工事が終わってから、動画にできる写真はありますかと伺うと、完成後の写真しか残っていないことがよくあります。着工前が1枚も無いと、ビフォーアフターは作れません。
撮り方の技術より、現場で集まる段取りになっているかどうかで決まります。実際にご依頼を受けて素材を集める側から見て、ここを押さえると変わる、という順番で書きます。
【1】最優先は着工前。二度と撮り直せない
足場が建った瞬間に、着工前の外観は撮れなくなります。工事中に、そういえば前の写真が無い、と気づいても、もう戻れません。
現場に着いて道具を下ろす前に1枚。これを最初のルールにします。天気や時間帯が良くなくても、まず撮っておく。使えるかどうかは後で判断できますが、存在しない写真は選べません。
【2】3枚セットで考える。前・工程・後
集めるのは、着工前と、工程の途中と、完成後の3枚です。たくさん撮ることより、この3枚が同じ現場でそろっていることのほうが効きます。
真ん中の1枚を入れる理由は、そこにしか作業の中身が写らないからです。完成写真だけを並べると、どの会社の事例も同じように見えます。高圧洗浄の水しぶき、ケレンで錆を落としている手元、下塗りが乾く前の壁。こういう1枚があると、何をした工事なのかが伝わります。
工程の写真は、下塗りが終わった時点が扱いやすいです。足場も養生も写り、まだ仕上げの色が乗っていないので、完成後との差がはっきり出ます。
【3】職人さんへの頼み方を、1回だけ決める
写真撮っといてください、とだけ伝えても、まず増えません。手が汚れている、手袋をしている、脚立の上にいる。職人さんにとって撮影は作業を止める行為なので、曖昧な依頼は後回しになります。
効くのは、場面と枚数と送り先を全部こちらで指定してしまうことです。
「足場を建てる前に、道路側から家全体を1枚。下塗りが終わったところで1枚。足場をバラした後に、最初と同じ場所から1枚。この3枚だけ、このグループに送ってください」
判断させないのがコツです。何を撮るか考えさせた時点で、優先順位が下がります。3枚だけと数を切ると終わりが見えるので、続きます。
【4】撮り逃しをなくすなら、現地調査の時に撮る
着工前が抜けてしまう現場には、だいたい似た理由があります。日程が急に決まった、足場屋さんが先に入った、当日は別の職人さんが入っていた。
対策は、着工日を待たないことです。見積もりのために現地を見に行った時点で、道路側から建物全体を1枚撮っておく。この1枚さえあれば、着工日に撮り逃しても事例は作れます。
現地調査には必ず誰かが行きます。そこに撮影を紐づけてしまうと、取りこぼしがほとんど無くなります。
【5】送られてきた写真の置き場所を先に決める
集まり始めると、次に困るのは探せないことです。現場が10件を超えたあたりから、どの写真がどの家のものか分からなくなります。
現場ごとにフォルダを1つ作り、名前を「着工月_お客様名」のように統一します。中で前・工程・後に分けるところまでは要りません。まとまってさえいれば、後から選べます。
素材はあるのに使えない、という状態がいちばんもったいないところです。
【6】その3枚は、何度でも使い回せる
同じ3枚が、施工事例のページにも、Googleビジネスプロフィールの投稿にも、チラシにも、動画にも使えます。用途ごとに撮り足す必要はありません。1回の工事で3枚、を続けるだけで、1年後には出せる事例が積み上がります。
逆に、その場で撮らなかった写真は、後からどれだけ手をかけても作れません。段取りの話に見えて、ここがいちばん後で効いてきます。
【まとめ】
・道具を下ろす前に、着工前を1枚
・前・工程・後の3枚をセットで考える
・工程は下塗りが終わった時点が扱いやすい
・頼む時は、場面と枚数と送り先まで指定する
・現地調査の時に、着工前の1枚を先に押さえておく
・現場ごとにフォルダを分けて置く
手元の写真で何が作れるか分からない場合も、そのままお送りいただければこちらで見ます。ご相談は出品ページからお気軽にどうぞ。