仕事や人間関係の中で、
「ちゃんと話を聞いているつもりなのに、相手が本音を話してくれない」
「1on1をしても、報告だけで終わってしまう」
「相談されたからアドバイスしたのに、相手の反応が悪い」
「結局、相手が何を言いたいのか分からない」
と感じることはないでしょうか。
こちらとしては、聞いているつもり。
相手の話も遮らずに聞いている。
必要だと思ってアドバイスもしている。
問題解決のために質問もしている。
それなのに、なぜか相手との距離が縮まらない。
そんな時は、聞き方が悪いというより、
「コト」を聞きすぎて、「ヒト」を聴けていない
のかもしれません。
この記事では、先日開催した「信頼される人の聞き方」をテーマにしたオフ会の内容をもとに、相手が本音を話しやすくなる聴き方を整理します。
この記事を読むことで、
- 話を聞いているのに信頼されない理由
- 「聞く」と「聴く」の違い
- アドバイスが逆効果になる場面
- 相手の本音を引き出すための聴き方
- 今日から試せる小さなアクション
が分かります。
「コト」を聞く人は多い
人の話を聞く時、私たちはつい「出来事」に意識が向きます。
たとえば、相手が
「最近、仕事が面白くないんですよね」
と言ったとします。
この時、すぐに
- 何があったのか
- 誰が関係しているのか
- どうすれば解決するのか
- 原因は何なのか
- どんなアドバイスをすればいいのか
を考えてしまうことがあります。
もちろん、問題解決が必要な場面では大切です。
ただ、相手が本当に求めているのは、解決策ではなく、
「自分の気持ちを分かってほしい」
「まずは受け止めてほしい」
「本当は何にモヤモヤしているのか整理したい」
ということかもしれません。
その時に「じゃあこうすればいいよ」とすぐ返すと、相手は
「聞いてもらえた」
ではなく、
「処理された」
ように感じることがあります。
本当に聴くとは、「ヒト」に意識を向けること
オフ会では、
最初に「最近嬉しかったこと」を1分間話すペアワークをしました。
その後に、
「相手の話を聞いている時、自分は何を考えていたか」
を振り返ってもらいました。
すると、
- 次に何を質問しようか考えていた
- 自分の経験と比べていた
- 話の内容を理解しようとしていた
- その場面を想像していた
- 質問したい気持ちを抑えていた
という声が出ました。
これはとても自然なことです。
ただ、ここで大事なのは、話の内容だけではなく、
その人がどんな気持ちで話しているのか
に意識を向けることです。
「何があったか」だけではなく、
- それが起きて、どんな気持ちになったのか
- なぜそれが嬉しかったのか
- そこにどんな価値観があるのか
- 本当はどうなりたいのか
を聴く。
これが「コト」ではなく「ヒト」を聴くということです。
なぜアドバイスが逆効果になることがあるのか
相談された時、ついアドバイスしたくなることがあります。
自分の経験がある。
解決策が見えている。
相手のために早く助けたい。
そう思うのは自然です。
でも、相手がまだ気持ちを整理している途中の時にアドバイスをすると、
相手は受け取れないことがあります。
人は、教えられて変わるよりも、
自分で気づいた時に変わりやすい
からです。
「こうした方がいいよ」と言われると、やらされ感が残ることがあります。
でも、自分で
「あ、自分は本当はこうしたかったんだ」
「だから次はこうしてみよう」
と気づけると、行動に移しやすくなります。
だから、聴くことは、答えを出す前の土台づくりでもあります。
相手が話しやすくなる3つのポイント
オフ会で伝えた、今日から使いやすいポイントは3つです。
1. 全意識を相手に向ける
2. 判断せずニュートラルに聴く
3. 言葉の裏の感情を受け取る
1. 全意識を相手に向ける
スマホを見ながら。
パソコンを触りながら。
次に言うことを考えながら。
この状態では、相手は「聞いてもらえている」と感じにくいです。
まずは相手の方を見る。
うなずく。
表情を見る。
話すペースに合わせる。
これだけでも、相手に伝わるものは変わります。
2. 判断せずニュートラルに聴く
相手の話を聞いていると、
「それは違う」
「こうした方がいい」
「自分ならこうする」
と思うことがあります。
でも、その瞬間、意識は相手ではなく自分の考えに向いています。
まずは、相手の言葉をそのまま受け取る。
「そう感じたんですね」
「そういうことがあったんですね」
と返すだけでも、相手は話しやすくなります。
3. 言葉の裏の感情を受け取る
人の言葉には、感情が乗っている時があります。
声のトーンが変わる。
表情が明るくなる。
少し言葉に詰まる。
急に早口になる。
そこには、本人が大切にしているものが隠れていることがあります。
言葉だけでなく、
「今、どんな気持ちで話しているのか」
に意識を向けると、相手の本音に近づきやすくなります。
今日からできる小さなアクション
傾聴は、いきなり完璧にできなくて大丈夫です。
まずは、次のどれか1つだけ試してみてください。
- 家族の話に「そうなんだね」とだけ返して、すぐアドバイスしない
- 会議で誰かの発言を一度そのまま繰り返す
- 1on1の最初の5分は、自分の意見を言わず相手の話を聴く
- 相手が使った言葉を、自分の言葉に変えずに返す
小さなことですが、相手にとっては
「ちゃんと受け取ってもらえた」
という感覚につながります。
まとめ
話を聞いているのに信頼されない時、
足りないのはアドバイスではないかもしれません。
相手が本当に求めているのは、
理解されること
かもしれません。
「何があったか」だけではなく、
- どんな気持ちだったのか
- 何を大切にしていたのか
- 本当はどうしたかったのか
を聴く。
それだけで、相手との関係性は少し変わります。
もし今、職場の1on1、人間関係、伝え方、相談の受け方で悩んでいるなら、一度、自分の聞き方を整理してみるのがおすすめです。
相手の話をどう受け取っているのか。
自分はすぐにアドバイスしようとしていないか。
本当に相手の気持ちに意識を向けられているか。
話しながら整理すると、
自分のコミュニケーションのクセも見えやすくなります。