新築神話は本当か? 35年長期収支シミュレーションの答え

新築神話は本当か? 35年長期収支シミュレーションの答え

記事
マネー・副業
~ 新築物件 vs 築15年物件 ~ 投資効率IRRの比較
賃貸不動産投資を検討するとき、
「新築は安心だけど高い」 「中古は安いけど修繕が不安」
と悩む方は多いのではないでしょうか。

一般的に新築物件は、
• 家賃が高い
• 空室リスクが低い
• 修繕費が少ない
と言われています。
一方で、
• 購入価格が高い
• 利回りが低い
という欠点もあります。

逆に築年数が経過した物件は、
• 利回りは高い
• 購入価格は安い
ものの、
• 修繕費負担が大きい
• 融資期間が短くなる
という課題があります。

では実際に同じ条件で比較した場合、
新築と築15年物件では、どちらの投資効率が高いのでしょうか?
今回は35年間の長期収支シミュレーションで検証してみます。

■ シミュレーション条件
まずは両物件に共通する条件を整理します。

共通条件.png

■ 今回の分析方法
今回の検証では、
単純な利回り比較ではなく、
実際の賃貸経営を想定した長期収支シミュレーションを作成しています。
分析条件は次の通りです。

• シミュレーション期間:35年
• DSCRが1.2以上となる資金計画
• 諸経費を考慮
• 大規模修繕費を考慮
• 売却時の出口まで考慮
また、購入時諸経費や修繕準備金を含めた金額を実際の自己資金投入額として計算しています。

ケース① 新築物件
まずは新築物件です。
資金計画は次の通りです。
新築資金計画.png

この条件で35年間の収支推移をシミュレーションしました。
新築収支グラフ.png
新築資産グラフ.png

ケース② 築15年物件
次に築15年物件です。
資金計画は次の通りです。
築15年資金計画.png

ここで重要なポイントがあります。
この物件の市場価格は3,200万円でした。
しかし、
直近で大規模修繕が実施されていなかったため、
取得後に約300万円の修繕工事が必要と判断しました。
そこで、
修繕費相当額について価格交渉を行い、
購入価格を2,900万円まで引き下げています。
つまり、
単純に「築古だから安い」のではなく、
将来必要な修繕費を見込んだうえで価格交渉を行った結果です。
価格交渉の考え方については、こちらの記事でも解説しています。
( 不動産投資の値引きはどう決める?👇

この条件で収支シミュレーションを行った結果がこちらです。
築15年収支グラフ.png
築15年資産グラフ.png

■ 結果の比較表
それでは、
投資判断で最も重要な指標の一つである
IRR(内部収益率)
で比較してみましょう。

IRR結果比較.png

意外な結果になりました
結果を見ると、
新築と築15年物件の投資効率はほぼ互角
という結果になりました。
「新築の方が有利だと思っていた」
という方も多いかもしれません。
しかし実際には、
• 家賃
• 修繕費
• 借入期間
• 購入価格
• 出口価格
などの要素が複雑に関係するため、
単純に
新築だから有利 あるいは 中古だから有利
とは言えないのです。
むしろ重要なのは、
物件価格が適正なのか。
将来の修繕費を織り込めているのか。
そして、
どのような資金計画を組むのかです。

■ まとめ
今回のシミュレーションでは、
同一条件で比較した場合、
新築物件と築15年物件のIRRは大きく変わらないという結果になりました。
つまり、
投資成果を左右するのは築年数そのものではなく、
購入価格と事業計画の精度
だと言えるでしょう。
では、
IRRを大きく左右する要因は何でしょうか?
次回は、
「不動産投資のIRRを決める本当の要因」
について解説したいと思います。

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