税務調査は突然来る?個人事業主・小規模法人が知っておきたい全体の流れ

税務調査は突然来る?個人事業主・小規模法人が知っておきたい全体の流れ

記事
法律・税務・士業全般
はじめに

前回の記事では、税務調査の連絡が来た場合に、最初に行いたいことについて解説しました。

税務署から突然連絡を受けると、
「明日、いきなり調査に来るのだろうか」
「これから何をされるのだろうか」

と不安に感じる方も多いと思います。

一般的な税務調査では、税務署から事前に連絡が入り、日程や場所を調整したうえで実地調査が行われます。

ただし、すべての税務調査で必ず事前通知が行われるとは限りません。

事前通知をすると正確な事実確認が難しくなるおそれがある場合などには、事前通知なしで調査が行われるケースもあります。

今回は、一般的な事前通知のある税務調査を前提に、連絡を受けてから調査が終了するまでの大まかな流れを解説します。

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税務調査は大きく3段階に分けられる

税務調査は、大きく次の3段階に分けることができます。

1. 実地調査前の準備
2. 実地調査当日
3. 実地調査後の確認・協議

調査当日だけで終わるとは限らず、税務署から最初の連絡が入ってから調査結果が確定するまで、1か月以上かかることもあります。

確認事項や指摘事項が多い場合には、数か月にわたることもあります。

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①実地調査前の準備

税務調査は、税務署から電話などで連絡が入るところから始まるのが一般的です。

連絡を受けた後は、調査に向けた事前準備を進めます。
主な内容は次のとおりです。

• 調査日程と調査場所の調整
• 調査対象となる期間や税目の確認
• 税理士への相談
• 過去の申告書や帳簿の準備
• 売上や経費に関する資料の整理
• 税理士との事前打合せ
• 会計処理や申告内容の確認
• 想定される論点の整理

私の経験では、この事前準備が税務調査全体の中でも特に重要です。
事前に資料を確認することで、不足している資料に気づくことができます。

また、金額が大きい取引や通常とは異なる会計処理について、契約書や請求書などの根拠資料を確認し、調査当日に説明できるように準備できます。

過去の申告内容に誤りが見つかった場合には、事実関係や税務署からの通知状況を踏まえて、今後の対応を検討することもできます。

調査当日は税務署職員が主導して進めますが、事前準備の段階では、納税者と税理士が主体的に確認や対策を進められます。

その意味でも、事前準備には十分な時間を確保することが大切です。
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②実地調査当日

実地調査当日は、税務署職員が事務所、店舗、自宅などを訪れ、帳簿や資料の確認、質問などを行います。

調査開始時には、一般的に事業内容についての確認が行われます。

例えば、

• 事業を始めた経緯
• 具体的な業務内容
• 主な取引先
• 売上の計上方法
• 経費の支払方法
• 従業員や外注先の状況
• 現金の管理方法
• 帳簿の作成方法

