正義を押しつけ合う社会で、私たちはどう生きるのか
現在の世の中で起きている争いの多くは、「正義対悪」ではなく「正義対正義」の争いではないでしょうか。
一方が正しく、もう一方が間違っている。
そのように見える出来事でも、それぞれの立場や背景を知ると、双方が自分たちなりの正義を信じていることがあります。
しかし、テレビや新聞、インターネットなどから流れてくる情報によって、
「こちらが正義で、あちらが悪だ」という単純な構図がつくられることがあります。
私の好きな『銀河英雄伝説』には、
人を思い通りに動かしたければ、ある状況へ追い込み、選択肢を少なくすればよい、という趣旨の言葉があります。
人は選択肢を奪われると、自分で考えているつもりでも、誰かに用意された答えを選ぶようになります。
そのために利用されやすいのが、繰り返し流される情報です。
情報が一方向へ偏るほど、私たちは別の考え方に触れる機会を失います。
そして、
「みんながそうしているから」
「専門家が言っているから」
「テレビでそう言っていたから」
という理由で、自分の考えとは違う行動を選ぶようになります。
黒いものでも、上にいる人が白だと言えば、白だと言わなければならない。
そんな空気や同調圧力を、私たちはさまざまな場面で感じてきたのではないでしょうか。
「マスクをしなければ……」
「薬やワクチンがなければ……」
「隣国が悪いから……」
もちろん、これらについても考え方は人それぞれです。
問題なのは、どの考えが正しいかを決めることではありません。
一つの考え方だけが「正義」とされ、それ以外の選択肢を考えることさえ許されなくなることです。
人は「自分が悪である」とは思いたくない
人は、自分が間違っている、自分が悪である、という認識に耐えられるほど強くないのかもしれません。
だからこそ、自分の信じているものを「正義」とし、それを守ろうとします。
さらに、自分の正義を証明するために、違う考え方を持つ人を否定したり、排除したりすることもあります。
しかし、正義は人の数だけ存在します。
同じ出来事を見ても、育った環境、家族関係、経験、立場、恐怖、守りたいものによって、受け止め方は変わります。
自分にとっての正義が、相手にとっても正義であるとは限りません。
そして、相手の正義が、自分にとって納得できるものとも限りません。
大切なのは、相手と同じ考えになることではなく、
「この人には、この人なりの理由がある」
と知ろうとすることではないでしょうか。
正義のために戦い続けると、心も身体も疲れていく
正義感が強くなりすぎると、周囲の人の言葉や行動が許せなくなることがあります。
家族に自分の考えをわかってもらえない。
職場の人の判断に納得できない。
社会の出来事を見るたびに怒りが湧いてくる。
自分と違う意見を聞くと、否定されたように感じてしまう。
こうした状態が続けば、心は常に戦闘状態になります。
頭の中で誰かと戦い続け、身体にも力が入り、休んでいても気持ちが休まりません。
正義そのものが悪いわけではありません。
自分の意思で大切にしたい価値観を持ち、そこから行動することも必要です。
ただし、その正義によって自分や周囲の人が苦しくなっているのであれば、一度立ち止まってみる必要があります。
「私は何を守ろうとしているのか」
「なぜ、この人を許せないのか」
「この怒りの奥には、どのような不安があるのか」
「本当に自分で考えて選んだものなのか」
正義を振りかざす前に、その正義が生まれた背景を見つめる。
そこから、自分を苦しめているものの正体が見えてくることがあります。
戦うよりも、お互いの正義を認める
私たちは、正義のために戦う必要があるのではなく、お互いが持っている正義の違いを認める必要があるのだと思います。
相手の正義を認めるとは、相手の意見に従うことではありません。
「私はそうは思わない。でも、あなたがそう考える理由はわかる」
そのような距離感を持つことです。
誰かから与えられた正義に流されず、自分の頭で考える。
自分とは違う考え方を、すぐに悪と決めつけない。
それができれば、誰かと戦い続けることなく、もう少し穏やかに過ごせるのではないでしょうか。
「許せない」「わかってもらえない」という苦しさを抱えている方へ
あかつき道整骨院では、身体に現れている症状だけでなく、
その背景にある人間関係、過去の体験、思考の癖、不安や怒りなども含めて整理しています。
「家族と考え方が合わず、いつも衝突してしまう」
「他人の言動が許せず、怒りが収まらない」
「自分の考えを否定されることが怖い」
「社会の情報を見るたびに、不安や苛立ちが強くなる」
その苦しさの奥には、自分でも気づいていない恐れや、守ろうとしているものが隠れていることがあります。
どちらが正しいかを決めるための相談ではありません。
なぜ、その出来事に強く反応するのか。
何が自分を苦しめているのか。
身体と心の両面から、一緒に整理していきます。
一人で考え続けても答えが出ない方は、一度ご相談ください。