「カウンセリングを受けても、話を聞いてもらうだけなのでは?」
「『つらかったですね』と共感されて終わるなら、何も変わらないのでは?」
カウンセリングを検討している方のなかには、このような疑問を持っている方もいると思います。
この記事では、私が主に提供しているメッセージ相談で、いただいた文章をどのように読み、どのような内容をお返ししているのかをお伝えします。
話を丁寧に聞き、気持ちを受け止めることは、カウンセリングの大切な土台です。安心して言葉にできたこと自体が、心の負担を軽くする場合もあります。
しかし私は、話を聞くことだけをカウンセリングの目的とは考えていません。
相談者の言葉から何が起きているのかを整理し、問題が続いている背景を見立てたうえで、今後の方針や選択肢をできる限り具体的にお伝えする。
問題の構造を整理することで、「何から取り組むべきか」「今は何を決めなくてよいか」が見えやすくなります。私は、その過程を大切にしています。
話を聞くことは、問題を整理するための出発点
相談するとき、最初から状況を分かりやすく説明できる方ばかりではありません。
「相手と一緒にいたい。でも、離れた方がいい気もする」
「仕事を休みたい。でも、甘えているだけかもしれない」
「つらいのは確かだけれど、何が一番苦しいのか自分でも分からない」
このように、複数の気持ちや考えが入り混じっているのは、不自然なことではありません。
むしろ、それだけ一人では整理しにくい問題だからこそ、相談しようとしているのだと思います。
私は、まとまっていない言葉を無理に一つの結論へ収めるのではなく、まず、そのなかにどのような情報が含まれているのかを整理しながら読み取ります。
私が相談内容から整理していること
相談を受けるときは、主に次のような点を分けて考えています。
実際に何が起きたのか
そのとき、どのような気持ちになったのか
どのような考えや不安が浮かんだのか
その後、どのような行動を取ったのか
同じ問題が繰り返されているか
生活や仕事、人間関係にどの程度影響しているか
安全を守るために、優先して対応すべきことがないか
例えば、「夫婦で何度話し合っても、同じ問題が繰り返される」という相談でも、原因が単なるコミュニケーション不足とは限りません。
お互いの受け止め方がずれているのか、約束が実際の行動に移されていないのか、一方だけが我慢して関係を支えているのかによって、必要な対応は変わります。
表面に現れている出来事だけでなく、問題がどのような構造で続いている可能性があるのかを考えること。
これが、私の考える「見立て」です。
見立てを、具体的な方針まで落とし込む
問題の構造が分かっても、「では、これからどうすればよいのか」が分からなければ、現実の行動にはつながりにくいものです。
そのため私は、見立てだけで終わらせず、今後考えられる方針や選択肢まで、できる限り具体的にお伝えすることを大切にしています。
例えば、
まず何を優先して整理するのか
今すぐ決めなくてもよいことは何か
相手の言葉ではなく、どのような行動を確認するのか
話し合う場合、何をどのように伝えるのか
休む、距離を置く、受診するなどを検討する目安は何か
状況が悪化した場合、どの段階で別の支援につなぐのか
といったことです。
すべての問題に、誰にでも当てはまる明確な正解があるわけではありません。
それでも、「いろいろな考え方があります」で終わらせるのではなく、その方の状況や大切にしたいことを踏まえ、どの方針が現実的なのかを検討します。
方針が具体的になることで、漠然と悩み続ける状態から、「まず何をするか」を選べる状態へ近づきます。
限られた情報からお伝えできること
お伝えする見立ては、限られた情報をもとにした、現時点での仮説です。
特に一度のメッセージ相談では、何度もやり取りを重ね、原因を一つずつ確かめていくことはできません。相談文だけから原因を断定したり、専門家が相談者に代わって人生の結論を決めたりするものでもありません。
新しい情報が加われば、見立てが変わることもあります。
それでも、いただいた情報をもとに、
何が問題の中心にあるのか
何が問題を長引かせている可能性があるのか
何から優先して取り組む必要があるのか
現時点でどのような選択肢が考えられるのか
について、専門的な知見とこれまでの経験を踏まえてお伝えすることはできます。
また、つらい出来事の直後など、具体的な方針を急いで考えるよりも、まずは安心して話せることや、混乱した気持ちを落ち着かせることを優先した方がよい場合もあります。
今の相談者に何が必要なのかを考えながら、受け止めることと具体的に整理することのバランスを調整します。
ただ聞くだけで、終わらせない
いただいた情報を整理し、現時点で考えられる見立て、優先順位、今後取り得る選択肢を具体的にお伝えする。
そのうえで、相談者自身が次の行動を選べる状態に近づける。
それが、私の相談への向き合い方です。
うまく説明できなくても、時系列がまとまっていなくても問題ありません。
今、困っていることや頭から離れないことを、書ける範囲で送ってください。
いただいた内容を整理し、現時点で考えられる見立てと、次に取り得る具体的な方針をお返しします。