「発注したつもり」がなくならない店と、なくなった店の違い

「発注したつもり」がなくならない店と、なくなった店の違い

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ビジネス・マーケティング
「あれ、頼んだと思ってたんですけど」

飲食の現場にいると、この一言を年に何度も聞きます。
そして言った本人は、たいてい真面目な人です。

発注ミスは、記憶力や注意力の問題ではありません。
「決まっていないこと」が多すぎるだけです。

今日は、私が現場で発注・在庫管理をやってきた中で、
「これを決めたらミスが止まった」という3つを書きます。


■ 1つ目:数えるタイミングが決まっていない

「気づいたときに見る」は、忙しい日に必ず飛びます。
そして忙しい日ほど、在庫は減っています。

なので私は、数える日と時間を固定しました。
たとえば「毎週火曜の開店前、発注をかける前に必ず数える」。

ポイントは、**発注の直前に数える**ことです。
前日に数えて翌日発注すると、その間に出た分がズレます。
たった1日でも、動きの速い品はズレます。

決めるのは「いつ数えるか」だけ。これで半分は減ります。


■ 2つ目:「いくつになったら頼むか」の線がない

「なくなったら頼む」では、間に合いません。
頼んでから届くまでに、2日かかる品があるからです。

だから、品目ごとに「この数を切ったら頼む」という線を決めます。
在庫管理では、この線を「安全在庫」と呼びます。

決め方はシンプルで、

 安全在庫 = 1日に使う数 × 届くまでの日数 + 予備

たとえば1日6本使うドリンクで、届くまで2日かかるなら、
6 × 2 = 12本。ここに予備を少し足して、15本を切ったら発注する。

大事なのは、正確さより「決まっていること」です。
線があれば、誰が見ても同じ判断ができます。
そして新人に「なぜ今頼むのか」を説明できます。


■ 3つ目:頼んだ記録が、どこにも残っていない

発注ミスには2種類あります。
「頼み忘れ」と、「二重に頼んだ」です。

後者は、記録がないと必ず起きます。
店長が頼んだのを知らずに、社員がもう一度頼む。
届いてから気づいて、冷蔵庫がいっぱいになる。

これは、1行残すだけで消えます。

 いつ・どこに・何を・いくつ頼んだか

この4つだけ。凝った書式は要りません。
むしろ凝るほど書かなくなるので、シンプルにしてください。


■ 表にする意味は「覚えなくてよくなる」こと

この3つは、頭の中でもできます。
ただし、頭の中にある限り、その人が休んだ日に止まります。

表にしておくと、

・数える日が来たら、埋めるだけ
・線を切った品は、目で見てすぐ分かる
・頼んだ記録が残るので、二重発注が起きない

つまり、**ベテランの判断を、新人でも同じようにできる形に置き換える**ということです。

私自身、最初は紙でやっていました。
それをExcelにして、在庫数を入れると「要発注」が自動で出るようにしたら、
確認にかかる時間がはっきり減りました。

難しい関数は使っていません。
「この数を下回ったら赤くする」を設定しているだけです。


■ 最後に

発注ミスが起きたとき、誰かを責めても再発します。
責めるかわりに、「何が決まっていなかったか」を1つ探してください。

数えるタイミングか、頼む線か、記録か。
たいてい、このどれかです。

現場で使っている発注・在庫のチェック表は、
そのまま使える形にしたものを出品一覧に置いています。
興味があれば、覗いてみてください。
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