【FP1級の現場から】
育休復職後の「時短勤務」で給料はどう変わる?
手取り減を防ぐ制度と家計の守り方
こんにちは、FP1級の星です。
「育休から復職して時短勤務を始めるけれど、給料はどれくらい下がってしまうんだろう……」
「勤務時間が短くなった分、手取りが激減して生活が苦しくならないか不安」
育休からの職場復帰は、仕事と育児の両立という大きな変化に加え、「時短勤務による収入の減少」という家計上の課題が重なるタイミングです。
しかし、2025年4月の制度改正によって、時短勤務中の親を強烈にサポートする新制度「育児時短就業給付」がスタートしたことをご存知でしょうか?
今回は、時短勤務による給与低下の仕組みと、手取りの減少を緩和するために知っておくべき「3つの公的制度と優遇措置」について分かりやすく解説します。
第1章:
なぜ時短勤務になると「思った以上に給料が減る」のか?
まず、時短勤務を選択した際の給料(基本給)がどのように計算されるかを確認しておきましょう。
原則として、時短勤務中の給与は「実労働時間に応じた日割り・時間割り計算」となります。
例えば、所定労働時間が「1日8時間」の会社で、子どもが2歳になるまで「1日6時間」の短時間勤務を選択した場合、基本給は「6/8(約75%)」に削減されます。
さらに、ここに以下の要素が加わることで、「基本給以上に手取りが減った」と感じやすくなります。
●残業代がゼロになる(基本給だけでなく、以前はついていた残業手当がなくなります)
●各種手当や賞与(ボーナス)への影響(会社の就業規則により、基本給に連動して賞与が減額される場合があります)
「所定時間が2割減っただけ」と思って復職すると、給与明細を見て想像以上の減少幅にショックを受けてしまうケースが少なくありません。
<※画像はイメージです>
第2章:
2025年4月スタート!強力な味方「育児時短就業給付」とは?
こうした「時短勤務による収入減」を補うために、2025年4月から雇用保険の新しい給付金として創設されたのが「育児時短就業給付」です。
1. 制度の概要
2歳未満の子どもを養育するために時短勤務を実施し、賃金が低下した場合に、時短勤務中の各月に支払われた賃金額の「原則10%」が支給されます。
・対象者:2歳未満の子を養育するために短時間勤務を行う、雇用保険の被保険者
・支給額:時短勤務中の支払賃金 × 10%(※賃金低下率や上限額に応じた調整あり)
これまで「育児休業給付金」は育休中しか受け取れませんでした。この新制度の登場によって「復職して時短勤務で頑張る期間」にも給付金のサポートが受けられるようになりました。
給与そのものが下がっても、この10%の給付金が上乗せされることで、家計の収入ダウンを大幅に和らげることができます。
第3章:
忘れてはならない!手取りを守る「2つの優遇制度」
「育児時短就業給付」に加えて、時短勤務中のママ・パパが絶対に申請・確認しておくべき重要な優遇制度が2つあります。
1. 社会保険料の「改定」(随時改定の特例)
復職して給与(基本給)が下がった場合、通常よりも早く社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)の等級を下げて額を引き下げる「育児休業等終了時報酬改定」という手続きが可能です。
(※この制度は申請主義です。「被保険者が事業主を経由して申し出る」行為
がなければ利用できないということも併せて覚えていてください。)
通常、社会保険料の改定は年1回(定時決定)ですが、復職後3ヶ月間の給料をベースに4ヶ月目から社会保険料を引き下げることができます。
社会保険料の負担が軽くなるため、結果として「手取り額の割合」が高く維持されます。
2. 将来の年金額を減らさない「養育期間標準報酬月額特例」
ここが一番見落とされやすい、極めて重要なポイントです。
時短勤務によって給与が下がると、本来であれば納める厚生年金保険料が減り、将来もらえる老齢厚生年金の額も下がってしまうというデメリットが発生します。
これを防ぐのが「養育特例(養育期間標準報酬月額特例)」です。
子どもが3歳に達するまでの間、時短勤務等で給料が下がっても、日本年金機構に申請(年金事務所へ届出)を行っておけば、「下がった後の低い保険料を納めつつ、年金計算上は『出産前の高い給料のまま』納めたものとして扱ってくれる」という夢のような特例です。
(※こちらの制度も申請主義です。「勤務先(会社)の労務担当者を経由して
年金事務所へ提出」行為がなければ利用できないということも併せて覚えて
いてください。)
働き方をセーブしても将来の年金額が目減りしないため、該当する方は必ず会社経由(あるいはご自身)で手続きを行いましょう。
第4章:
【教訓】制度の仕組みを知り、夫婦で家計の「最適解」を作る
時短勤務での復職を迎えるにあたって、最も大切なのは「減額される給料の現実」と「サポート制度の手取り効果」を事前に正しく把握しておくことです。
●基本給の削減比率と賞与への影響を会社に事前確認する
●2025年からの「育児時短就業給付(10%上乗せ)」を加味した手取りを試算する
●社会保険料の改定手続きと「養育特例」の申請を漏れなく行う
「復職したら思っていたより手取りが少なくてパニックになる」のではなく、制度による補塡や社会保険料の軽減効果を前もってシミュレーションしておくことで、家計の予算組を冷静に行うことができます。
また、妻側だけが時短勤務で給料を減らすのではなく、夫側も残業を調整したり、夫婦で時短や時差出勤をシェアしたりするなど、世帯全体の収入バランスと育児負担を最適化していく姿勢も大切です。
第5章:
【希望】時短勤務は「自分と家族の未来を守るための投資」
収入が下がることをネガティブに捉えてしまう方もいらっしゃいますが、決して落ち込む必要はありません。
子どもが小さく手がかかる時期に、時短勤務を使ってゆとりを持ち、仕事と家庭を両立させることは、「キャリアを途絶えさせず、子どもの健やかな成長を間近で見守るための価値ある選択」です。
●完全に離職してしまうと、将来の生涯賃金は大きく損なわれる
●時短勤務であっても働き続けることで、キャリアを継続し、子どもが大きくなったタイミングでフルタイムへ復帰できる
国の手厚い制度(育児時短就業給付や年金特例)を活用しながら乗り切れば、数年後には子どもも成長し、再び以前のような収入ペースへ戻していくことができます。
今の時期の時短勤務は、家族の笑顔とあなたのキャリアを守るための「必要な助走期間」なのです。
結び:
無理のない復職後のライフプランを一緒に描きましょう
かつては「時短勤務にすると給料も年金も減って損をする」と言われた時代もありましたが、現在は法改正と制度の整備により、頑張る子育て世代を支える環境が格段に良くなっています。
時代の変化と制度を味方につけ、安心して復職への第一歩を踏み出してみませんか。
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ここでブログはおしまいです。
「我が家の場合、時短勤務に切り替えたら具体的な手取り額がいくらになるか試算してほしい」
「『育児時短就業給付』や『養育特例』の手続きが漏れていないかプロに確認したい」
「復職後の生活費と、将来の教育資金・老後資金の計画をFP1級としっかり作り直したい」
そう思われた方は、ぜひご都合に合わせた方法でお気軽にご相談ください。
元金融機関・企業経理の経験を持ち、数々の働くママ・パパの復職後ライフプラン作成に携わってきたFP1級の私星が、ご夫婦の現状に寄り添い、安心できるこれからの家計設計を全力でサポートいたします。
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