現場の「なぜ?」を研究へ。#2

現場の「なぜ?」を研究へ。#2

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学び
おばちゃん看護師、アカデミアに足を踏み入れる

みなさん、こんにちは。

「現場の『なぜ?』を研究へ。」#1では、自己紹介をさせていただきました。

#2は、臨床看護師として一生過ごすのだろうなぁ……と、なんとなく思っていた私が、ひょんなことからアカデミアの世界に足を踏み入れたお話です。

前回お話ししたように、それまでの私は、なんとか研究をしないで済むように過ごしていました。

それはやっぱり、

「患者さんと直接関わっていたほうが楽しい!」

と思っていたからだと思います。

とはいっても、大学院に進学したからには、なんとかしなければ!

そう思って奮闘を始めました。

「入ればなんとかなる」と思っていた私。甘かった……

大学院に入る前の私は、

「まぁ、入ってしまえばなんとかなるでしょ!」

くらいに思っていました。

甘かった……。

とにかく、同じ大学院生や先生たちが何を話しているのか分からない(泣)。

「研究デザインが……」

「先行研究では……」

「データベースで検索して……」

データベース??

原著??

検索式???

あー、終わった。

と思いました(笑)。

今なら当たり前のようにやっている文献検索も、当時の私にとっては未知の世界でした。

しかも、今のように生成AIに「これってどういう意味?」と聞ける時代ではありません。

分からない言葉が出てくるたびにインターネットで検索して、図書館に通って、本を開いて……。

そんな毎日でした。

そして、最初に立ちはだかった大きな壁が、

「文献検討」

だったのです。

そもそも、文献ってどうやって探すの?

研究を始めると、

「まず先行研究を調べましょう」

と言われます。

でも当時の私は、

「その先行研究って、どこにあるの?」

というレベルです。

看護・医療系で日本語の論文を探すときに、よく使われるデータベースの一つが**「医中誌Web(医学中央雑誌Web)」**です。

簡単にいえば、医学・歯学・薬学・看護学など、国内の医学関連分野の文献を探すためのデータベースです。

Googleで普通に検索するのとは少し違って、研究テーマに関係する言葉、つまりキーワードを組み合わせながら論文を探していきます。

例えば、

「認知症のある高齢者への看護について調べたい」

とします。

最初から長い文章を入力するのではなく、

認知症 AND 高齢者 AND 看護

のように、調べたいテーマをいくつかのキーワードに分けて検索します。

これが検索式の基本です。

そして、たくさん出てきた文献を、

「原著論文にしよう」
「最近10年間にしてみよう」
「人を対象とした研究にしよう」

など、自分の目的に合わせて少しずつ絞っていきます。

さらに慣れてくると、

「この言葉だけでいいのかな?」

と考えるようになります。

例えば「高齢者」なら「老年」「老年期」、「認知症」なら疾患名など、同じような意味で使われている別の言葉でも検索してみる。

こうして検索を工夫していくと、自分が知りたい研究に少しずつ近づけるようになります。

当時の私は、もちろんそんなことも知りませんでした(笑)。

文献が増えてくると、今度は管理できない!

そして文献検索ができるようになると、次の問題が発生します。

「この論文、前にも読んだような……」

「あの論文、どこに保存したっけ?」

「この文章、どの論文を引用したんだっけ?」

文献が10本、20本、50本……と増えてくると、自分だけで管理するのがだんだん大変になります。

そこで使えるのが、EndNoteなどの文献管理ツールです。

簡単に言えば、集めた文献情報を整理しておいて、論文を書くときの引用や参考文献リストの作成を助けてくれるものです。

私は研究初心者の方に、最初からすべての機能を覚える必要はないと思っています。

まずは、

「文献を探す」→「必要なものを保存する」→「整理する」

この流れが分かれば十分。

少しずつ使えるようになればいいのです。

分からなければ、聞けばいい

さて、大学院時代の私に話を戻します。

そこは、肝の据わったおばちゃん看護師。

恥はかき捨て!

分からないことは、現役の大学院生に聞きまくりました。

「これ、どうやって検索するの?」

「原著って何?」

「これで合ってる?」

今考えると、よくあれだけ聞いたなぁと思います(笑)。

でも、そのおかげで、指導教員の多大なるサポート(情け!?)にも助けられながら、修士研究はわりとスムーズに進み、無事に修士号を取得することができました。

プライドでは、ご飯は食べられません!!(笑)

分からないことを「分からない」と言えること。

今振り返ると、これは研究を続けるうえで、とても大切なことだったように思います。

最初から「研究ができる人」でなくていい

大学院に入った頃の私は、

「研究をするなら、研究方法をちゃんと知っていなければならない」

と思っていました。

でも、今はそうは思いません。

研究を始めるために、最初から研究の知識を全部持っている必要はありません。

私自身、

「データベースって何?」

「原著って何?」

というところから始まりました。

大切なのは、

「これって、どうなっているんだろう?」

と思ったときに、まず調べてみること。

そして、分からなければ誰かに聞いてみること。

その積み重ねだったように思います。

もし今、

「研究をやってみたいけど、文献検索すらよく分からない」

「研究計画書なんて書いたことがない」

と思っている方がいたら、大丈夫。

博士号を取った今の私にも、「原著って何?」から始まった時代がありました(笑)。

さて、無事に修士号を取得した私。

これで研究にも慣れて、順調にアカデミアの道へ――

……とは、もちろんいきません(笑)。

むしろ、ここから私にとっての**「研究って、何のためにするんだろう?」**が始まります。

そして少しずつ、臨床でずっと感じていた「なぜ?」と研究がつながっていきました。

次回は、「現場の『これでいいの?』は、研究の種だった」のお話です。
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