断られた理由を、数えたことがありませんでした|「印象」を記録に変えるまで

断られた理由を、数えたことがありませんでした|「印象」を記録に変えるまで

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ビジネス・マーケティング
「この1週間、お客様に断られた理由で一番多いのは何ですか」
もし今そう聞かれたら、少し前の私は答えられませんでした。電話営業の現場に25年いて、毎日メンバーの通話を聞き、断られた案件の報告も受けているのに、です。
口から出てくるのは、たぶん「料金が高いと言われることが多い印象です」という、数字のない一言だったと思います。

■印象」で回していた

振り返ると、断られた理由はいつも会話の中で消えていました。メンバーは「高いって言われました」「家族に相談するそうです」と口頭で報告し、私はそれを聞いて次の電話の助言をする。その場では役に立っても、記録には何も残りません。
しかも記憶に残るのは、強く言われた断り文句ばかりです。静かに「今はいいです」と切られた電話は、誰の記憶にも残っていませんでした。私の「印象」は、声の大きい断りの集まりだったのだと思います。

■最初の設計は「負担をかけない」だった

そこで、断られた理由を選んで記録する仕組みを作ることにしました。
最初に決めたのは、メンバーの負担を増やさないことです。期間は長くても2週間に区切る。入力は選ぶだけ。お客様が本当は何を気にしていたのかまでは聞かない。
正直に言うと、ここには私の弱さもありました。現場に入力の手間を頼めば嫌がられるのではないか。そう思って、頼む前から引いていたのです。

■浅い記録では、次の一手が出ない

けれど設計を詰めるうちに気づきました。「高い」と記録されても、それが本当に金額の話なのか、そもそも必要を感じていないのか、話している相手を信用できていないのかで、直すべきトークはまったく違います。
金額が理由なら料金の見せ方を直します。必要を感じていないなら、使う場面を先に話します。相手を信用できていないなら、名乗り方と最初の30秒から見直すことになります。
表に出た言葉だけを数えても、最初の印象を数字で言い直すだけになります。
そこで方針を変えました。表の理由に加えて、その奥にある理由も選んでもらう。奥の理由は「不信・不要・不適・不急・不決」の5つに自動で振り分ける。期間は区切らず、ずっと続ける。お客様の年代や性別は、成約した電話も含めて全件で残す。断られた電話だけを見ていても、比べる相手がいないからです。

■負担は「減らす」より「返す」

入力の手間は、確かに少し増えました。その代わり、メンバーには自分の数字が見えるようにしました。他の人と比べる画面は出さず、自分がどこで止まっているかだけが分かる形です。
手間を頼むなら、その分を本人に返す。入力が「上に報告するための作業」になった瞬間、記録は止まります。最初の設計で私が恐れていたのは手間そのものではなく、手間が誰のためにもならないことだったのだと、あとから分かりました。
集計はまだ始まったばかりで、トークが変わったと言える段階ではありません。それでも、印象ではなく記録を開いて答える準備は、ようやく整いました。

■同じことで困っている方へ

断られた理由が分からないとき、最初に作るべきものは切り返しのトーク集ではないと、今は考えています。先に要るのは、断られた場面を残す仕組みです。
そのとき迷うのは「何をどこまで記録してもらうか」と「現場が続けてくれるか」の2つだと思います。私は一度、手間を減らすほうに倒しすぎて、使えない記録を設計しかけました。
項目を決める前の段階でも、話せる相手がいると整理は早く進みます。お困りごとがあれば、気軽にご相談ください。

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