「いい感じだと思っていたのに、急に連絡が取れなくなった」
「向き合おうとすると冷たい壁を作られるか、弱音を吐いて逃げられる」
いわゆる「回避型」と呼ばれる男性と付き合っていると、彼の読めない行動に振り回されて心が疲れてしまいますよね。
「私が何か怒らせるようなことを言ったのかな」「もう嫌われてしまったのかな」と自分を責めてしまう方も多いはずです。
しかし、アルフレッド・アドラーの心理学を紐解いていくと、彼らの不可解な行動の裏には「傷つかないための2つの戦略」が隠されていることが分かります。
今回は、アドラーの著書『人間の本性』の記述を引用しながら、回避型男性の2つのタイプと、彼らが「連絡を遮断する本当の目的・引き金」について詳しく解説します。
アドラー心理学が明かす「性格の分岐点」
アルフレッド・アドラーは、人間が幼少期に自分より強い大人の存在に気づいたとき、自分の欲求を通し安全を守るために「2つの作戦」のどちらかを選び始めると指摘しています。
子供は、自分よりもずっと楽に欲求を満たす人がいること、 つまり 自分よりも優れた人の存在に必ず気づきます。(中略)子供から見た大人の権力のふるい方を採用して自分の意思を押し通すか、 **相手が折れずにはいられないような弱さを見せるのです。** 精神の動きがこうして2つの方向に分岐する様子は子供たちにたびたび 見られます 。この分岐で人間のタイプが作られ始めます 一方は承認を求め、力を得て実行する方向に進みますが、 もう一方は自分の弱さを計算に入れて、様々な形で提示するように見えます。」(引用:アルフレッド・アドラー著『人間の本性』長谷川早苗 訳 P53)「※太字・強調は筆者による」
ここから言えるのは、人間は幼い頃に、
「力を誇示して相手を屈服させる道(承認・力・実行タイプ)」を進むか
「自分の弱さを見せて相手を折れさせる道(弱さの提示タイプ)」を進むか
どちらかの戦略を身につけるということです。
そして重要なのは、「回避型」の男性はどちらのタイプにも存在するということです。
一見すると正反対に見えるこの2タイプですが、アドラーの「目的論」の視点で見ると「自分が傷つくリスクを避け、自分の安全地帯(優位な立場)を守る」という根本的な目的は大体において同じなのです。
では、それぞれのタイプが大人になってどのような行動をとるのかを見ていきましょう。
タイプの違い:2つの回避型男性の特徴
① 承認・力・実行タイプ(自立型・オレ様系回避)
大人の権威や力を模倣し、「強さ」や「自立」を盾にして他者を寄せ付けないようにするタイプです。
回避のスタイル
「自分は完璧である」「他人に頼る必要はない」という強固な壁を作り、心の親密さを拒絶します。感情的な話し合いや距離が縮まりそうになると、論理責めにする、急に冷淡な態度をとる、あるいは仕事や趣味に没頭して成果を誇示することで相手を突き放します。
根底にある本音
自分の弱みや感情を見せると「相手に屈服させられる」「支配される」という強い恐怖を抱いています。圧倒的な自立やプライドを壁にすることで、自分の心を防衛しているのです。
② 弱さの提示タイプ(被害者・無力型回避)
相手がそれ以上追求できなくなるような「弱さ」を計算して提示し、向き合うことから逃げようとするタイプです。
回避のスタイル
不都合な場面や深く向き合うべき局面になると、「自分はメンタルが弱いから」「どうせ俺なんて君を幸せにできない」「今うつっぽくて余裕がないんだ」といった無力さを全面に出してきます。相手に「これ以上追い詰めたら彼が壊れてしまう」と思わせて罪悪感を抱かせ、踏み込ませないようにコントロールします。
根底にある本音
「可哀想で無力な自分」の位置にとどまることで、責任や期待から逃れようとしています。弱さをアピールすることが、彼らにとって最大の防衛策になっているのです。
なぜ彼は「連絡を完全遮断」するのか?(タイプ別の引き金)
回避型男性と付き合っていて最も辛いのが「突然の連絡遮断(音信不通・ブロック)」ですよね。
この「遮断」という行動自体はどちらのタイプにも現れますが、「なぜ遮断するのか」という目的と、それを引き起こすトリガー(引き金)には明確な違いがあります。
1. 遮断を常套手段として多用する【弱さの提示タイプ】
何の前触れもなくサイレントスルーやブロックを行い、音信不通になる頻度が圧倒的に高いタイプです。
遮断のスタイル
