「もしも、4ページの会社紹介HP作成の案件を受けたなら」は終わりましたが、AI時代のSEO対策についてさらに深掘りしておこうという試みをします。
新たに調べた最新の状況もまじえて軽くライトに情報をお伝えできたらと思います。
前回:もしも、4ページの会社紹介HP作成の案件を受けたなら【後編】SEO対策と一言にいいますが
■僕らはAIに注目されたい
私はSEO対策業者に属していた訳でもなく、ゴリゴリのSEOハックが流行っていた2010年代をエンジニアとして過ごした訳でもないので、良い意味で過去の技術的な物は身についてません。
ただWebエンジニア目線で現在の『AIに見つけてもらうサイト作り』の基本は押さえております。
・サイトの見た目とAI・SEO対策
現代のWeb制作において、ユーザーの滞在時間を延ばし、ブランドの印象を強く残すために欠かせない要素として「インタラクティブなWebサイト」の要素が必須とされてます。
ユーザーがただ情報を「読む」だけでなく、「アクションを起こし、反応を楽しむ」サイトにするのです。
そうした要素の無いと思われる名刺代わりの企業HP、実店舗の紹介HPでも「デジタルチラシ」で終わらせず、ユーザーの「信頼」や「来店動機」を獲得するために"動き"のあるページ構成は必須となりました。
ただ、無法図に動きのあるサイトを実現させるためのWebプログラミングはAI時代においてマイナスになります。
具体的には、AIクローラはGoogle検索クローラほどJavaScript実行に
強くないので、JavaScriptで動的に生成された主要コンテンツは認識できないケースが多いです。
つまり、JavaScriptで全部動きのあるサイトを組み立てると、AIから見ると「中身のないサイト」と判定される可能性がでてきます。
2010年代後半に大きなトレンドだった「SPA(Single Page Application)」と呼ばれる作り方が、それにあたります。
※SPAは初期状態のHTMLには「ほぼ何も書かれていない」のでAIには「中身のないページ」に映る
ですので、JavaScriptは演出としての役割に徹しさせ、さらにCSSに用意されているアニメーションプロパティで文字スクロールなどの演出でカバーする。
すでにノウハウは積まれており、近年のAI開発も相まって、技術選定さえすれば問題なく対応できます。
・Core Web Vitalsの時代
GoogleはWebサイトの品質を評価する技術指標として、Core Web Vitalsという3つの数値を見ており、ページの主要なコンテンツが表示されるまでの時間、ページ読み込み中にレイアウトが崩れる現象の累積値、を指標にしていると言われています。
技術的な解説は冗長になるので端折りますが、これらの数値はCMS(WordPress)等はどうしても不利になります。
WordPressでもCore Web Vitals対策プラグインや、不要プラグインの削除、高性能ホスティングサービスへの移管などの手法はあります。
ですが、これらをやってもNext.js等のSSG構成(静的サイト生成)には及ばない。
しかし、格安の共有レンタルサーバー(さくら、ロリポップ、エックスサーバー等)は、Node.jsは使えませんので、静的サイトジェネレータも使えません。
結局、低コストで技術面での理想のAI・SEO対策するには、私の提案したシンプル構成のWebシステムか、STUDIO、Wix、ペライチといった、ノーコードサービスを利用しないといけません。
※ノーコードサービスにはランニングコストや移転難易度が上がるというマイナス面はありますが。
■中身で勝負のAI時代
今まで述べてきた、いわば技術的テクニカルなSEO対策よりも、実はAI検索時代において大事なことは、HPによって何をユーザーに与えられるかというコンテンツ(HPの中身)の質を重要視しなければならなくなりました。
今のAI検索体制が確立されるより前に、Googleはコンテンツの内容を検索ランキングの精査に占めるウェイトを上げてきました。そして2024年以降、AI
ベースの検索で状況は大幅に変わることになります。
ここは一般の人でも想像つくようにAIによってより、「HPの中身で検索ランキングを決める割合」が増えたと言ってしまっても問題ないです。
ユーザーにとってどれだけ有用な情報を提供してるか、望む物を検索上位に割り当てられるか。
そうした意味では大手Webサービスはより強く、そしてハック的な手法を使っているサイトはよりペナルティーを受ける傾向が強まりました。
それでもWeb業界は、この新しい潮流に合わせたSEO対策の手法を編み出します。
