会場に着いて、荷を下ろして、それから気づく。
「あれ、○○がない」
ケータリングや出張宴会をやっていると、
たぶん誰でも一度は経験があると思います。
戻れる距離ならまだいい。戻れない距離のときは、
その場にあるもので何とかするしかありません。
そして、お客様には何も起きていない顔で出す。
あれが一番きついです。
■ 積み忘れは「確認不足」ではありません
事故が起きたあと、たいてい「確認が甘かった」で終わります。
でも、確認した本人はちゃんと見ているんです。
問題は、確認する対象が毎回変わることです。
献立が違えば器も違う。会場が違えば延長コードの本数も違う。
人数が違えばグラスの数も変わる。
つまり「毎回ちがうものを、記憶で確認している」。
これで抜けないほうがおかしい、というのが私の実感です。
■ 1つ目:積む順番を、降ろす順番の逆にする
これは道具の話ではなく、積み方の話です。
会場でまず使うのは、たいてい設営まわりです。
テーブルクロス、脚、延長コード、養生。
料理は最後に出します。
なので、トラックには**最後に使うものから先に積む**。
そうすると、降ろした順にそのまま設営が進みます。
順番が決まると、積み込みながら数えられます。
「設営 → 什器 → ドリンク → 料理」の4つのかたまりで積めば、
かたまりごとに確認できるので、抜けたときにすぐ気づきます。
逆に、空いているところに詰めていく積み方だと、
現場で荷物を全部下ろすまで、何が無いか分かりません。
■ 2つ目:「毎回積むもの」と「今回だけ積むもの」を分ける
積み忘れが起きるのは、ほぼ後者です。
延長コードやトングは毎回積むので、体が覚えています。
忘れるのは「今回だけ必要なもの」です。
・この献立にだけ使う器
・この会場にだけ必要な延長コード(距離が長い)
・この人数だからいる追加のグラス
なので、リストを2段に分けます。
【毎回積むもの】…… 内容が変わらない。チェックだけ
【今回積むもの】…… 案件ごとに書き足す欄
書き足す欄が空欄のまま出発しそうなときは、
たいてい打合せの内容が落ちています。そこで気づけます。
■ 3つ目:積んだ人の名前を残す
責任を取らせるためではありません。逆です。
複数人で積むと、「誰かが積んだと思っていた」が起きます。
一番危ないのは、全員が善意で動いているときです。
なので、かたまりごとに「積んだ人」の欄を作ります。
設営 …… 誰
什器 …… 誰
ドリンク …… 誰
料理 …… 誰
これだけで「思っていた」が消えます。
名前が空欄なら、そのかたまりは誰も積んでいません。
■ 表にすると、新人でも同じ精度になる
この3つは、経験のある人なら頭の中でやっています。
ただし、その人が休んだ日に止まります。
表にしておくと、
・積む順番が書いてあるので、迷わない
・毎回のものはチェックするだけ
・今回のものは打合せ時に書き足す
・誰が積んだかが残る
つまり、**ベテランの段取りを、そのまま形にして渡せる**ということです。
私は最初、紙に手書きでやっていました。
それをExcelにして、案件ごとにコピーして使う形にしたら、
出発前の確認にかかる時間がはっきり減りました。
難しい関数は使っていません。
チェックが入っていない行に色が付くようにしているだけです。
■ 最後に
積み忘れが起きたとき、誰かを責めても再発します。
責めるかわりに、「何が決まっていなかったか」を1つ探してください。
積む順番か、今回だけのものの扱いか、誰が積んだかの記録か。
たいてい、このどれかです。
現場で使っている積込・準備のチェック表は、
そのまま使える形にしたものを出品一覧に置いています。
興味があれば、覗いてみてください。