2番で筆が止まってしまうとき:歌詞の視点のずらし方のヒント

2番で筆が止まってしまうとき:歌詞の視点のずらし方のヒント

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音声・音楽
作詞をしていると、このような壁にぶつかることはないでしょうか。

「1番のAメロ、Bメロ、サビまでは、勢いでバーッと書けた」
「でも、2番で何を書けばいいのか分からない」

これは非常によくある悩みです。ノートの前で「1番でもう言いたいことは全部言っちゃった気がする」と、先へ進めなくなってしまう。無理に書こうとすると、1番の言い換えのようになってしまったり、説明っぽくなってしまったりして焦ることもあるかと思います。

今回は、そんなときに使える「2番の歌詞をスムーズに書き出すための、小さな視点のずらし方」を3つシェアします。

そもそも、2番の役割とは

J-POPなどの楽曲において、1番が「状況説明」だとしたら、2番は「深掘り」のパートだと捉えてみるといいかもしれません。

聴き手は、1番を聴いた時点で「こういう主人公が、こういう状況にいるんだな」と大枠を理解しています。だからこそ、2番では「実はこういう背景がある」と少し踏み込んだ話を提示してあげると、物語が一気に立体的になります。

では、そのためにどのように視点を変えればいいのでしょうか。

1. 「時間」をずらしてみる

一番使いやすくて効果的なアプローチです。もし、1番の歌詞で「今の気持ち」や「現在の状況」を歌っているなら、2番では思い切って「過去」にタイムスリップしてみます。

1番(現在): 雨の中、君が去っていく背中を見ている。(別れの瞬間)
2番(過去): あの日は、今日みたいな雨じゃなくて、眩しいくらいの晴れだった。(出会いの回想)

2番に「過去のエピソード」を入れることで、「あんなに幸せだったのに、今は別れてしまうんだ」というギャップが生まれ、1番で歌った切なさの理由がより深く伝わるようになります。

反対に、「未来」を想像してみるのも方法の一つです。「明日の朝には、この雨も止んでいるのだろうか」と、少し先の未来に想いを馳せるだけで、歌詞の中に時間の流れが生まれます。

2. 「距離」をずらしてみる(ズームイン・アウト)

カメラのレンズを操作するようなイメージの作詞方法です。1番で街の風景や季節など、広い景色(引きの映像)を描写していたなら、2番ではグッとカメラを寄せて、手元の小さなもの(アップの映像)に焦点を当ててみます。

1番(広い視点): クリスマスのイルミネーションが街を彩っている。
2番(狭い視点): ポケットの中で、かじかんだ指先をずっと握りしめている。

逆に、1番で自分の内面ばかりを歌っていたなら、2番ではふと顔を上げて、周りの景色や道ゆく人々の様子を描写してみるのも効果的です。視点の距離を変えるだけで、同じテーマでも全く違う言葉が出てくるきっかけになります。

3. 「相手の視点」になってみる

少し応用編ですが、楽曲をドラマチックに展開させる方法です。1番はずっと「僕」の視点で語っていたけれど、2番のAメロだけ「君」がどう思っていたかを想像して書いてみる、というテクニックです。

1番(僕): 僕は君に、言いたいことも言えずに黙っていた。
2番(君の視点を想像): 君もあの時、本当は寂しそうな顔をして、僕の言葉を待っていたのかもしれない。

「相手も同じ気持ちだったのだろうか」「相手には、僕がどう見えていたのだろう」と想像力を働かせてみることで、一方通行だった歌詞が、急に「二人の物語」として動き出すことがあります。

2番は、映画の「回想シーン」のようなもの

1番が書けた時点で、その楽曲の骨組みはすでにしっかりと出来上がっています。だからこそ、2番では少し肩の力を抜いて、映画の回想シーンやサイドストーリーを入れるような気持ちで言葉を選んでみてもいいかもしれません。

「そういえば、あのときこんなこともあった」 「実は、こんな景色も見えていた」

そんなふうに、1番で書ききれなかったこぼれ話を拾い集めるように書いてみると、意外とスルスルと言葉が出てくることがあります。「視点を変える実験」として、ぜひ試してみてください。

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