曲の書き出しが決まらないとき:心をつかむ一行目の書き方3つ

曲の書き出しが決まらないとき:心をつかむ一行目の書き方3つ

記事
音声・音楽
作詞をしようとノートを開いたとき、「1行目に何を書くか」に悩む人は多いかもしれません。

真っ白なページを前にすると、「リスナーを一瞬で引き込むような言葉で始めなければ」「状況をちゃんと説明しなければ」と、つい身構えてしまうものです。考えすぎてペンを持ったまま時間だけが過ぎていくというのは、多くの人が経験することだと思います。

最初の一行が決まらないと、その先もなかなか進まないものです。逆に言えば、入り口さえスムーズに見つかれば、あとは自然と物語が動き出してくれることも少なくありません。

今回は、書き出しで迷ってしまったときに試していただきたい、物語がスッと動き出す「1行目の書き方」を3つシェアします。

1. 唐突な「会話」から始めてみる

一つ目の方法は、状況の説明ではなく、「誰かのセリフ」から唐突に始めてみるアプローチです。

普段、私たちは「朝起きて、カーテンを開けた」のように、順序立てて状況を説明したくなります。もちろんそれも間違いではないのですが、いきなり誰かの話し言葉から始めることで、一気に歌詞の世界に引き込む効果が生まれます。

「ねぇ、聞いてる?」
「ごめん、やっぱり行けない」
「嘘でしょう?」

このように、鍵カッコ「」で始まる言葉を一行目に置いてみます。すると、聴き手は説明的な歌詞よりも、その曲の世界に対して自然と興味を持ちやすくなります。

また、セリフから始めると、二行目は「そう言って君は笑った」や「受話器の向こうで声が震えていた」といったふうに、そのセリフを受けた描写が続きやすくなるため、書き手にとっても展開をつくりやすいというメリットがあります。

2. 視覚以外の「音」や「匂い」から始めてみる

二つ目の方法は、目に見える景色ではなく、それ以外の「感覚」から入ってみることです。

「青い空が広がっていた」という視覚情報はわかりやすい反面、少しありきたりな印象を与えてしまうこともあります。そこで、あえて「音」や「匂い」を描写することから始めてみます。

「遠くで踏切の音が鳴り止まない」
「雨上がりのアスファルトの匂いがした」
「救急車のサイレンが近づいてくる」

視覚以外の感覚から入ることで、聴き手の想像力をより強く刺激することができます。「踏切の音が聞こえるということは、外にいるのかな」「誰かを待っているのかな」と、言葉の余白にある物語を感じてもらいやすくなります。

3. 「小さなモノ」のアップから始めてみる

三つ目の方法は、カメラのレンズをグッと近づけて、「手元の小道具」の描写からスタートすることです。

壮大なテーマや深い愛を歌いたいときほど、最初は広い空や街全体の景色を描きたくなるものかもしれません。しかし、あえて「生活の中にある小さなモノ」に焦点を当ててみます。

「片方だけ解けた靴紐」
「テーブルに残された冷めたコーヒー」
「錆びついた自転車のチェーン」

大きな世界ではなく、小さな一点から書き始めることで、その歌にリアリティや生活感が生まれます。そこから徐々に視点を広げていき、街の景色や主人公の内面へと繋げていくと、まるで映画のオープニングのような奥行きのある構成になります。

最初の一行は「仮置き」でいい

3つの方法をご紹介しましたが、最初から完璧にする必要はありません。

書き出しというのは、あくまで家に入るための「玄関」のようなものです。書き進めていくうちに、「やっぱりこっちの言葉のほうがなじむ」「玄関の位置はこっちのほうがいい」と気づいたら、後からいくらでも直すことができます。

あまり気負わずに、「とりあえず誰かのセリフから始めてみよう」「今日は靴紐の描写から書いてみよう」くらいのフラットな気持ちで、まずはペンを動かしてみてはいかがでしょうか。

▽ あなたの歌詞をプロの視点で磨き上げる、個別添削セッションはこちらからお申し込みいただけます。


サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す