医療・介護ライティング実績①|現場の違和感を言語化した記事:介護、看護間の報告のズレ

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コラム

報告したら嫌味、報告しなければ叱責
 ― 看護師は何を求めているのか ―


どこの施設にも、現場には介護職員と看護職員がいます。
介護職の皆さん、看護師に利用者・入所者の相談・報告をしたら、
厳しい言葉が返ってきたことはありますか?

私が特別養護老人ホームに勤務している時、
先輩のベテラン看護師がよく言ってました。

「あれぐらいの事で電話してこないでほしい」
(夜勤帯は看護師は自宅に専用携帯を持って帰ります)

要は、

「何でもかんでも電話してこないで」

ということなのですが・・・。

介護職員からすれば、

「不安だから、確認・相談のために」

電話していると思います。
それに対応するのが看護師の役割では?と思う人も多いと感じます。

ごもっともです。

私たち看護師は、そのために電話を持って帰っています。

しかし、不安で相談したとき、

「あの程度の症状で連絡しないで」

という返しが来た。

だから、似たようなケースがあった時、連絡しなかったら、

「なんで、その時に言わないのか!」

と怒られた。

「翌日でもいい報告」

の認識は、微妙にズレていると感じます。
介護職員にとっては、どのようなケースであっても、相談はしたいですよね?

その気持ちはよくわかります。

ちょっとした発熱ひとつにしても、高齢者は、いつ・どんなことで
急変するか分からない。
その怖さを知っているからこそ、今、一報入れて
しっかりと指示を仰ぐ方が良いのではないか・・・
と思って看護師に連絡する。

しかし看護師からは、

「熱以外のバイタルも安定していて、活気・食欲も大きく変わらないなら
 急いで報告することじゃない!」

と厳しい反応が返ってくる。


では、一体どうしたらいいのか。


まず一つ感じることは、観察項目(情報)が少なく、
状況がいまひとつ掴めない報告をしている介護職員には、
反応が厳しくなりがちだということです。

例えば、発熱した人がいる。

「〇〇さん、今38.7℃なんです。どうしたらいいですか?」

と報告した介護職員がいる。

電話してきたことをどうこう言っているのではなく、

「こちらが判断・指示できるだけの情報を収集してから電話してきて」

と言いたいのだと思います。

38.7℃という情報だけでは、その先の判断が難しいのです。
解熱剤を飲ませるにしても、内服できる状態か、血圧はどうか。
血圧が低すぎる場合は慎重に考える必要があります。

意外と元気なのが、それともグッタリしているのか。
他に症状はあるのか、いつから様子が変化したのか。

確認したいことは他にも山のようにあります。
介護職員の皆さんに知っていていただきたいことは、

看護師は、面倒だから

「電話するな」

と言っているわけではないということです。


本来は看護職員側も、

「可能な限り観察した情報をそろえてから連絡してください」

と具体的に伝える必要があると感じています。
しかし、そこが抜けてしまうことが多いのかもしれません。

看護は、とにかく観察第一・情報第一と教えられてきました。
報告・相談と情報はセットでなければいけないのです。

先ほどの発熱例、同じ電話をかけても、スムーズにやり取りできている
介護職員は、きっとこんな感じで報告していると思います。

「〇〇さん、日中は元気で夕食も完食したのですが、
 22時に巡回に行くと、体が熱くて38.7℃ありました。
 血圧129/70・脈は89回で、
    本人は少しだるさはあるようですが、笑顔も見られます。
    感冒症状や頭痛・吐き気はありません。
 今、水分補給も出来ています。
 他に注意すること・何かしておくことはありますか?」

巡回時に、発熱以外の情報もちゃんと観察し、それを報告しています。

まず、ここまでの情報があれば、緊急で動くことはないと判断できます。
この状態なら、解熱剤は、今飲んでもよいし、
本人のしんどさが増してからでも遅くないと判断できます。

第一段階で、ここまで観察できていれば、
看護師は、あとは足りない情報を見てもらうように依頼するだけです。

「明日の朝まで、排泄物の性状や量の変化、全身皮膚の発赤や腫脹がないか、
 新たな症状が出てないかを見ておいてください。
 水分も少しずつお願いします。
 体熱感が強ければ、クーリングOKです。急な血圧低下や、
 反応の鈍さ・呼吸が乱れるようなことがあれば、すぐに連絡ください」

と指示もできます。


では、タイトルにある、

「看護師は何を望んでいるのか」

ですが、私は、

「可能な限りの観察情報」

「それ以外に、見ておくことがあるか」

という視点であると考えています。


「この観察はしました。あと何か足りないものはありますか?
 対応しておくことはありますか?
 〇〇の他に、気を付けておくことはありますか?」


この視点まで考えることが出来たら、看護職員への報告・相談は
苦ではなくなるかもしれません。
大半の看護師は、意欲をもって聞けば何でも教えてくれます。


そして、もう一つ大切なこと。

私は、夜間の電話当番の際、

「もしもこんな症状が出たら、まずこれを観察して、
 この対応をしてから電話してきてください」

と必ず伝えていました。

日中から少し体調が怪しい方に関しては、

「こんな危険があるので、注意しておいてください。
 バイタルは〇時間おきに見てあげてください。
 こんな状態の時はすぐ電話ください」

とお願いしていました。

こうしておけば、介護職員は、余裕をもって観察できます。

そして、余裕があると、ちゃんと他の観察もして報告してくれる。


介護も看護も、お互い「丸投げ」ではなく、
補い合うことが大切だと強く感じます。

職種間の連携がスムーズであることは、
利用者や入所者・その家族に良い支援をもたらすと感じます。

「何を見て、何を伝えるか」

がそろうだけで、職種間の空気は大きく変わるのかもしれません。
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