることもできません。体の開きが早くなる原因には、タイミング、構え、下半身の使い方、ボールへの怖さなど、さまざまなものがあります。

大切なのは、一つの原因だけで判断しないことです。


【親や指導者にできる3つのこと】

1.周りの子ではなく、少し前の本人と比べる

同学年でも成長の時期は違います。現在の体格や打球の強さだけで、将来性を決めないことが大切です。


2.できない理由を、努力不足だけにしない

本人が一生懸命取り組んでいても、体の変化に動きが追いつかない時期があります。「もっと練習しろ」と追い込む前に、今どんな動きがしにくいのかを聞いてみてください。


3.結果を急がず、基礎を丁寧に続ける

強く振ることだけを求めず、構え、軸、タイミングなどを無理のない範囲で確認します。急な身長の伸びや痛みがある場合は、練習量を見直し、必要に応じて整形外科やスポーツ医療の専門家へ相談してください。


【「今できない」と「将来できない」は違う】

成長期の子どもは、数か月で体つきも動きも変わります。

今は体をうまく使えなくても、体ができてくることで、教わっていた動きが突然できるようになることがあります。指導者と保護者が待つことも、立派な指導の一つです。

私は、目の前の結果だけで子どもの可能性を狭めず、その子の成長速度に合わせて考えることを大切にしてきました。

お子さまのバッティングや成長期の接し方で迷っている方は、「オジンスター野球相談室」へご相談ください。状況を整理し、今できることを一緒に考えます。


【参考にした研究】

・中学生のトップレベル野球選手における生物学的成熟度の特徴(発育発達研究、2017年)

・身長の最大発育速度と運動能力の変化を調べた縦断研究(American Journal of Human Biology、1998年)

※この記事は一般的な情報と指導経験を紹介するもので、医学的な診断を行うものではありません。
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