これまで、相談支援の仕事を長らくしてきた。
今思えば、職業人生の大半は相談支援。
そして、介護保険制度の中でのケアマネジメントだった。
達成感……とは、ちょっと違う。
在宅介護支援センターのソーシャルワーカーとして、そしてケアマネジャーとして仕事をしていた頃。
病院や近隣の居宅介護支援事業所(ケアマネジャーが勤務する事業所)から紹介されるケースは、一律「困難事例」だった。
最初は、ただただ懸命に対応した。
そのうち、遅々として進まないケースを前に、
「……わたしにどうしろと?」
と、内心ため息が出ることもあった。
介護保険がスタートした頃は、ケアマネジャー一人が担当する件数に、今のような明確な上限がなかった。
「概ね50件」とされながらも、抱えずにはいられなかった。
もちろん、断っても相手も引かない(笑)。
件数を盾に断ることもできない。
そんな時代だった。
制度当初からケアマネジャー業務をされていた方は、うなずいてくださるかな……(笑)
制度はどんどん変わる。
やりながら制度を修正していくことは、社会保障制度ではあることだけれど、介護保険は本当に流動的に変わっていった。
そんな中で、本当に「個性的なケース」に恵まれた。
忘れられない言葉がある。
いつだったか、某大学の先生とスーパービジョン研修の構成を検討していた時のこと。
私が、
「困難事例も大勢いすぎると、どれが困難なのかわからなくなります」
と話した。
すると先生は笑いながら、
「困難ケースは、援助者を育てる豊かな事例。恵まれていますね」
とおっしゃった。
……そうなのか(笑)。
確かに、わからないことを調べるたびに知識は深まった。
経験を重ねるうちに、その時々の出来事にも、以前ほど戸惑わなくなっていった。
それでも、生身の人間である援助者には、なかなかにしんどい。
愚痴の一つも言いたい。
けれど、法人の立ち上げから入った私には、「共通言語」で愚痴を言える相手は、その法人に呼んでくれた上司くらいだった。
遅くまで事業所に戻らない私を、その上司は自分の仕事をしながら待っていてくれた。
「帰ったか……。お疲れ様」
そして、
「じゃあ、帰ろうかな」
と、カバンを準備する。
そんな上司を引き留めてまで、愚痴を言うことはできなかった。
もう、その上司もいない。
昔話、したかったな……。
「在宅介護支援センターケースです」
そう言ってケースをご紹介くださる皆様に鍛えられ(笑)、その後、地域包括支援センターの立ち上げを行った。
当初は、介護保険の申請を検討する方の相談対応が主だった。
でも、もちろんそのまま続くわけもなく。
虐待ケース、困難ケース……。
相談受付は、続く、続く。
どれほどのケースに育てていただいたのだろう。
わからないことは、とにかく調べた。
今のように、AIはない。
ソーシャルワークをきちんと学び、泥臭く実践してきた先人の先輩方に、甘えすぎるほど相談した。
今思えば、本当にお世話をおかけしてしまった。
必死でケース対応をしても、医療から、本人から、家族から、地域から叱られることもあった。
一生懸命、言葉にして伝えても、動いてもらえないケース。
医療と介護の見解のずれに悩むこともあった。
そんな時、ただ聞いてもらった。
受け止めてもらった。
そして、自分の課題を意識化してもらった。
ケースだけではない。
私は、いろいろな人に支えていただいた。
だから、続けられた。
今になって思う。
あれは、スーパービジョンだったんだな、と。
地域包括支援センターに勤務していた頃、信念のように思っていたことがある。
「相談者を、一人にしない」
ここでいう相談者は、対象となるご本人やご家族だけではない。
その方を担当するケアマネジャーやMSW、PSW、事業所の関係者、そして地域の方々も含まれる。
……なんて書くと、ずいぶん立派に聞こえる(笑)。
もちろん、言うほど立派なことができたわけではない。
私の力量、知識、人間性、適性……。
足りないものはいくらでもあった。
まあ、仕方ない(笑)。
退職して、プレイヤーを辞める時に決めた。
「やりたいことをやる!」
志半ばで逝ってしまった友人が、教えてくれたから。
「いつまでも『いつか』は、ない」と。
スーパーマンじゃない。
神様でもない。
完璧な実力なんて、もちろんない。
それでも、もがいてきた経験と、必要に迫られて身につけてきた知識を武器に、
援助者を支えたい。
介護者を支えたい。
かつての私が、たくさんの人に支えてもらったように。
相談する人も、援助する人も、一人にしない。
今、まさに、
「やりたいことを、やる!!」
ココナラを始めたのも、そこからだった。
今は、「わからんちんのおばちゃん」に、いろいろなことを教えてくれる人がいる。
一緒に新しい事業を企画している仲間もいる。
やきもきしながら心配してくれる友人もいる。
あきれながら、そばにいてくれる愛犬もいる。
そして、見守ってくれている家族もいる。
(順番がめちゃくちゃだけど、許して……汗)
これまで出会ってくれた、どの人にも。
本当に、感謝しています。
たぶん、これからもご心配、ご迷惑をおかけすると思いますが、懲りずによろしくお願いいたします。
m(_ _)m
そして、これから出会う方へ。
一生懸命だけが取り柄ですが、どうかよろしくお願いします。
一人で抱えそうになった時に、
「ちょっと聞いてよ」
そう言ってもらえる人でありたい。
これからの私がやりたいのは、たぶん、そんな仕事です。