1on1をしても部下が本音を話さない。報告会で終わってしまう理由

1on1をしても部下が本音を話さない。報告会で終わってしまう理由

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「何か困っていることはない?」

そう聞いても、部下から返ってくるのは、

「特にありません」
「大丈夫です」
「順調です」

という短い言葉だけ。

気まずい沈黙を避けるために仕事の進捗を確認し、気づけば、いつもの業務報告で1on1が終わってしまう。

そんな経験はないでしょうか。

部下のために時間をつくっているのに、本音が出てこない。
管理職として、自分の聞き方が悪いのではないかと悩む人もいると思います。

しかし、これは管理職個人の質問力だけの問題ではありません。

1on1の目的が共有されないまま、いきなり質問から始めていること
が原因かもしれません。

この記事では、1on1が報告会で終わる理由と、部下が話しやすくなる会話の順番を紹介します。

1on1を実施するだけでは、効果は生まれない


パーソル総合研究所が2025年に公表した調査では、
1on1の実施率は55.7%でした。

一方で、部下の3人に1人は効果を感じていません。

上司と部下の双方から、

- 面談について学ぶ仕組みがない
- 上司が忙しく、日程を設定しにくい
- 面談の効果が感じられない

といった悩みも挙がっています。

つまり、1on1は広がったものの、
現場では「何をどう話せばよいか分からないまま実施している」
状態が起きています。

時間を確保することは大切です。

ただ、月に一度30分の予定を入れるだけでは、
部下が本音を話せる場にはなりません。

部下は「この話をして大丈夫か」を見ている


管理職は、1on1を部下のための時間だと考えているかもしれません。

しかし部下から見ると、目の前にいるのは自分を評価する上司です。

「弱音を吐いたら、評価が下がらないか」
「仕事ができないと思われないか」
「話した内容が、別の人に伝わらないか」
「どうせ最後は説教やアドバイスになるのではないか」

こうした不安があれば、「何か困っている?」と聞かれても、
簡単には話せません。

私自身、管理職として、あるいはコーチとして、
さまざまな相手と1on1のような対話をしてきましたが、
「特にありません」と返ってくる場面には何度も出会っています。
振り返ると理由はそれぞれ違いました。
トップダウンで指示を出す関係だった相手には、意見を言っても通らないと感じさせていたのかもしれません。
経験の浅い相手には、そもそも何がわからないのかが本人にもわかっておらず、こちらから話を振らないと言葉が出てこないこともありました。
信頼関係がまだ十分でない段階では、どこまで話していいのかがわからず、「今日は何について話しますか?」と聞いても、こちらが当たり前に使っている言葉さえ相手には伝わっていない、ということもありました。

これは、部下に話す力がないからではありません。

話した後に何が起きるか分からないから、安全な答えを選んでいる
のです。

「何があった?」から入ると報告会になりやすい

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管理職は問題を早く把握し、解決することを求められます。

そのため、部下が悩みを話すと、つい次のような質問を重ねます。

- いつ起きたの?
- 原因は何?
- 誰が関係しているの?
- 次はどうするの?

どれも業務上は必要な質問です。

ただし、最初から事実確認に入ると、
会話の焦点は「その人」ではなく「問題」へ移ります。

すると部下は、上司が判断できるように情報を報告する側になります。

1on1が報告会になるのは、部下が本音を隠しているからとは限りません。

上司の質問に合わせて、報告モードへ切り替わっている
こともあるのです。

質問を増やす前に、会話の順番を変える


部下に本音を話してもらうために、
高度な質問技術から覚える必要はありません。

まず、次の順番を意識してみてください。

1.目的を合わせる

最初に、今日の時間を何に使うか確認します。

「今日は進捗確認ではなく、今感じていることを整理する時間にしたいと思っているけど、どうかな?」

「今日は、話を聞いてほしい? それとも一緒に解決策を考えたい?」

目的を合わせるだけで、部下は何をどこまで話せばよいか判断しやすくなります。

2.事実より先に、受け止める

部下が「最近、仕事がしんどいです」と話したとします。

すぐに原因を聞くのではなく、まず、

「そう感じているんだね」
「話してくれてありがとう」
「もう少し聞いてもいい?」

と受け止めます。

同意する必要はありません。

「あなたはそう感じている」と受け取ることが大切です。

3.本人が整理したいことを聞く

その後で、次のように尋ねます。

「今、一番引っかかっているのはどこ?」

「この時間が終わる時、何が整理できていたらよさそう?」

「私にしてほしいのは、聞くこと、質問すること、
意見を伝えることのどれに近い?」

この3つは、答えを引き出すための質問ではありません。

上司と部下が、同じ目的で会話を進めるための質問です。

アドバイスが悪いのではなく、早すぎることがある


経験のある管理職ほど、部下の話を聞くと解決策が見えます。

相手のためを思って、早く教えたくなるのも自然なことです。

私自身、コーチングを学ぶ前はまさにこうでした。
自分の考えが正解だという思いが強いと、相手の提案や考えが自分と違うときに、つい自分の案を通そうとして話す量が増えていました。
知識や経験がある話ほど、答えはこれだろうと勝手に頭の中でストーリーを組み立てて話してしまうこともありました。
相手が何を考えているかは、聞いてみるまでわからないのに、です。
うまく伝わらないと感じるときほど、先に答えを言ってしまっていたように思います。

ただ、部下がまだ悩みを言葉にしている途中で答えを渡すと、

「最後まで聞いてもらえなかった」
「結局、上司の考えを押しつけられた」

と受け取られる場合があります。

アドバイスをしてはいけないのではありません。

「私の考えも伝えていい?」と確認してから話す。

この一言があるだけで、押しつけではなく、選べる提案に変わります。

明日の1on1で変えることを一つだけ決める

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実際に、聞き方を変えたことで手応えが大きく変わった経験があります。
相手の考えをまず聞く、相手が話している間は口を挟まないと決めてからは、以前よりもしっかり話を聞けるようになりました。
自分の考えは数ある考え方のひとつに過ぎないと思うようになり、
「私はこう考えているけれど、あなたはどう思う?」と聞けるようにもなりました。
言葉の表面だけを受け取ることも減り、「それはどういう意味だろう」
「なぜそう感じたのだろう」と、話を深掘りするようになったのです。

聞き方を一度に全部変えようとすると、管理職自身が疲れてしまいます。

まずは、明日の1on1で次のうち一つだけ試してみてください。

- 冒頭で、今日の目的を確認する
- 最初の5分は、解決策を言わずに聞く
- アドバイスの前に「意見を伝えてもいい?」と確認する

1on1の目的は、管理職が正しい答えを出すことではありません。

部下が自分の状況を言葉にし、
次にどうするかを考えられる状態をつくることです。

質問の数を増やすより、まず会話の順番を整える。

それだけでも、報告会だった1on1が、
少しずつ対話の時間に変わっていきます。

一人で抱えなくていい


部下との1on1がうまくいかない時、
原因は聞き方だけにあるとは限りません。

プレイヤー業務との両立、上司からの要求、部下との距離感など、
管理職自身が複数の悩みを抱えていることもあります。

何から整理すればよいか分からない時は、
一度、頭の中にあることを言葉にしてみませんか。

今日紹介した3つの質問は、部下と話す時だけでなく、
自分自身の状況を整理する時にも使えます。

まずは一つだけ、自分に問いかけてみませんか。

一人で考えても堂々めぐりになるときは、
誰かに話しながら整理するほうが早いこともあります。

ココナラでは、1on1や部下との関わり方について、
思考整理のお手伝いをしています。
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