Illustratorの繰り返し作業をスクリプトでまとめると、手作業では何十分もかかっていた処理が、短時間で終わることがあります。
ただ、画面に「完了」と出たからといって、安心して納品できるとは限りません。
現場で大事なのは、動いたかどうかより「意図した結果になっているか」です。
「処理しました」と「直りました」は違う
たとえば、複数のIllustratorファイルにあるフォントを一括で置き換える場合。
スクリプトが「30件処理しました」と表示しても、それが30件すべて正しく置換できたという意味なのか、30件を確認しただけなのかで話が変わります。
置換対象が見つからなかったファイル、ロックされていて触れなかった文字、指定したフォントが使えなかった文字もあるかもしれません。
だから私は、処理件数だけでなく、実際に変更できた件数や、変更できなかった理由まで確認できる形が大切だと考えています。
きれいなテストデータだけでは分からない
テスト用に作った、整理されたIllustratorファイルではうまく動く。
でも、いざ普段の制作データで実行すると、思った通りにならない。そんなこともあります。
現場のデータには、グループ化された文字、ロックされたレイヤー、非表示のオブジェクトなどが混ざっています。ファイルによって構造が少しずつ違うことも珍しくありません。
本番で使う前には、実際に近いデータをコピーして試すこと。処理前のファイルを残し、結果を見比べること。
当たり前のようですが、このひと手間が後の手戻りを減らします。
「できないとき」の動きも決めておく
自動化で意外と大事なのが、想定外の状態への対応です。
対象の文字が1つもなかったら? 指定フォントがインストールされていなかったら? 途中の1ファイルだけエラーになったら?
そこで全部止めるのか、問題のあるファイルだけ飛ばすのか、最後に一覧で知らせるのか。
正解は作業によって違います。
たとえば印刷前の最終データなら、黙って処理を続けるより、一度止めて確認できる方が安心な場合もあります。
本当に楽になるのは、確認まで考えた仕組み
スクリプトは「クリックの回数を減らす」ためだけのものではありません。
どこまで終わって、どこを確認すればいいのかが分かる。担当者が変わっても同じ手順で作業できる。
そこまで考えて、ようやく仕事で使いやすい自動化になります。
Design Scripts Labでは、Illustratorの作業内容を伺い、処理方法だけでなく、結果の確認や例外時の扱いも含めてスクリプトを検討しています。
「この操作、毎回やっているけどまとめられないかな」という段階からでも、今使っているデータや手順をもとに相談できます。
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