【前嶋拳人】最新の電卓を捨てて、あえて指で計算をする

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便利な道具が溢れるこの世界で、私たちはいつから、自分の手足を使って試行錯誤することを恥ずかしいと思うようになったのでしょうか。エンジニアとして十年以上の歳月をデジタルという無限の荒野で過ごしてきましたが、最近の私は、あえて最新の最短ルートを無視して、不器用な遠回りを楽しむことに夢中になっています。技術力が高い人ほど稼げるという言葉が魔法の呪文のように唱えられる中で、多くの人がより速く、より正確に答えを出すための計算機を手に入れようと必死になっています。しかし、本当に面白い発見というのは、その計算機の電池が切れたときに、必死になって指を折りながら自分の頭で考え抜いた先にこそ眠っているのです。

私がかつて大手企業で完璧なシステムを支えていた頃、効率こそが正義であり、無駄は排除すべき敵でした。でも、独立して自分の看板で歩き始めてからは、その敵だったはずの無駄こそが、人間が人間らしく働くための最高の贅沢であることに気づきました。最新の人工知能に問いかければ、数秒でそれらしい答えが返ってきます。でも、その答えの中に、あなたの迷いや、夜を徹して考え抜いた時の体温は宿っているでしょうか。道具に答えを委ねるのではなく、道具と喧嘩をしながら、自分だけの答えを泥臭く導き出す。そんなシゴトを道楽として愛でる姿勢が、結果として誰にも真似できない圧倒的な輝きを放ちます。

私たちが本当に求めているのは、誰でも出せる正解ではありません。その人だからこそ辿り着いた、不完全だけれど愛おしい不格好な答えです。効率化という名の波に飲み込まれて、自分自身の思考の筋肉を衰えさせてしまうのは、あまりにももったいない。技術を学ぶことは、稼ぐための武器を手に入れることではなく、世界を自分なりの視点で解釈するための新しい目を持つことです。流行の技術をいち早く手に入れて利鞘を稼ぐ生き方を否定はしませんが、私はそれよりも、誰も見向きもしない古い技術を磨き直し、新しい命を吹き込むような、職人気質の遊び心を大切にしたいと考えています。

私が一緒に未来を語りたいと思うのは、最新の武器を自慢する人ではなく、何もない更地で棒切れ一本を使って面白い遊びを提案できる人です。道具が進化すればするほど、それを使う人間の感性が試されます。便利さに甘んじるのではなく、あえて不自由な環境に身を置いて、自分の知恵だけで問題を解決してみる。そんな挑戦を面白いと感じられるチームでありたいのです。完成された正解をなぞるだけの仕事は、いつか機械がすべて肩代わりしてくれます。でも、私たちが今日感じたワクワクや、失敗した時の悔しさは、どんなに高性能なメモリーにも保存できない、あなただけの貴重な資産です。

世界がどれほど速く回転し、物の価値が乱高下したとしても、自分の頭で考え、自分の手で何かを創り出す喜びは、決して誰にも奪われません。私たちは、最新の波に乗るサーファーである以上に、深い海の底に沈んだ本質を拾い集める潜水士でありたい。効率や収益という物差しを一度脇に置いて、純粋に「なぜ動くのか」「どうすればもっと面白くなるのか」という子供のような好奇心を、もう一度取り戻してみませんか。画面を閉じた後、あなたも自分の周りにある当たり前の便利さを、あえて一度手放してみてください。そこには、まだ誰も言葉にしていない、あなただけの新しい物語が静かに芽吹いているはずです。私たちはこれからも、一行のコードに誠実な体温を込め、まだ見ぬ景色を共創していきます。
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