「LLMO(Large Language Model Optimization):大規模言語モデル最適化」
「AEO(Answer Engine Optimization):回答エンジン最適化」
「GEO(Generative Engine Optimization):生成エンジン最適化」
と言った手法です。まあ全部AI検索に合わせたコンテンツ作りのルールみたいな物です。
ざっくり言うとAIの回答文の中に自社(サイト主)の情報が含まれることを目指します。
推奨されているコンテンツの書き方があり、
結論ファースト:
段落の冒頭に結論や定義を置き、背景説明から入らない。
質問形式の見出し:
「○○とは何ですか?」「料金はいくらですか?」といった、ユーザー
が実際に検索しそうな質問形式を見出しに使う。
Atomic Answers(原子的な回答):
質問に対して、それ以上分解できない最小単位で、かつ簡潔に完結している回答を置く
表・箇条書きで構造化:
比較情報、価格、手順、スペックなどは、箇条書きにする
などなど。他にも構造化データ(JSON-LD)などもありますが、やり過ぎると昔の検索テキスト埋め込み同様スパム扱いになります。
■規格化されたコンテンツに魅力無し
前章の方法は「意中のAIに気に入られる恋愛テクニック」みたいなもんで、一応現代AIのシステム構成から考えられる手法として筋が通ってます。
ですが、現実には「LLMOテクニックを真面目に守った記事が、なぜか
評価されない」という現象が起き始めています。
2025年後半から、Googleのコアアップデートで沈むサイトの中に、LLMO最適化を真面目にやっていたサイトが多く含まれていると報告されるようになりました。
・全業界が同じガイドを読んでいる ─ コンテンツの均質化
AI検索が本格化して以降、LLMOガイドラインはWeb上に山ほど溢れました。
当然SEO会社・コンサル会社も同じような内容のガイドでコンテンツを加工します。
全業界が同じガイドを読んで、同じテンプレートで記事を書くようになれば…
結果、サイト間の文章が似たようなものになり、Googleはこの均質化を品質低下のシグナルとして捉え始めました。AIに見つけてもらうための最適化が、AIに飽きられる構造となったのです。
・AI慣用句で読者が離脱する
LLMO最適化の延長線上で、記事のドラフト作成にAIを使うケースが増え、さらに出力をそのまま使うと読者は「AI文章」と見抜くようになります。
そして即座にブラウザの戻るボタンをクリック。
直帰率が跳ね上がり、滞在時間が短くなりGoogleが品質シグナルというサイクルの完成です。
・形式は完璧、中身は空洞 ─ 磨き上げられたスパム
LLMOテクニックを守って書かれた記事の典型例は、、、
質問形式のH2見出しが並び、各セクションの冒頭は40〜60語の定義文。
表と箇条書きで構造化され、FAQが実装。
代名詞は減らされ、固有名詞で書かれる。
これらは「磨き上げられたスパム」と呼ばれ、明確にGoogleは「ユーザーのためではなく、検索順位操作だけを目的とした、低品質なコンテンツ」としてペナルティ対象となるケースが出てきました。
大量にAI生成された文章使用による短期的な収益目的でよくある手法ですが、対策は進んでます。
まあ結論を見も蓋もなく言うと、
「HPの記事は見やすいオリジナルな物を書き続けろ」
と言うことが最適解となってしまします。
■SEO(検索エンジン最適化)だけで戦えない世界
うすうす気が付かれていたでしょうが、先ほどの解は個人ブロガーや小規模企業、事業者などの「非ブランド所持者」の話です。
ブランドをすでに形成している企業や個人、IP(知的財産)はその限りでは無いです。
Apple、Nike、有名ブランドのオフィシャルサイト、業界で名の通った老舗、すでに指名検索が成立してるブランドサイトは、AI検索からの流入をそれほど重視しません。
代わりに、サイト訪問時の体験で世界観を強化することに投資します。
インタラクティブな演出、こだわった写真や動画、緻密なアニメーション。前章で触れた「動きのあるサイト」の真の活躍場所です。
両者は別物の戦い方をしなくてはいけませんし、混同すると両方失敗する確率が高まります。
そしてもはや「Google検索からの集客」一本足は通用しなくなりました。
SNS連携、現実世界のブランディング活動、これからも、様々な選択肢が現れては消えていくでしょう。
私の立場としては、それらの業界情報を適切に摂取し、そして知識をアップデートしていく、キャッチアップ戦略しかありません。
その意味ではクライアント様には耳の痛いことを伝えなければならない事も出てくるでしょうが、一時の商機に惑わされること無く王道を貫いていきたい物です。