なぜ回避型男性は「親密さ」から逃げるのか?アドラー心理学と乳児期の記憶から読み解く彼の本音

なぜ回避型男性は「親密さ」から逃げるのか?アドラー心理学と乳児期の記憶から読み解く彼の本音

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サブタイトル:彼が距離を置くのは、あなたを嫌いになったからではありません


いい感じだったのに、急に連絡が減る。

心の距離が縮まったと思った瞬間、冷たい壁を作られる。

いわゆる「回避型」と呼ばれる男性と向き合っていると、「私に魅力がないのかな」「私、何か悪いこと言ったかな」と自分を責めてしまいがちですよね。

しかし、アドラー心理学の視点から彼らの行動を分析していくと、まったく別の景色が見えてきます。

彼らが急に距離を置くのは、あなたを嫌いになったからでも、意地悪をしたいからでもありません。アドラーの考え方から紐解くと、彼の根底にある「ある強力な目的」と「乳児期の古い記憶」が働いているからと言えるのです。

今回は、アルフレッド・アドラーの著書『人間の本性』の記述を紐解きながら、回避型男性の心理の原点と、彼らが抱く「親密さへの恐怖」の正体に迫ります。

アドラー心理学:人は「目的」に向かって動く


アドラー心理学の最も大きな特徴の一つに「目的論」があります。

人間は「過去の原因」によって突き動かされているのではなく、「自分自身が設定した何らかの目標(目的)」を達成するために行動しているという考え方です。

要は「まず本人の目標があり、その目標を果たすために、必然的にその行動が引き起こされる」ということです。

つまり、他者と深く関わることを避ける男性(回避型)には、一般的な「好きな人と親密になりたい」という目標とは異なる、彼独自の「新しい目標」がセットされているのです。

彼らにとっての目標とは、多くの場合「自分が傷つくリスクを徹底的に回避すること」であり「自分の心の安全地帯を死守すること」です。彼らはその目標に向かって、一直線に行動していると考えることができるでしょう。



心の癖の原点:早期記憶と乳児期の体験


では、なぜ彼は「傷つくのを避けること」を人生の最優先目標にしてしまったのでしょうか?

アドラーは同書の中で、30歳の勤勉な男性(婚約間近になると相手に激しい不信感を抱き、自爆しそうになる症状に悩む男性)の事例を挙げています。その男性の「人生で最初に覚えている記憶(早期記憶)」は、以下のようなものでした。

>男性のはじめての思い出は次のようなものでした。彼は母親と弟とともに市場にいました。ひどく混んでいたので、母親は兄である彼を抱き上げました。けれど間違いに気づくと、彼をおろして弟を抱き上げたのです。彼は悲しい気持ちでその横をついていきました。4歳の時のことです。ここで気づくのは男性がこの記憶を思い返すときと、自分の苦悩を語る時には似たような響きがあることです。(中略)ですから精神生活で私たちがアクセスできる要素の大本は乳児期にすでにあります。(引用:アルフレッド・アドラー著『人間の本性』長谷川早苗 訳 P35)

一度は母親に抱き上げられ、「愛された」と思った瞬間に間違いだと気づかれ、弟と交代させられた悲しみ。

アドラーは、大人が抱える深刻な苦悩や認知の偏りは、こうした幼少期(あるいは言葉も覚える前の乳児期)に受けた最初の印象や体験に原点があると指摘します。

回避型男性が大人になってから見せる「親密になりかけると逃げる」という行動も、乳児期から幼少期にかけての「愛を確信できなかった」「期待して裏切られた」という強烈な体験と無関係ではありません。

例えば、乳児期に以下のような3つのシナリオが存在した場合、それが現在の彼の回避行動の直接的な要因になっていると推測できます。

💡 事例1:愛着と拒絶の反復(感情のジェットコースター体験)


乳児期の状況
母親の気分や体調に波があり、機嫌が良い時は過剰に可愛がられるものの、機嫌が悪い時や忙しい時は理由もなく冷たく突き放されたり、放置されたりした。
男性が獲得した世界の捉え方
「愛される温かさ」を知っているからこそ、それが急に奪われる恐怖を痛感している状態です。「深く繋がると、あとで必ず突き放されて傷つく。なら最初から期待せず、一定の距離を保つのが安全だ」という回避的な目的が形成されます。

💡 事例2:条件付きの愛と「奪われた」感覚(下の子の誕生や過度な期待)


乳児期の状況
手のかからない「良い子」として扱われていたが、弟妹の誕生や親の関心が他へ向いたことで、自分の欲求(抱っこしてほしい、泣いて甘えたい)が急激に満たされなくなった。
男性が獲得した世界の捉え方
引用の事例と同じく、「自分は一度手に入れかけた愛を奪われる存在だ」という強い悲哀が根底にあります。「心を開いて依存すると、土壇場で別のものに取って代わられる。だったら最初から誰にも依存せず、1人で完璧を目指す(勤勉さや成果に逃げる)」という生き方を選びます。

 💡 事例3:応答の不全(サイレントな放置体験)


乳児期の状況
泣いてもすぐに抱っこしてもらえなかったり、親側が鬱状態などで乳児の表情や発声に十分に応答(ミラーリング)してくれなかったりした。

男性が獲得した世界の捉え方
「自分の感情を出しても、世界(他者)は反応してくれない」「自分は他者を変えられない」という無力感を学びます。結果として、「他人に感情をぶつけたり求めるのは無駄であり、自分の殻に閉じこもって感情を抑圧すること」が最大の防衛策となります。

おわりに:彼の「目的」を知ったあなたが取れる選択


彼の不可解な行動の背景に「傷つきたくないという切実な目的」があると分かると、過剰に自分を責める必要がないことに気づけるはずです。

「私の魅力が足りないから」ではなく、「彼は今、自分の安全基地を守るのに必死なんだな」と俯瞰して見られるようになること。

それができたとき、あなたは初めて「じゃあ、この防衛モードに入っている彼とどう付き合っていくか?」という、**本当の意味での自分軸**を持って選択できるようになります。

彼の警戒心を刺激せず、無理なく信頼関係を深めていくための具体的なアプローチ手順については、ぜひ他の記事も参考にしてみてくださいね。


💭 「彼の言動の真意を知りたい」「傷つけずに距離を縮めるアドバイスがほしい」という方へ


回避型男性の心理はとても繊細で、ひとりでお悩みを抱えていると自爆しやすい分野でもあります。彼の本当の目的を見極め、二人の関係を穏やかに育てるためのカウンセリングを行っています。

不安な気持ちを吐き出しに、いつでもお気軽にお話しにいらしてくださいね。
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