向き合うエネルギーすらないため、突然一切の連絡を絶ちます。
アドラー的心理(目的)
「自分は今、連絡も返せないほど傷ついてボロボロなんだから、これ以上追い詰めないで」という無言の被害者アピール(弱さ)として遮断を使っています。相手に諦めさせ、罪悪感を植え付けて逃げ切る作戦です。
サイレント遮断に走る「5つの引き金」
このタイプが逃亡モードに入るのは、主に「自分に向き合う・責任を負うエネルギーを要求されたとき」です。
1. 真剣な話し合い(問題の解決)を求められたとき
(例:「今度のこと、ちゃんと二人で話したい」など、対等な話し合いの場につかされそうになると、正論で責められる恐怖から沈黙します。)
2. 相手からの「不満」や「寂しさ」を打ち明けられたとき
(例:「連絡がなくて寂しい」という言葉すら加害者レッテルを貼られたように受け取り、「そんな責めないで…」とシャットアウトします。)
3. 「約束」や「未来の話」の履行を求められたとき
(例:日程決めや将来の話など、期待に応えられない恐怖から期待そのものを無効化するために連絡を断ちます。)
4. 彼の悩み・弱音に対して「具体的なアドバイス」を出されたとき*
(例:彼は「同情」を求めているため、解決策を出されると「弱者」でいられなくなり、嫌になってスルーします。)
5. 相手の「愛情」や「好意」が大きくなりすぎたとき
(例:重い期待を背負いきれず、罪悪感から逃げるために遮断します。)
2. 引き金が引かれた時に一気に遮断する【力・実行タイプ】
普段は普通に連絡を取っていても、自分の領域やプライドが脅かされた瞬間に断ち切るタイプです。
遮断のスタイル
「もう無理」「二度と連絡してくるな」といった捨て台詞を残して一気に遮断するか、冷酷に相手を切り捨てます。
アドラー的心理(目的)
「関係の主導権(コントロール権)は自分にある」という権力を行使するために遮断します。「お前が俺を傷つける前に、俺がお前を切り捨ててやる」というスタンスをとることで、自尊心と優位性を保とうとする作戦です。
一気切りに走る「5つの引き金」
このタイプは、「自分の領域やプライドが脅かされた」「支配権を奪われそうになった」と感じた瞬間に引き金が引かれます。
1. 彼の「不完全さ」や「非」をロジカルに指摘されたとき
(例:「言ってること矛盾してるよ」と正論で詰められると、屈服させられる前に「間違っているヤツ」として相手を切り捨てます。)
2. 「試し行為」や「駆け引き」をされたとき
(例:他の男性の影を匂わせたり、わざと返信を遅らせたりすると「操作しようとしてきた」と察知し、即座に遮断します。)
3. 「責任」や「重大な決断」を迫られたとき(白黒の催促)
(例:「ハッキリして!」と決定権を奪われそうになると、「決めさせられるなら、俺の意思で終わらせる」と切り捨てます。)
4. 彼の知識・実績・生き方を軽視(否定)されたとき
(例:仕事や趣味へのアドバイス・否定は尊厳への攻撃と受け取り、視界から排除します。)
5. 感情的に感情をぶつけられ、収集がつかなくなったとき
(例:長文の責めLINEや取り乱した態度に対し、「会話不能なヤツ」と見下してシャットアウトします。)
おわりに:彼の「逃げ方」に振り回されないために
音信不通や距離を置く行動を繰り返されると、「私が悪かったのかな」と悩み続けてしまいがちです。
しかし、今回解説したように、彼らの行動はあなたに対する攻撃ではなく、「自分が傷つくのを避けるための命がけの防衛作戦」に過ぎません。
向き合う勇気がなくて逃走する「弱さの提示タイプ」
相手を排除して支配権を握ろうとする「力・実行タイプ」
手段は「引きこもり」か「切り捨て」かの違いですが、どちらも根底にあるのは「安全圏へ逃げたい」という恐怖心です。
彼の「逃げ方のパターン」と目的が理解できれば、必要以上に自分を責めたり、彼の罠(罪悪感や恐怖によるコントロール)にはまったりせずに冷静に対応できるようになります。
まずは「これは彼の防衛モードなんだな」と一歩引いて捉え、自分の心の安全を一番優先してあげてくださいね。
💭 「彼のタイプがどちらか分からない…」「ブロックされた時の対応を知りたい」という方へ
彼の言動や音信不通のパターンから、彼の本当の心理タイプ(防衛パターン)を診断し、今のあなたにとって一番リスクの少ない接し方をアドバイスしています。
ひとりで抱え込んで苦しくなった時は、いつでもお気軽にご相談くださいね。