【介護士の独り言】「仕事が早い=良い介護士」という大いなる勘違い

【介護士の独り言】「仕事が早い=良い介護士」という大いなる勘違い

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コラム
​私は今、管理職を引退して現場の介護士として働いていますが、昔も今も変わらず、介護現場では常に「効率」が求められます。人手不足で忙しい現場だからこそ、効率を意識することはもちろん大切です。

​しかし、現場には必ずこんな勘違いをする人が現れます。

「効率的に仕事をこなせる人=優秀な介護士だ」と。

​そう思い込んだ介護士は、とにかく効率だけを最優先し、自分中心のペースでケアを進めるようになります。入居者様のペースは無視され、安全性がおろそかになっていく。

​そしてタチが悪いことに、そういう介護士に限って、「かわいそう」という言葉を使って自分の手抜きを正当化するのです。

​「夜中に起こしてオムツ交換するのはかわいそうだから、やらなくていいよね」

「長湯させるのは体力が奪われてかわいそうだから、サッと上がらせよう(お風呂業務を早く終わらせたいだけ)」

​本人はそれが施設や周りのスタッフのため(=正義)だと思い込んでいるので、やたらと強気です。そして、楽をしたい他のスタッフもそこに同調していきます。

​断言しますが、おおよそ虐待などの悲しい事件が起こる施設というのは、「業務を早くこなせる人=仕事ができる人」という評価をしている施設です。

​介護における「効率のメリハリ」をつけているか?
​効率ばかりを優先すると、目の前の入居者様へのケアが雑になります。

かといって、一人の入居者様だけに付きっきりになると、他の入居者様への対応がおろそかになり、施設の1日の流れが崩壊します。

​では、どうすればいいのか?

大切なのは、介護業務を「効率化できる部分」と「絶対に効率化してはいけない部分」にきっちり分けることです。

​⭕ 効率化していい部分(入居者様に直接関わらない裏方業務)

​移動・連携:全員で全員を見るのをやめ、フロアを区分けして担当制にする。インカムを使って無駄な動きを無くす。必要物品はフロアの真ん中に置き、裏動線では走る。
​記録のデジタル化:タブレットでその場で記録する。チェック式にする。コピペを活用する。
​準備(先を読む):オムツ交換や入浴の際、後から物品を取りに行くのは不効率。これからケアを行う人数分を、最初からまとめて持っていく。

​❌ 絶対に効率化してはいけない部分

​入居者様に直接関わるケアの時間:相手は感情を持った「人間」だからです。ここを削るのは効率化ではなく、ただの手抜きです。

​一番危ないのは「4〜6年目の中堅・新任リーダー」
​この「効率のメリハリ」を理解せず、すべてを効率化しようとしたり、楽をしようとしたりするのは、実は介護を始めて4〜6年目の中堅介護士に多く見られます。

​新人はとにかく必死なので、効率化まで頭が回りません。

ベテランになると、「すべての効率化が正しいわけではない」という真実に気づく介護士が現れます(たまに気づかない、楽をしたいだけのダメベテランもいますが……)。

​一番まずいのは、人手不足のせいで、この「勘違いの効率至上主義」に染まった4〜6年目の中堅が役職についてしまった場合です。

その役職者は、自分の部署の部下たちに対して「もっと早く、もっと効率よく」と、直接ケアの時間まで削るような間違った効率化を強制してしまうからです。

​まずは、あなたの職場の業務を整理してみませんか?

「何が効率化できて、何が効率化できないのか」。

本当の意味で「仕事ができる良い介護士」が集まるチームにするために、まずはその境界線を正しく引くことから始めましょう。



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