身体に痛みや違和感が出ると、
私たちは自然に「治そう」とします。
ストレッチを探す。
体操を探す。
YouTubeを見る。
専門家を探す。
それ自体は悪いことではありません。
しかし臨床で多くの方を見ていると、
治そうと頑張るほど苦しくなっている人が少なくありません。
なぜでしょうか。
それは、
身体ではなく、
意識が症状に縛られてしまうからです。
例えば、
朝起きた瞬間に腰を確認する。
歩くたびに膝を気にする。
肩を何度も回して確かめる。
少しでも違和感があると不安になる。
すると脳は、
「この場所は重要だ」
と認識します。
結果として、
ますます症状に意識が向くようになります。
そして、
気になる。
↓
調べる。
↓
不安になる。
↓
さらにケアする。
↓
もっと気になる。
という循環が始まります。
もちろん、
本当に治療が必要な状態もあります。
ただ、
慢性的な肩こりや腰痛、
長引く違和感の多くは、
壊れているというより、
疲れている状態に近いことがあります。
疲れている身体に対して、
さらに頑張って修理を続ける。
それが苦しさにつながることがあります。
私が理学療法士として感じるのは、
身体は管理するものというより、
観察するものだということです。
今日はどうだろう。
少し楽になったかな。
そんな距離感の方が、
結果的にうまくいくことが多いのです。
実際、
良くなっていく人ほど、
身体のことを考える時間が減っていきます。
痛みを忘れる時間が増える。
やりたいことに意識が向く。
その結果として、
身体も少しずつ整っていく。
治そうとすることが悪いわけではありません。
ただ、
もし今、
身体のことで頭がいっぱいになっているなら、
一度立ち止まってみてください。
そのケアは、
安心のためでしょうか。
それとも不安のためでしょうか。
身体は、
不安からの努力より、
安心からの行動の方が変わりやすい。
私はそう感じています。
時には、
何かを足すことより、
少し手放すことの方が回復につながるかもしれません。
判断に迷った方はお気軽にご相談ください。