長い高校教員生活を終え、私は定年退職を迎えました。
高校教員として38年間。
これで、教師としての人生も一区切りなのだと思っていました。
ところが、退職してしばらくすると、また英語を教えたいという気持ちが出てきました。
高校で長年英語を教えてきたこと。
修士課程、博士課程で英語教育を学んできたこと。
TESOLについて研究してきたこと。
これまで積み重ねてきた経験を、まだ生かせるのではないか。
そう考えて、大学の教員募集を探し始めました。
そして、応募書類を一校一校送りました。
履歴書だけではありません。
これまでの教育経験や研究についてまとめ、自分が何をしてきたのかを一つ一つ書類にしました。
一校応募して、結果を待つ。
また次の大学へ応募する。
それを繰り返しました。
定年退職後の新しい挑戦でした。
そして、ある大学から採用の知らせをいただきました。
こうして私は、高校教員から大学教員へと仕事の場を移しました。
高校では、生徒たちと毎日の教室で向き合っていました。
大学では、学生たちに英語を教えながら、これまで学んできた英語教育や
TESOLの知識を生かすことができました。
振り返ってみると、私の47年間の教師人生は、決して一直線ではありませんでした。
最初の学校は困難校。
2校目も困難校。
そこで働きながら、夜に修士課程へ通いました。
3校目も困難校。
そこでも英語教育について考え続け、さらに深く学びたいと思い、博士課程へ進みました。
そして、定年退職。
終わりだと思っていたところから、もう一度、新しい道が始まりました。
高校38年、大学9年。
47年間、私は教師として生徒や学生と向き合ってきました。
そして今も、英語教育に関わっています。
Speaking、Writing、Presentation。
最近は、IELTSのSpeakingやWritingを教えたり、英語学習について悩んでいる人の相談に乗ったりしています。
考えてみれば、教師になったばかりの頃の私は、こんな未来を想像していませんでした。
英語を教える前に、まず生徒を教室に入れること、静かに座ってもらうことを考えていた私が、働きながら大学院へ進み、博士課程でTESOLを研究し、定年後には大学で英語を教えるようになった。
人生は、最初から道が決まっているわけではないのかもしれません。
その時々で、
「もっと学びたい」
「もう一度やってみたい」
と思ったことが、次の道につながっていきました。
そして今、私はこれまでの経験を、英語を学ぶ人たちのためにも生かしていきたいと思っています。
英語を勉強したいけれど、何から始めればいいかわからない。
SpeakingやWritingを伸ばしたいけれど、自分の弱点がわからない。
そんな悩みを持つ人の話を聞き、一緒に次の一歩を考える。
それもまた、47年間の教師人生の続きなのだと思っています。