昇格・昇任論文に落ちたとき、書き直す前に見直す5つの順番

昇格・昇任論文に落ちたとき、書き直す前に見直す5つの順番

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昇格試験の論文で不合格になると、まず文章を磨き直そうとする人が多いと思います。言い回しを硬くしたり誤字を探したり、字数を規定ぎりぎりまで埋めたり。けれども落ちた原因がそこになければ、何度磨いても評価は変わりません。

この記事では前回落ちた論文を手元に置いて、書き直す前に見直す順番を5つに分けて書きます。上から順に見ていき、外れているところが見つかったらその番号より下は後回しにしてください。1や2を外した論文は、4や5がどれだけ整っていても評価が伸びません。

用意するもの

・前回の論文(控えがなければ、覚えている範囲で見出しと各段落の1行目を書き出したもの)
・設問文の全文
・受験する役職に何を求めているかが書かれた資料

3つ目の資料は会社や自治体によって呼び方が違います。試験の実施要綱や人事から配られた試験案内、等級ごとの役割を書いた一覧などです。手元に見当たらなければ、人事の担当部署に「受験する役職に求める役割が書かれたものはありますか」と聞いてみてください。

1.設問に正面から答えているか

設問文の中の「挙げよ」「述べよ」「説明せよ」といった命令の言葉に線を引き、その数を数えます。次に自分の論文の見出しを縦に並べます。命令が3つあるのに見出しが2つしかなければ、どれか1つに答えていません。

たとえば「あなたの職場の課題を2つ挙げ、係長としてそれぞれにどう取り組むかを述べなさい」という設問なら、命令は「課題を2つ挙げる」と「それぞれへの取り組みを述べる」の2つです。課題を1つしか挙げていない。または課題は2つあるのに、取り組みが片方にしか書かれていない。前回の論文がこうなっていたら、まずここを疑ってください。

2.その役職に見合う内容になっているか

ここで用意した3つ目の資料を使います。紙の左側に受験する役職に求められている役割を箇条書きで書き出し、右側には論文の中から「自分がしたこと」を書いた文を一つずつ抜き出して並べてください。

係長の試験なのに、取り組みの中身が「自分が残業して処理した」「自分でチェックを2回した」のように担当者として手を動かした話で終わっていないか。係長に求められているのが仕事の割り振りや後輩の育成であれば、書くのは「担当を組み替えた」「チェックの手順を決めて、ほかのメンバーもできるようにした」のほうです。同じ出来事を書いても自分をどの立場に置いて書くかで読まれ方は大きく変わります。

3.課題と取り組みがつながっているか

課題の名前と取り組みの見出しを、横に並べて読みます。本文は読みません。

課題が「新人がなかなか定着しない」で、取り組みが「マニュアルの電子化」だったとします。書いた本人の頭の中ではつながっていても読む側は2つの間を自分で埋めることになります。直すときは実際にやった取り組みのほうは動かさず、課題の名前を付け直してください。「新人が手順を確かめる手段がなく、同じ質問が先輩に集中している」と書けば、マニュアルの電子化と一本の線でつながります。

4.構成の型を守っているか

序論で設問に答える方向を示し、本論で課題と取り組みを書き、結論でまとめる。この型そのものは守れている人が多いと思います。崩れやすいのは段落の終わり方です。

各段落の最後の一文を上から順に縦に読んでみてください。「〜と考え、取り組みを行った」で終わる段落が続いていたら、そこを直します。考えたことを宣言して段落が閉じてしまい、実際に何をしたのかが書かれていない状態です。「考えた」を「頼んだ」「作った」「聞き取った」のような動詞に置き換えて、行動を書いた一文に差し替えます。

もう1つ。結論の段落で設問の前置き(「組織を取り巻く環境が大きく変化する中で」のような文)をもう一度書いていたら、その部分は削って取り組みの振り返りと今後の決意に字数を回します。

5.表記のルール

最後に字数と文体(「である」と「です・ます」が混ざっていないか)、誤字、社名や個人名が残っていないかを見ます。時間をかければ誰でも直せるところなので、つい最初に手を付けたくなります。ただ1から4を直すと文章の大部分が入れ替わるので、表記はその後でまとめて直したほうが二度手間にならず、規定の字数に合わせる作業も最後に一度で済みます。

試験まで日がないときは、1と3を先に見てください。この2つが外れているとほかをどれだけ整えても評価は伸びにくいです。しかも見出しを並べれば確かめられます。

一人で見直すときに

1と3は書いた本人がいちばん気づきにくいところだと思います。自分の中では答えたつもり、つながっているつもりで書いているので、本文を読み返すとそのまま納得してしまいます。見出しを縦に並べたり段落の最後の一文を縦に読んだりするやり方は、そのつもりを外すための手順です。

それでも迷ったら、同じ部署ではない人に設問と見出しを渡して「この見出しで設問に答えているように見えるか」と聞いてみてください。本文を全部読んでもらうより早く率直な答えが返ってきます。

この記事を書いた人

私は法科大学院を出たあと司法試験に3回挑み、最終合格には届きませんでした。落ちる答案がなぜ落ちるのかは、そこで身につけました。その後は社会保険労務士法人に5年在籍して顧問先約30法人の人事労務を担当し、就業規則の作成と改定を通じて、どうなれば昇格とするかという基準づくりにも関わりました。

ココナラではこの記事と同じ順番で昇格・昇任論文を読み、実施要綱に照らしてどこをなぜ直したかを書き添えてお返しする添削サービスを出品しています。前回の論文を持ってもう一度受ける方のご相談もお受けしています。

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