年金の受給資格は10年で足りる。でも、それだけで安心はできません

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「年金保険料を10年払えば、もう安心ですよね」。そう考えている方は少なくないと思います。たしかに2017年8月から、老齢年金を受け取るために必要な期間は25年から10年以上に短縮されました。転職やブランクがあっても、合計10年あれば老齢年金の資格自体はなくなりません。

ただ、この「10年」だけを覚えていると、退職後や老後の生活設計を考えるときに見落としが出ます。10年をわずかに超えただけの場合、思っていた額とはかなり違うことがあるからです。

【資格があることと、もらえる額は別の話】
老齢年金は、資格期間が10年あれば受け取れます。ただし実際に振り込まれる金額は、保険料を納めた期間や免除を受けた期間の長さに応じて計算されます。10年ぎりぎりで資格を得た人と、25年・30年と納めてきた人とでは、毎月の受取額に大きな差が出ます。

「資格がある」と「暮らせる額をもらえる」は、別の話です。老後の生活費を見積もるときは、資格の有無ではなく、実際の見込み額を基準にしてください。

【障害年金・遺族年金は、別の基準で決まる】
2017年の改正で変わったのは、老齢年金の資格期間だけです。障害年金や遺族年金の資格は、原則として、初診日や死亡日の前々月までの期間のうち、保険料を納めた期間と免除された期間を合わせて3分の2以上必要という基準で決まります。

老齢年金の10年ルールとは別物です。老齢年金の資格があるからといって、障害年金や遺族年金も同じように受け取れるとは限りません。未納期間に心当たりがある方ほど、早めに記録を確認しておく価値があります。

【加給年金は、厚生年金20年以上が条件】
厚生年金に長く加入していた人には、配偶者や子がいる場合に加給年金が上乗せされる仕組みがあります。ただしこれも、厚生年金の加入期間が20年以上あることが条件です。

転職を重ねて20年に届かない場合は、対象になりません。同じ会社に長く勤めた人と、転職を重ねた人とでは、この点でも受け取れる年金の中身が変わります。

【迷ったら、この3点を整理する】
1. 自分の年金加入記録が、合計で何年何か月あるか
2. 老齢年金だけでなく、障害年金・遺族年金・加給年金それぞれの条件を満たしているか
3. 記録に空白期間がないか、ねんきん定期便で確認したか

「10年払ったから大丈夫」で止めず、自分の記録がどうなっているかを早めに見ておく。それだけで、退職後の生活設計はかなり立てやすくなります。

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