最近、AIという言葉を聞かない日はないくらい、身近な存在になってきました。
文章を作ったり、画像を作ったり、質問に答えたり。
僕自身もAIを学びながら、
「これ、美容室でもかなり使えるんじゃないか?」
と思うことが増えています。
一方で、AIの話をすると、
「AIが普及したら、人の仕事がなくなるんじゃない?」
という話もよく出てきます。
僕は美容師として約9年間働いていましたが、美容室に関しては、
**AIが普及しても、人の接客はなくならない**
と思っています。
## 美容師の仕事は「髪を切る」だけじゃない
美容師時代を振り返ってみると、お客様から言われた通りに髪を切るだけの仕事ではありませんでした。
例えば、
「短くしたいけど、短すぎるのは嫌」
「明るくしたいけど、仕事で怒られないくらいにしたい」
「特に決めてないから似合う感じで」
こんなオーダーもあります。
写真を見せてもらったとしても、その髪型をそのまま再現すればいいとは限りません。
髪質、クセ、骨格、普段のお手入れ、仕事、服装。
いろいろなことを考えながら、
「だったら、こっちの方が似合うかもしれません」
と提案する。
これは美容師の大切な仕事の一つだと思います。
## お客様によって「心地いい接客」も違う
そして美容室では、技術以外の部分もかなり大きいです。
たくさん話したいお客様もいれば、静かに過ごしたいお客様もいます。
仕事の話をする方もいれば、家族の話をする方もいる。
何年も担当していると、
「前回、旅行に行くって言ってましたけどどうでした?」
なんて会話をすることもあります。
逆に今日は少し疲れていそうだなと思ったら、必要以上に話しかけないこともあります。
こういう、
**相手を見ながら、その人に合わせて接客を変えること。**
ここはAIですべて置き換えるのは難しいと思っています。
## じゃあ、美容室でAIを使う意味は?
僕がAIを学び始めて面白いと思ったのは、
**「人の仕事をAIに奪わせる」のではなく、「人じゃなくてもできる仕事をAIに任せる」**
という考え方です。
美容室には毎日のように色々なお問い合わせがあります。
・今日は何時まで営業していますか?
・カットはいくらですか?
・駐車場はありますか?
・カラーにはどれくらい時間がかかりますか?
・予約はどこからできますか?
・お店はどこにありますか?
もちろん、これらにスタッフが答えること自体は悪いことではありません。
ただ、カラーを塗っている途中だったり、シャンプー中だったり、お客様との接客中だったり。
その度に作業を止めて対応する必要があります。
だったら、こういった**「答えが決まっている質問」**はAIに任せてもいいんじゃないか。
そう考えるようになりました。
## AIに任せる仕事、人に任せる仕事
例えば、
「営業時間を知りたい」
→ AI
「駐車場はありますか?」
→ AI
「カット料金はいくらですか?」
→ AI
「予約ページを教えてください」
→ AI
一方で、
「自分にはどんな髪型が似合いますか?」
「前回より少し短くしたいけど、どう思いますか?」
「最近まとまりにくくなったんです」
こういった相談は、美容師がお客様を実際に見ながら考える。
僕はこの使い分けが大切だと思っています。
## AIを使うことで、むしろ人との時間を増やせる
AIというと、
「人を減らす」
「仕事を奪う」
「全部自動化する」
というイメージを持つ方もいるかもしれません。
でも僕は逆だと思っています。
AIでもできる仕事をAIに任せる。
そうすれば美容師は、その分、
**目の前のお客様に集中できます。**
電話が鳴るたびに施術を止めなくていい。
同じ質問に何度も答えなくていい。
その数分を、お客様とのカウンセリングや施術に使える。
AIを使う目的は、人との接客をなくすことではなく、
**「人にしかできない仕事に、もっと時間を使えるようにすること」**
なのではないでしょうか。
## 美容師経験とAIを組み合わせてみる
現在僕は、美容師として約9年間働いた経験を活かしながら、美容室向けのAIチャットボットを制作しています。
料金やメニューを登録するだけではなく、
「このお店ではどんな質問が多いのか」
「どこまでAIに答えさせるのか」
「どんな話し方なら、そのお店らしいのか」
といった部分まで、お店ごとに考えて設計します。
AIに全部任せる必要はありません。
**AIが得意な仕事はAIへ。
人にしかできない仕事は人へ。**
美容師として働いていたからこそ、僕はこのバランスを大切にしたいと思っています。
AIによって美容師の接客がなくなるのではなく、
**AIがあることで、美容師がもっとお客様に向き合える。**
そんな使い方が広がっていったら面白いなと思っています。