などについて質問されることがあります。

事業の実態については、実際に経営や業務を行っている納税者ご本人にしか説明できない部分があります。

そのため、税理士が立ち会う場合でも、調査開始時の事業概要の説明には納税者の協力が必要です。

その後は、帳簿、請求書、領収書、通帳、契約書などを確認しながら、申告内容との整合性を確認していきます。

税理士が調査に立ち会う場合には、会計処理や税法上の取扱いに関する質問について、税理士が窓口となって説明することが一般的です。

納税者にしか分からない事実関係については、税理士から確認を求められることがあります。

税務署職員から資料の追加提出を依頼される場合もありますが、すぐに準備できない資料については、後日提出することもあります。

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実地調査では協力的な対応が大切

私のこれまでの経験では、税務署職員からの質問や資料提出の依頼に対しては、可能な範囲で協力的に対応する方が、調査を円滑に進めやすいと感じます。

ただし、分からない質問に対して推測で回答したり、確認していないことを断定したりする必要はありません。

分からない場合には、

「確認して後日回答します」

と伝え、帳簿や関係者への確認を行ったうえで回答することが大切です。

税理士が立ち会っている場合には、税理士と相談しながら回答することで、説明の食い違いや誤解を防ぎやすくなります。

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実地調査の終了時に確認されること

実地調査の最終日には、その時点で確認された内容について説明が行われることがあります。

例えば、

• 調査で確認した内容
• 税務上の問題があると考えられている事項
• 追加資料が必要な事項
• 税務署内でさらに検討する事項
• 今後の進め方

などです。

その場で結論が出る場合もありますが、持ち帰って検討される事項や、追加資料の提出後に判断される事項もあります。

実地調査が終わったからといって、必ずしも税務調査全体が終了したとは限りません。

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③実地調査後の確認・協議

実地調査後に確認事項や指摘事項が残った場合には、税務調査は引き続き行われます。

主な対応は次のとおりです。

• 未提出資料の提出
• 追加質問への回答
• 事実関係の確認
• 税務署との見解の調整
• 修正申告の検討
• 必要な税金の納付

税務署から指摘があった場合でも、その指摘が直ちに最終決定となるわけではありません。

納税者側では、指摘内容を確認し、事実関係や税法上の取扱いについて説明します。

税務署と納税者側の考え方が一致しない場合には、資料や法令に基づいて協議を行い、最終的な結論を整理していきます。

私の経験では、実地調査当日よりも、その後の資料提出や税務署との協議に時間がかかるケースもあります。

確認事項が多い場合や、税法上の見解に違いがある場合には、調査終了まで数か月かかることもあります。

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税務調査の主な終了パターン

税務調査の結果は、大きく次のような形で整理されます。

申告内容に問題がない場合
申告内容に問題がないと判断された場合には、修正申告や追加納税は必要ありません。
いわゆる「申告是認」となるケースです。

申告内容に誤りがあり、納税者が修正する場合
税務署からの指摘内容を確認し、申告内容に誤りがあると判断した場合には、修正申告を行います。
修正申告により追加の税額が発生した場合には、本税のほか、延滞税や加算税が発生する可能性があります。

税務署と納税者側の見解が一致しない場合
指摘内容について納税者側が受け入れず、協議を続けても見解が一致しない場合には、税務署による更正などの処分が行われることがあります。
その場合、処分内容に納得できなければ、不服申立てなどを検討することになります。

実際の終了方法は、調査内容や指摘事項によって異なります。
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税理士に依頼しても納税者の協力は必要

税理士へ税務調査の対応を依頼すると、税務署との連絡や調査当日の対応、調査後の協議などを任せることができます。

ただし、すべてを税理士だけで完結できるわけではありません。

納税者には、主に次のような協力が必要です。

調査前
• 日程調整
• 資料の準備
• 事前打合せへの参加
• 事実関係の説明

調査当日
• 事業概要の説明
• 納税者にしか分からない事項への回答
• 追加資料の準備

調査後
• 不足資料の準備
• 事実関係の確認
• 必要に応じた協議への参加
• 修正申告に伴う納税

税理士は、納税者の負担を減らしながら、適正な税額で調査を終えられるように対応します。

そのためには、納税者と税理士が情報を共有し、お互いに協力して進めることが重要です。

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おわりに

今回は、税務調査が始まってから終了するまでの大まかな流れについて解説しました。

税務調査は、次の3段階で進みます。

1. 実地調査前の準備
2. 実地調査当日
3. 実地調査後の確認・協議

税務調査というと、税務署職員から質問を受ける実地調査当日だけを思い浮かべる方が多いかもしれません。

しかし、実際には事前準備や調査後の資料提出・協議にも多くの時間を要します。

調査を円滑に進めるためには、税務署から連絡が来た段階から、資料の整理や税理士との打合せを進めることが大切です。

次回は、
「税務調査で見られやすいポイントとは?売上・経費・現金取引の注意点」
をテーマに、税務署がどのような点を確認するのかについて解説します。

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