ファーストペンギンとして海へ飛び込め――茂木健一郎氏が明かす「ずしりと手応えのある人生」の掴み方

ファーストペンギンとして海へ飛び込め――茂木健一郎氏が明かす「ずしりと手応えのある人生」の掴み方

記事
コラム
これまでお届けしてきた『結果を出せる人の脳の習慣「初めて」を増やすと脳は急成長する』(茂木健一郎・著)の読書メモ。今回は、いよいよ最終章となる第4章「アウェーで戦える脳が日本を変える」の学びをまとめました!

はじめに:前回まで(第1〜3章)の振り返り

まずは、これまでの章でお伝えしてきた内容を簡単におさらいします。

第1章「初めての経験が脳を目覚めさせる」
快適な「ホーム」を出て、負荷のかかる「アウェー」に飛び込む大切さを学びました。日常で小さな「初めて」を増やして脳の回路を作り、リラックスしながら集中する「フロー状態」を目指すのがポイントでした。

第2章「必ず結果を出せる脳の育み方」
自分を「完成形」と決めつけず、社会と自分を切り離す「デカップリング」の意識を持つこと。単なる「アンチ」ではなく土俵の外で生きる「オルターナティブ」の姿勢を持ち、精神のキワまで追い詰めるほどの情熱を燃やすことの大切さを知りました。

第3章「結果につながる脳活用術」
物事に正解はなく熟慮しても答えは出ないため、直感を信じて「2秒で決断」し、走りながら反省すること。「自分自身」を最大のホームにし、不慣れな違和感すらも楽しんで飛び込んでいく技術を学びました。



第4章:アウェーで戦える脳が日本を変える

最終章では、個人の脳の習慣にとどまらず、「アウェーで戦える脳を持つ個人の挑戦が、停滞した日本社会をどう変えていくか」という視点で語られていました。

1. 日本のガラパゴス化と「本気の情熱」の欠如

世界が激変しグローバル化に適応している中、日本はかつての成功体験に固執し、変われないままガラパゴス化していると著者は指摘します。世界に通用するモノや人がたくさんあるにもかかわらず、国内だけで勝負してしまっているのが現状とのことです。

日本独特の価値観が足かせに
減点主義、空気を読むこと、多様性の少なさ、モノカルチャー、権威主義などにまみれた日本。繊細性や完成度の高さを大切にする日本のメンタリティーは、一歩アウェーに出ると身動きを取れなくさせてしまうそうです。

肩書きや学歴の形骸化
学歴や所属(東大出身など)に価値を見出しているのは日本くらいだと言います。インターネットには平等性があり、無名の人でも価値ある発信をしていれば評価が上がる時代です。検索してその人のリアルな実績や評判を見れば、これまでの採用基準や履歴書はいらなくなるとのことでした。

現実と理想の差が「情熱」を生む
今の日本には本気の勝負ができる人が少ないそうです。現状に満足せず「現実と理想の差」が大きいからこそ強い情熱が湧き上がるため、今の自分に甘んじない姿勢が大切とのことでした。

2. 親の教育、伝記の捉え方、日本の「暗黙のルール」

日本人は従順であり、場を乱さず秩序を保つことが個人の自由よりも重んじられています。これは日本で生きる中でマインドセットとして強力に刷り込まれてしまうそうです。

子供に必要なのは「能動性・自主性」
親は文脈に応じた答えを教えるだけでなく、能動性と自主性を教える必要があるとのこと。親と子供では生きていく時代が違うため、教え込まれるだけでは保護者に頼るしかない大人になってしまうそうです。

伝記はファンタジーではない
不確実な時代を生きるロールモデルとして伝記を読むのがおすすめですが、日本にあるのは「児童向けのファンタジーのような伝記」ばかりだと言います。「誰かがどうにかしてくれるだろう」と受け身になるのではなく、現状を突破するためのリアルな勉強として伝記に触れるべきとのことでした。

3. 海外で揉まれ、「英語」で世界とつながる

日本社会の暗黙のルールから抜け出すには、海外へ出て日本とは違うマインドセットに揉まれる体験が効果的だそうです。

海外で傷つく経験が自分を作る
日本での扱われ方との違いを知り、海外で傷つくことは、良くも悪くも「これまで日本人として生きてきた自分」を認めるプロセスになるとのこと。そこで苦しむことで、ようやくアウェーで戦える脳になるそうです。

日本のメディアを介さず「原文(英語)」で触れる
海外に行くチャンスがなくても、英語で世界レベルの情報に触れることが大切だそうです。日本のメディア経由のニュースは日本人が好む形にフィルタリングされているため原文を読むのが良いとのこと。

英語で発信して世界の中心になる
英語で情報発信をすれば、自分の周りが世界共通の言語で繋がり、世界の中心になっていきます。これこそが日常でできる「小さなアウェー戦」なのだそうです。

4. ファーストペンギンになり「偶有性の海」へ飛び込む

アメリカのエリートと日本のエリートは決定的に違います。日本では「社会に従順に適応できる人」がエリートとされ、変化を起こす存在として育てられていないため、社会全体に変化が起きにくいのだそうです。

だからこそ、私たちが真っ先に海へ飛び込む「ファーストペンギン」になる必要があると言います。誰かが「偶有性(何が起こるか分からない変化)の海」へ飛び込めば、後ろからたくさんの人がついてきてくれるはずとのことでした。

おわりに

全4回にわたってお届けしてきた『結果を出せる人の脳の習慣』の読書メモ。

安全なホームにとどまって周りの空気を読むのではなく、あえてアウェーへ飛び出し、英語で情報に触れ、リスクを取って「ファーストペンギン」として行動を起こしていくこと。それこそが、停滞した日本を揺さぶり、自分の中に眠る潜在能力を引き出して「ずしりと手応えのある人生」にしてくれるのだと強く実感しました。

「初めて」を恐れず、自分自身をホームにしながら、どんどん新しいアウェーの体験を重ねていきたいですね!
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