話を聞いてあげられなくて、ごめん。

話を聞いてあげられなくて、ごめん。

記事
コラム
私には、
20歳の時に出会った友だちがいました。


バイト先で知り合ったんだけど、

オープニングスタッフに
偶然同い年が6人もいて、
その子はその中の一人でした。


最初の印象は
「明るくて面倒見のいい子」

でも
当時の私、けっこう尖ってたんです。


誰にでも優しくする子のことを、
なんとなく敬遠してたところがあって。

「どうせ誰にでもそうなんでしょ」
みたいな。


でも、
同じ時間帯でシフトに入るようになってから、
少しずつ話すようになって。

気づいたら、
すごく仲良くなっていました。


その子は、
20歳とは思えないくらい落ち着いてて、
包容力のある子でした。


話してると、
なんだか自分の色んな部分を
見透かされてるような感じがして。

それが不思議だったし
安心感も感じてて、
なんでも話せる存在になっていきました。 

彼女は
早く子どもが欲しい、ってよく言ってて、

当時の私は結婚も考えてなかったし、
正直、子どもも苦手で。

「私は子どもいらないかな」って言ったら、

彼女は笑って
「そう?せんの子なら絶対かわいいよ。」
って言ってくれました。

何気ない一言だったんだろうけど、
今でも覚えてます。



21歳の時、
その子は自ら命を絶ちました。


亡くなる3日前まで、
私たちはメールをしてました。

「一緒に東京旅行したいね。」
なんて話をして。

私はその頃、
東京に遊びに行っていて。


「死んだ」って連絡が来た時、
正直、全く実感がなくて。

そのままいつも通りバイトに行って、
帰ってきて、

いつものように彼女にメールを送りました。

返事は、来ませんでした。


次の日、
お葬式に行きました。

眠っているみたいな表情で。

思わず話しかけたけど、
当たり前だけど、反応はなくて。


「話、聞いてあげられなくてごめん。」


そう言った瞬間、私は泣き崩れました。

ずっと泣いていて、
彼女のご家族に心配されるくらい。



それから何年も経って、
色んな人のお葬式に参列するようになりました。

でも不思議と、
身内のお葬式でも、私は泣けないんです。


泣けない代わりに、
後からどっと体調を崩して寝込む。

実体のない何かを感じるというか。

霊感とかは全くないんですけど、

「話したかったことがあったのかな」って、
ふと思うことがあります。



死んでしまった人とは、
もう話せないし、会えません。

それは、どうしようもないことです。



だからこそ思うんです。

生きていて、話せるうちは。
私で良ければ、話を聞かせてほしいなって。



私自身、
今でも「死にたい」って思うことがあります。

それは
何か重大な理由があるわけじゃなくて、

辛い、苦しい、悲しい、疲れた、寂しい……

そういう気持ちが積み重なった時に、
ふっと出てくる言葉です。


たぶん、
同じような感覚を持ってる人は
少なからずいるのかもしれません。



生きてる意味なんて、
正直よく分かりません。

でも、
分からないなら自分で見つければいいし、
分からないままでもいいと思うんです。



しょうもない話だとしても構いません。

それを聞きたいと思っている
私という存在がいることを、
忘れないでいてほしい。


これが、
今の私から伝えたいことです。
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