取引先の候補、出店エリアの店舗、競合の価格、展示会の出展社——仕事をしていると「Webに載っている情報を集めて一覧にする」という作業が、ある日ふっと降ってきます。
10件なら手で済みます。30件でも気合いでいけます。ところが100件を超えたあたりから、この作業は急に壊れ始めます。私も以前、候補企業を150件ぶん調べて表にまとめる作業で半日を溶かし、しかも出来上がった表が使い物にならなかったことがあります。
今日は、そのとき何が悪かったのかと、今の私が同じ作業をどう組み立て直したかをお話しします。
■ やめたこと1:集めながら項目を決めるのをやめた
いちばんの敗因はこれでした。
最初は「会社名」「URL」だけのつもりで集め始めます。20件目くらいで「あ、所在地も要るな」と気づいて列を足す。50件目で「従業員数も見たい」と足す。80件目で「この情報、載ってない会社が多いな」と気づく。
こうなると、1件目から19件目までを埋め直すために全部やり直しです。しかも一度戻ると、どこまで直したかが分からなくなります。
今は必ず、集める前に列を紙に書き出して確定させます。そのうえで、5件だけ手で埋めてみる。この5件で「そもそも公開されていない項目」「サイトによって書き方がバラバラな項目」がほぼ全部あぶり出せます。5件の試し打ちに10分使うほうが、150件の後戻りより圧倒的に安いです。
■ やめたこと2:1件ずつ詳細ページを開くのをやめた
コピペ作業がしんどい理由は、キーボードではなくページ移動にあります。一覧ページ → 詳細ページ → 戻る → 次の行、を150回。この往復で集中力が削られ、ミスはたいてい後半に集中します。
そこで、集めたい項目を最初に2種類に仕分けます。
・一覧ページに載っている項目(会社名、業種、エリアなど)
・詳細ページを開かないと取れない項目(代表者名、設立年、問い合わせ先など)
前者を先に全件ぶん一気に取り切って、骨組みの表を作る。後者はそのあと、必要な行にだけ埋めにいく。こうすると「詳細ページを開く回数」が150回から、本当に必要な30回くらいまで落ちます。
順番を入れ替えただけで作業量が変わるので、これは手作業のままでも今日から効きます。
■ やめたこと3:1回で完璧に集めようとするのをやめた
Webの情報は、必ず一定の割合で「載っていない」ものがあります。設立年が書いていない、問い合わせフォームしかなくて番号が無い、そもそもサイトが古くて更新が止まっている。
昔の私は、この1件のために10分粘っていました。150件のうち20件でこれをやると、それだけで3時間以上が消えます。
今は、取れなかったセルは空欄のまま残し、代わりに「なぜ取れなかったか」を1列足して記録します。「サイト内に記載なし」「該当ページが404」といった具合です。
これをやると2つ得します。ひとつは、作業が止まらないこと。もうひとつは、依頼した相手に表を渡すとき「調べ漏れ」なのか「調べたが存在しなかった」のかが区別できることです。空欄だけの表は信用されませんが、理由の書いてある空欄は、それ自体が調査結果になります。
■ before / after
先ほどの150件の作業を、この3つを踏まえて組み直したときの実感です。
before:列を決めずに着手 → 途中で3回やり直し → 詳細ページを150回開く → 空欄で粘る。半日かけて、抜けだらけの表。
after:列を確定して5件で試し打ち(10分)→ 一覧から取れる項目を全件ぶん先に確保 → 詳細が要る行だけ深掘り → 取れないものは理由つきで空欄。所要時間はおよそ3分の1、しかも表がそのまま次の作業に使えました。
作業そのものが速くなったというより、やり直しと粘りが消えたという感覚が近いです。
■ 手を動かすか、仕組みにするかの分かれ目
よく聞かれるので、私の目安も書いておきます。
・50件未満で、今回きり → 手作業でいい。段取りだけ上の3つで整える
・100件を超える、あるいは毎月・四半期ごとに同じ表を作り直している → 仕組みにする価値が出る
判断の軸は件数そのものより「もう一度やるかどうか」です。1回きりなら手で終わらせたほうが早い。でも「来月も再来月も同じ表を作る」なら、収集の手順をプログラムに落としておくと、翌月からは実行するだけで同じ表が出てきます。私は普段、こうした収集をPythonで組んで、結果をそのままExcelで開ける形にしてお渡ししています。
■ まとめ
Webからの情報収集で時間が溶けるとき、原因はたいてい手の速さではなく段取りです。
1. 集める前に列を確定し、5件で試し打ちする
2. 一覧から取れる項目を先に全件確保し、詳細は必要な行だけ
3. 取れないセルは理由を書いて空欄のまま進む
この3つだけでも、今日の作業がだいぶ楽になるはずです。
そのうえで「件数が多すぎる」「毎月やっている」「そもそも自分でやる時間が無い」という場合は、収集そのものを外に出してしまうのも手です。私も、Webサイトからの情報収集と一覧化を代行する出品(サービスID 4251446)を用意しています。項目の決め方から一緒に整理しますので、「何を集めればいいのかも固まっていない」という段階でも気軽に相談してもらえたらうれしいです。