前回は、僕が自分自身の「面倒くさい」をツールで解決した話を書きました。
今回は、その続きです。
自分の作業を楽にできたことで、「これは自分だけじゃない、同じことで消耗している人がたくさんいるはずだ」と思うようになった——という話を前回しました。
今日は、実際にあるお客さんの「面倒くさい」をなくした話を書きます。これは僕にとって、大きな手応えになった仕事でした。
朝の10時から、お昼過ぎまで
あるお客さんのところで、こんな作業がありました。
商品が入庫すると、そこから一連の作業が始まります。バーコードを作って、写真の撮影&編集をして、ECサイトに商品を登録して、卸先さんに在庫の入出庫を連絡して、請求書を作る。さらに、商品の写真をGoogleドライブにあげて、社内の共有フォルダにもあげる。
ひとつの商品が入ってくるたびに、これだけの工程を、すべて手作業でこなしていました。
しかも、この作業を担当していたのは、事務員さんやアルバイトさん。
そして、その方たちの多くが、ご自身でも「ITは苦手で…」とおっしゃる方ばかりでした。
どれくらい大変だったか。ベテランの方がやっても、朝の仕事始め(10時)からお昼過ぎ(14時)まで、ずっとこの作業にかかりきりだったそうです。新人さんがやると、一日では終わらないこともざらにあった、と。
つまり、本来やるべき仕事を始める前に、毎日「準備作業」だけで半日が消えていく。そういう状態でした。
一件ずつは簡単。でも、毎日続くと
この話を聞いて、前回の自分の経験とまったく同じだなと思いました。
ひとつひとつの作業——バーコードを作る、登録する、連絡する——は、決して難しいものではありません。やり方を覚えれば、誰でもできます。でも、それが何工程もあって、商品が入るたびに繰り返されると、途方もない時間と手間になる。そして、工程が多いほど、入力ミスや連絡漏れも起きやすくなります。
「簡単だけど、量が多くて、毎日続く」。これこそ、自動化がいちばん効く作業なんです。
そこで僕は、この一連の流れをまるごと自動化するツールを作りました。入庫の情報をもとに、バーコードの作成、ECサイトへの登録、卸先さんへの連絡、請求書の作成までを、人の手をほとんど介さずに進められるようにしたんです。
結果、これまで何時間もかかっていた作業の大部分が、自動で流れるようになりました。担当の方は、空いた時間を本来の仕事に使えるようになりました。
「使う人が、ちゃんと使えること」
この仕事で、僕がいちばん大事にしたことがあります。
それは、「使う人がITに詳しくなくても、ちゃんと使えること」。
さっき書いたとおり、現場でこのツールを使うのは、「ITは苦手」とおっしゃる事務員さんやアルバイトさんでした。どんなに高機能なツールを作っても、現場の人が「難しくて使えない」と感じてしまったら、まったく意味がありません。
それどころか、前より仕事がややこしくなったと思われてしまう。
だから僕は、専門用語を並べた説明は一切しませんでした。
「この作業が、こう楽になりますよ」という、現場の人がイメージできる言葉で話しながら、一緒に形を作っていきました。
僕は、バリバリのプログラマーとして長年やってきた人間ではありません。でも、だからこそ、「ITが苦手な人の気持ち」がわかるつもりです。技術がすごいことよりも、目の前の人の作業がちゃんと楽になること。そこをいちばん大切にしています。
あなたの会社にも、「半日仕事」はありませんか?
ここまで読んで、「うちにも、似たような作業があるな」と思った方がいるかもしれません。
たとえば、こんな作業です。
商品や案件が増えるたびに、いくつものサイトや画面に同じ情報を入力している。入庫や受注のたびに、登録・連絡・請求といった決まった流れを毎回手でこなしている。写真やファイルを、あちこちのフォルダに何度もアップロードしている。
どれも、今回のお客さんの作業と構造は同じです。
「決まった手順を、量をこなしながら、毎日繰り返している」。だから、同じように自動化できる可能性が高いんです。
そして、こういう作業を自動化すると、効果は「時間が浮く」だけにとどまりません。ミスが減る。特定の人にしかできない作業が、誰でもできるようになる。新人さんの教育もぐっと楽になる。——半日仕事がなくなるというのは、それくらい大きな変化なんです。
「これ、なんとかなりませんか?」から
新しい人を雇って作業量に対応する、というのも一つの方法です。
でもその前に、今ある手作業そのものを見直してみると、人を増やさずに解決できることが意外とたくさんあります。
僕への相談は、「この作業が毎日大変で…」という、ぼんやりした状態で大丈夫です。むしろ、そこから「どこを自動化すればいちばん楽になるか」を一緒に整理していくのが、僕の得意なところです。難しい言葉は使いませんので、ITが苦手な方も安心してください。
もし、毎日のように繰り返している「半日仕事」に心当たりがあれば、ぜひ気軽に声をかけてください。その作業、たぶん、なくせます。