今回は『ロングゲーム 今、自分にとっていちばん意味のあることをするために』(ドリー・クラーク著)という本を手に取りました。全10章構成の本書ですが、今回は第1章「私たちはなぜこんなにも忙しいのか」を読んだ学びをまとめてお届けします。
本書の目的は、「長期的な目標」を持つことの大切さを説き、自分にとって真に意味のある成果を出すために「やるべきこと」を実用的に示してくれるものです。人生には成功と失敗を分ける数々の選択があり、確かな戦略を持って小さな行動を積み重ねていけば、理想の未来は手に入ると著者は語っています。
第1章:私たちはなぜこんなにも忙しいのか
長期的で大きな目標に取り組むためには、まず自分の手元にある「時間」を取り戻さなければなりません。著者は冒頭で「すでに満杯のコップに物は入らない」と警告しています。
1. 人は「忙しさ」で自分の価値をアピールしてしまう
激務をこなしていると「自分は成功への道を歩んでいる」と感じがちですが、そもそも「自分にとっての成功の意味」をきちんと考えなければならないそうです。
現代の多くのプロフェッショナルは、戦略的な思考に時間を使うのではなく、メールの処理や会議といった作業に時間を費やしてしまい、本当に成果に繋がる大切な仕事が隅に追いやられているとのこと。
それでも忙しくしてしまうのは、「忙しい=自分は社会から求められている人材だ」と周囲にアピールでき、それが本人の自尊心を満たしてしまうからだと言います。
2. 「忙しさ」は直視したくない問題から目を逸らす手段になる
予定を大量に詰め込む背景には、「深く考えたくない」という心理も隠れているそうです。用事を増やして常に動き回ることで、心の底にある寂しさや、本当は向き合わなければいけない難しい問題から目を逸らすことができるとのことでした。
また、情報が溢れる現代では「受け取る側の集中力」が奪われてしまいます。目先のことに追われる短期的な思考はラクですが、本来は「注意を向ける先を賢く選ぶこと(長期的な目線を持つこと)」が不可欠だとみんな分かっています。しかし、具体的に「どこから手をつければいいのか」が分からないのが現実だそうです。
3. 「忙しい人」は自分の人生をコントロールできていない人
著者は「忙しい人とは、自分のスケジュールすらコントロールできていない人だ」とバッサリ定義しています。
逆に真に成功している人は、常に落ち着いて穏やかであり、人の話をよく聞く余白を持っているそうです。彼らは自分のスケジュールを自分でコントロールするために、正しく「選択」をしているとのことでした。
4. 自分の時間を取り戻す「カレンダー優先」の思考術
時間を取り戻すためには、ダイエットで食事量を減らすのと同じように、まず不要なものを削除して「余白」を作らなければ思考すらできないそうです。
具体的な改善策として、以下のステップが紹介されていました。
To-Doリスト思考をやめる
やるべきことリストを作っている限り、タスクはどんどん増えていくだけとのこと。
一番大切な予定を「真っ先に」カレンダーに書き込む
家族と過ごす時間や重要なプロジェクトなど、自分にとって最優先の予定を最初にカレンダーへブロックしてしまう。
非効率な時間を浮き彫りにする
一番大事な予定を先に書くことで、それ以外の「そもそも非効率だと気づいていなかった無駄な時間」がはっきりと見えてくるそうです。
入らないものは断る・任せる
カレンダーに入りきらないものは、思い切って断るか他人に任せるなどして、削ぎ落としていく必要があるとのことでした。
おわりに
「忙しいこと=優秀で求められている証拠」と勘違いし、スケジュールを埋めることで安心しようとする心理にはドキッとさせられました。
まずはTo-Doリストを追うのをやめ、自分にとって本当に大切な予定からカレンダーに埋めていくこと。コップの余白を作り出し、長期的な視点で「自分だけのロングゲーム」を戦うための準備を整えていきたいです。