前回は、ネットショップ特有の記帳のポイントをご紹介しました。
今回は視点を変えて、飲食店や実店舗を運営している方が記帳するときに気をつけたいポイントをまとめます。
「レジの現金と帳簿の数字が合わない」
「仕入れや在庫の管理が大変」
「現金・カード・QRコード決済など、入金の管理が複雑」
このような悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
飲食店や店舗業では、売上の管理だけでなく、仕入れ・在庫・決済方法など、日々確認する項目が多くなりがちです。
今回は、特に注意したいポイントを分かりやすくご紹介します。
飲食店・店舗業の記帳が複雑になりやすい理由
1.現金取引が発生する
キャッシュレス決済が広がってきたとはいえ、飲食店や小売店では現金での取引もあります。
現金取引では、レジの売上や現金残高を正しく管理することが大切です。
特に、
「レジの現金」と「帳簿上の現金」
に差が出てしまうと、後から原因を確認する必要があります。
そのため、営業終了後のレジ締めと帳簿を照合する習慣をつけておくことが重要です。
2.仕入れと在庫の管理が日常的に発生する
飲食店では食材、小売店では販売する商品など、日常的に仕入れが発生します。
さらに、仕入れたものがすぐに販売・消費されるとは限らないため、仕入れと在庫の管理をあわせて考える必要があります。
特に決算時には、どのくらいの商品や食材が残っているのかを確認することが重要です。
3.複数の決済手段が混在する
店舗によっては、
・現金
・クレジットカード
・電子マネー
・QRコード決済
・食事券など
さまざまな決済方法を利用します。
それぞれ入金のタイミングや手数料などが異なるため、管理が複雑になりやすいポイントです。
記帳で気をつけたい6つのポイント
1.レジ締めと帳簿を毎日照合する
営業終了後のレジ締めでは、レジの現金残高と、その日の売上・支出の記録に差がないか確認しましょう。
できればその日のうちに確認しておくのがおすすめです。
時間が経ってしまうと、
「いつ、何が原因でズレたのか」
を特定することが難しくなります。
毎日のレジ締めを習慣にすることで、問題が発生した場合も早めに確認できます。
2.決済手段ごとの入金タイミングを把握する
クレジットカードや電子マネー、QRコード決済などは、売上が発生した日と実際に銀行口座へ入金される日が異なる場合があります。
そのため、
「売上」と「入金」を同じものとして考えないこと
が大切です。
また、決済サービスによって入金サイクルや手数料などが異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。
「売上はあるのに、なぜ銀行口座に入っていないの?」
という状態になったときも、決済サービスの入金サイクルを把握していれば確認しやすくなります。
3.仕入れと在庫を分けて管理する
飲食店や小売店では、仕入れた商品や食材がすべてすぐに販売・消費されるとは限りません。
決算時に在庫として残っているものについては、棚卸しを行い、適切に処理する必要があります。
そのため、
・何を仕入れたのか
・どのくらい残っているのか
・決算時点でどの商品・食材が在庫になっているのか
を把握しておくことが大切です。
特に商品数が多い店舗では、普段から在庫を管理しておくことが、決算時の負担軽減にもつながります。
4.まかない・接待など、目的を整理する
飲食店では、従業員のまかないや取引先との会食など、判断に迷いやすい支出が発生することがあります。
こうした支出は、「誰のために、何の目的で支出したのか」を明確にしておくことが大切です。
たとえば、
・従業員に提供するまかない
・取引先との会食
・店舗運営のための食材・備品
など、内容によって考え方が変わります。
「まかないだから必ずこの科目」と決めつけるのではなく、実際の内容や状況に応じて判断するようにしましょう。
判断に迷う場合は、税理士などの専門家に確認すると安心です。
5.店舗のお金と個人のお金を区別する
小規模な店舗では、経営者がレジの現金から直接支払いをしたり、個人のお金で店舗に必要なものを立て替えたりすることがあります。
こうした取引を曖昧にしてしまうと、
「この現金は何に使ったのだろう?」
と、後から分からなくなってしまいます。
レジや事業用のお金を使用した場合は、何のために使ったのかをその都度記録しておくことが大切です。
また、個人のお金で事業の支払いをした場合も、後から分からなくならないよう、記録を残しておきましょう。
元原稿にある「現金の使い込み・立て替えを明確にする」という視点は、とても良いポイントです。
6.複数店舗を運営している場合は、店舗ごとに管理する
複数の店舗を運営している場合、すべてをまとめて管理すると、
「この売上はどの店舗?」
「この経費はどの店舗のもの?」
と分からなくなってしまうことがあります。
店舗ごとに売上や経費を把握できるようにしておくと、店舗ごとの収益状況を確認しやすくなります。
特に複数店舗を経営している方は、最初から店舗ごとの管理方法を決めておくとよいでしょう。
記帳を効率化する3つの方法
1.レジシステムと会計ソフトの連携を活用する
POSレジなどを利用している場合、会計ソフトと連携できるケースがあります。
連携機能を利用できれば、手入力する作業を減らせる可能性があります。
ただし、取り込んだデータについても、内容が正しく反映されているか確認することが大切です。
2.決済手段ごとの入金タイミングを把握する
クレジットカード、QRコード決済、電子マネーなど、複数の決済方法を利用している場合は、それぞれの入金サイクルを一覧にしておくと便利です。
たとえば、
決済方法 → 締め日 → 入金日 → 手数料
をまとめておけば、入金確認がスムーズになります。
毎回調べ直す必要がなくなるため、記帳時の負担も減らしやすくなります。
3.棚卸しのタイミングを決めておく
在庫の確認を「決算のときだけやる」のではなく、事業の状況に応じて定期的に確認する方法もあります。
月末など、自分の店舗に合ったタイミングを決めておくことで、在庫の把握がしやすくなります。
「いつ棚卸しをするか」をあらかじめ決めておくことが、抜け漏れを防ぐポイントです。
飲食店・店舗業の記帳は「毎日の積み重ね」が大切
飲食店や店舗業では、
・現金
・クレジットカード
・電子マネー
・QRコード決済
・仕入れ
・在庫
・返品・その他の調整
など、さまざまな取引を日々管理する必要があります。
特に、
「レジの現金と帳簿が合わない」
「売上と入金額が一致しない」
といった問題は、時間が経つほど原因を確認しにくくなります。
だからこそ、毎日のレジ締めや定期的な入金確認など、日々の小さな確認を積み重ねることが大切です。
まとめ|店舗の記帳は「現金・売上・仕入れ・在庫」を整理しよう
飲食店・店舗業の記帳は、
・現金取引の管理
・複数の決済方法
・仕入れと在庫
・従業員のまかないや会食などの支出
・店舗ごとの売上・経費
など、業種ならではの注意点があります。
特に重要なのは、
「レジ締めと帳簿を照合する」
「売上と入金を分けて管理する」
「仕入れと在庫を適切に管理する」
という基本を日々積み重ねることです。
「レジ締めと帳簿がなかなか一致しない」
「仕入れや在庫の管理まで手が回らない」
「複数の決済方法があって、入金確認が大変」
という方は、記帳の方法そのものを一度見直してみてはいかがでしょうか。
記帳代行を利用して、記帳にかかる時間や負担を減らし、本来の店舗運営に集中するという方法もあります。