不思議なめぐりあわせ

不思議なめぐりあわせ

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コラム
こんにちは。フランス語翻訳者の遠藤ゆかりです。

あの出来事がなかったらいまの自分はなかった、という経験を、みなさんも大なり小なりされていることと思います。

そもそも、毎日の選択、というより「いまこのとき」の一瞬一瞬の選択が、自分の人生をつくりあげているともいえますが……。

40年以上前に、私は中学受験をしました。全部で3校受けて、合格したのは1校だけです。

模擬試験でいつも合格率100パーセントだった、いわゆる「滑り止め」の学校でした。

入学試験の結果が出た直後の気持ちはまったく覚えていませんが、その後の学校生活はとても楽しく、充実した中高6年間を過ごし、第1志望の大学にも合格できました。

大学卒業後は公務員になり(参考ブログ「昔の職場は警視庁」)、翻訳の仕事をするために退職し、以来、いままでずっとこの仕事をさせていただいています。

中学受験で別の学校に合格して、そちらに進学していたら、まちがいなくいまの私は存在しません。不合格だった2校には、フランス語のカリキュラムがなかったからです。中学と高校でフランス語を学ばなかったら、まったく別の道を歩んでいたことでしょう。

いまから6年前の2020年に、私は女性戦場ジャーナリストに関する訳書を出しました。フランス最大のテレビ局TF1で働く5人の女性戦場ジャーナリストが、職業人として、ひとりの人間として、ひとりの女性としての自分を率直に語ったエッセイ集です。
(『命を危険にさらして 5人の女性戦場ジャーナリストの証言』、創元社)

これは私が提案して翻訳させていただいた本で、出版から2年後の2022年には、とある私立中学校の入学試験の国語の問題に採用されました。

試験問題に訳書が採用されただけでも驚きでした。でも、学校名を見て仰天したのです。

それは、はるか昔に入学試験に落ちた学校でした。

不思議なめぐりあわせもあるものですね。

ちなみに、その試験問題はけっこう難しく、不合格だったのも無理はないよ、と、小学生だったころの私をそっとなぐさめてあげました。

<参考ブログ>「昔の職場は警視庁」

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