私は、本が大好きです!
子どもの頃から、本棚にはいつもたくさんの本がありました。
本棚に入りきらなくなれば積み重ね、それでも読む。
積読ではありません。
ちゃんと読んで、それでも手元に置いておきたい本ばかりでした。
就職して上京したとき、かなり物を減らして暮らしたことがあります。
家具らしい家具もほとんどない。
それでも、本は持っていきました。
そして本を詰め込みすぎて、本棚を壊しました(笑)
そんな私がある日、本棚をひとつにすることになりました。
「本棚ひとつ分なら、選べばいい」
言葉にすると、とても簡単です。
残したい本を選ぶ。
入りきらない本は手放す。
ただ、それだけ。
片付けの方法として考えれば、難しいことではありません。
ところが、いざ始めてみると全然進みませんでした。
これも好き。
これも、もう一度読みたい。
これは何度も読んだ。
これは手元に置いておきたい。
一冊ずつ手に取るたびに、残したい理由が出てきます。
だって、そもそも私は、好きだから持っていたのです。
使っていないから放置していたわけでもない。
存在すら忘れていたわけでもない。
「いらない物を処分する」のとは、まったく違いました。
本を選びながら、泣きました。
結局、私は泣きながら本を整理しました。
片付けをして泣くなんて、大げさに聞こえるかもしれません。
でも、悲しかったんです。
本は、ただの紙の束ではありませんでした。
読んだときの気持ち。
好きだった物語。
何度も読み返したページ。
その頃の自分。
いろいろなものが、一冊の本についていました。
もちろん、本を手放したからといって、読んだことまでなくなるわけではありません。
それは分かっています。
それでも、
「好きだけれど、手放す」
というのは、私にとって簡単なことではありませんでした。
片付けたら、いつもスッキリするわけではないのです。
お片付けの話では、
「手放したらスッキリしました」
「物を減らしたら気持ちまで軽くなりました」
という言葉をよく見かけます。
もちろん、そういう片付けもあります。
私にも、片付けて爽快だった経験があります。
でも、すべての片付けがそうではありません。
片付けたけれど、悲しい。
そんな片付けだってあります。
それでも暮らしには、使える場所に限りがあります。
自分の好きなものを、好きなだけ置けるとは限りません。
だから、ときには選ばなければならないこともあります。
それは「その物がいらなくなったから」とは限らないのだと思います。
だから、簡単に「捨てましょう」とは言いたくないのです。
今、お片付けについてご相談を受けるとき、私は「まず物を減らしましょう」とは言いたくありません。
もちろん、もう必要のない物なら手放す方法もあります。
でも、たくさん持っているからといって、その人にとって不要とは限りません。
本が好きな人。
服が好きな人。
食器が好きな人。
雑貨が好きな人。
人によって、大切にしたいものは違います。
外から見れば、
「こんなにいらないでしょう」
と思う量でも、本人にとっては全部に理由があるかもしれません。
だから、まず聞いてみたいのです。
「これは、あなたにとってどんな物ですか?」
そこから考えればいいと思っています。
今でも、本は好きです
本棚を1つにしたからといって、本が好きではなくなったわけではありません。
今でも本は好きです。
たぶん、これからも好きです。
ただ、好きなものを全部持つことと、好きなものを大切にすることは、必ずしも同じではないのかもしれません。
残した本を楽しむ。
また読みたくなったら、図書館で借りてもいい。
そのとき本当に欲しければ、また買ってもいい。
インターネットサービスを利用してもいい。
そんな付き合い方もできるようになりました。
それでも、本を整理したあの日の私は泣きました。
だから私は、「手放せない」には、その人なりの理由があると思っています。
片付けることを急がなくてもいい。
好きなものなら、迷ってもいい。
自分が納得できるところを探しながら、少しずつ整えていけばいい。
そんなふうに思います。
くらしの栞(しおり)|ナッキー