前々回は「自分でやるべきか、外注すべきか」の判断基準、前回は「記帳代行の料金と、依頼すると何が楽になるのか」についてご紹介しました。
今回はもう一歩踏み込んで、「具体的にどんなタイミングで記帳の外注を検討すればよいのか」についてまとめます。
「まだ自分でできているから大丈夫」
そう思っていても、事業の変化や生活環境の変化によって、記帳の負担が大きくなることがあります。
外注を検討するタイミングは、人によって異なります。
今回は、「そろそろ記帳のやり方を見直したほうがいいかも」という7つのサインをご紹介します。
サイン1:開業してしばらく経ち、取引が増えてきた
開業直後は取引件数も少なく、自分で記帳していてもそれほど負担に感じないことがあります。
しかし、事業が軌道に乗ってくると、
・ 売上が増える
・ 取引先が増える
・ 経費の種類が増える
・ クレジットカードなどの取引が増える
など、少しずつ記帳する内容も増えていきます。
「最初はすぐ終わっていたのに、最近は記帳に時間がかかるようになった」
と感じたら、今のやり方を一度見直してみましょう。
取引が大きく増える前に、記帳の方法を整えておくことも大切です。
サイン2:確定申告で予想以上に時間がかかった
「確定申告に思った以上に時間がかかった」
「申告直前まで領収書の整理に追われた」
という経験がある方も多いのではないでしょうか。
確定申告の時期になってから大量の記帳を始めると、普段の仕事と重なって大きな負担になります。
もし今年の確定申告で、
「来年も同じことをするのは大変だな」
と感じたのであれば、それは記帳方法を見直す良いタイミングかもしれません。
サイン3:売上や取引先が増え、記帳時間も増えてきた
売上が増えることは、事業にとってうれしい変化です。
一方で、売上や取引先が増えると、それに伴って記帳する取引も増えていきます。
「売上は増えたけれど、記帳にかかる時間も増えている」
という状態になっていないでしょうか。
事業が成長しているからこそ、本業に使える時間を確保するために記帳の負担を見直すことも必要になります。
サイン4:本業が忙しく、記帳が後回しになっている
記帳そのものよりも、
「時間がない」
ことが問題になっているケースもあります。
たとえば、
・ 本業が忙しい
・ 繁忙期に入った
・ 新しい仕事が増えた
・ 家庭との両立で時間が取れない
などです。
記帳を後回しにすると、最初は数件だった未処理の取引が、気づけば数か月分になってしまうこともあります。
「時間ができたら記帳しよう」と思っているのに、なかなか時間が取れないのであれば、外注を検討するタイミングかもしれません。
サイン5:会計ソフトへの入力が追いつかなくなった
会計ソフトを導入していても、
「入力が数か月分溜まっている」
「最近ほとんど会計ソフトを開いていない」
という状態になっていませんか?
会計ソフトは便利なツールですが、入力する時間そのものを確保しなければ記帳は進みません。
「もっと便利な会計ソフトに変えれば解決するかも」と考える前に、そもそも入力作業に時間を使える状態なのかを考えてみることも大切です。
入力そのものを外注することで、負担を減らせる場合があります。
サイン6:勘定科目の判断に毎回迷ってしまう
記帳をしていて、
「これは何費だろう?」
「会議費と交際費のどちらだろう?」
「この取引はどう処理すればいい?」
と毎回悩んでしまう場合、1件の記帳にかかる時間が長くなります。
また、迷ったまま処理を後回しにすると、後になってさらに分からなくなることもあります。
勘定科目や税務上の判断に不安がある場合は、税理士などの専門家に確認することも大切です。
記帳代行を利用する場合も、どこまで対応してもらえるのかを事前に確認しておきましょう。
サイン7:「記帳に時間を使うより、本業に集中したい」と感じた
これは、外注を検討するうえで最も分かりやすいサインかもしれません。
記帳に毎月何時間も使っていて、
「この時間を本業に使えたら、もっと仕事ができるのに」
と感じるようになったら、一度外注を検討してみましょう。
記帳代行の料金だけを見ると、「自分でやったほうが安い」と感じるかもしれません。
しかし、自分で記帳する場合も、そこには「自分の時間」というコストがあります。
その時間を本業や営業、休息などに使えるのであれば、外注することで得られるメリットは料金だけではありません。
「まだ大丈夫」と思っているうちに見直す
記帳の外注は、限界まで我慢してから考える必要はありません。
むしろ、
・ 取引が増えてきた
・ 記帳時間が長くなってきた
・ 確定申告が大変だった
・ 記帳が何か月も溜まっている
・ 本業が忙しくなった
といった小さな変化が出てきた段階で、一度見直してみるのがおすすめです。
「今すぐ外注する」という結論を出す必要もありません。
まずは現在、
「毎月どのくらい記帳に時間を使っているのか」
を確認してみましょう。
実際にかかっている時間が分かると、自分で続けるのか、外注するのかを判断しやすくなります。
すべてを外注する必要はありません
「記帳を外注する」と聞くと、すべてを任せるイメージがあるかもしれません。
しかし、前回の記事でもご紹介したように、一部だけ外注する方法もあります。
たとえば、
・ 領収書やレシートの整理は自分で行う
・ 仕訳・会計ソフトへの入力を外注する
という方法です。
また、
・ 普段は自分で記帳する
・ 忙しい時期だけ外注する
という方法もあります。
自分の事業や生活に合わせて、負担の大きい部分だけ外に出すという考え方も選択肢のひとつです。
まとめ|「大変になってから」ではなく「大変になる前」に
記帳を外注するタイミングに、決まった正解はありません。
ただ、
・ 取引が増えてきた
・ 確定申告に時間がかかった
・ 本業が忙しくなった
・ 会計ソフトへの入力が溜まっている
・ 勘定科目の判断に迷う
・ 記帳に使う時間を減らしたい
と感じるようになったら、一度記帳のやり方を見直してみる価値があります。
「まだ自分でできるから」と無理を続けるのではなく、事業の成長や生活の変化に合わせて、記帳の方法も変えていくことが大切です。
「今のタイミングで外注したほうがいいのかな?」
「全部ではなく、一部だけお願いしたい」
という方は、まず現在の記帳にかかっている時間や負担を整理してみてはいかがでしょうか。
記帳代行を利用することで、記帳に使っていた時間を本業や自分の時間に回せる可能性があります。