「あなたはどうしたい?」
そう聞かれたとき、すぐに答えられなくて困ったことはありませんか?
「週末、どこに行きたい?」
「何が食べたい?」
「あなたはどう思う?」
そんな何気ない質問にも、なぜか答えが出てこない。
頭の中ではいろいろ考えているのに、自分がどうしたいのか分からない。
結局、「どっちでもいいよ」「何でも大丈夫」と答えてしまう。
でも、本当に何でもいいのでしょうか。
もしかしたら、自分の気持ちがないのではなく、**自分の気持ちよりも、相手のことを先に考える習慣がついている**のかもしれません。
今日は、そんなときに自分の気持ちを少しずつ見つけていくための、3つの問いをご紹介します。
1. 自分の気持ちより、相手のことを考えていませんか?
たとえば、友人から「ランチ、何が食べたい?」と聞かれたとします。
本当はパスタが食べたい気もする。
でも、その瞬間に頭の中では、
「相手は何が食べたいんだろう?」
「パスタが嫌いだったらどうしよう」
「お店を探してもらうのも悪いな」
そんな考えが次々と浮かんでくる。
そして、気づけば「何でもいいよ」と答えている。
こんなことが続いていると、いつの間にか自分の気持ちより、相手にとって何がいいかを考える方が当たり前になっていきます。
もちろん、相手を思いやることは素敵なことです。
でも、相手の希望を大切にすることと、自分の希望をなくしてしまうことは違います。
自分の気持ちも、相手の気持ちと同じように大切にしていいんです。
2. 「どうしたい?」が難しいなら、「どう感じた?」から始めてみる
「私はどうしたいんだろう?」
この問いは、意外と難しいものです。
特に、普段から周りに合わせることが多い人にとっては、いきなり自分の希望を答えようとしても、なかなか言葉が出てこないかもしれません。
そんなときは、無理に答えを探さなくても大丈夫。
まずは、「私は今、どう感じている?」という問いから始めるのもひとつです。
たとえば、誰かから食事に誘われたとき。
「行くべきかな?」
「断ったら悪いかな?」
そんな考えが浮かんだら、少しだけ自分の気持ちに目を向けてみる。
「楽しそうだな」
「今日はちょっと疲れているな」
「会いたいけれど、ゆっくり休みたいな」
どんな感覚でも構いません。
嬉しい、楽しい、嫌だ、疲れる、面倒くさい。
一見ネガティブに感じる気持ちも、自分が何を大切にしたいのかを知る手がかりになります。
気持ちに正解も不正解もありません。
まずは、自分が感じていることに気づくだけで十分です。
3. 自分の本音に近づく3つの問い
ここからは、実際に自分の気持ちを見つけるための問いを3つご紹介します。
日常の具体例を通して、ご自身の生活と重ねながら読んでいただけたら嬉しいです。
🤔問い①「相手のことを考えなくていいなら、私はどうしたい?」
相手にどう思われるか。
迷惑をかけないか。
嫌われないか。
そんな心配を、いったん横に置いてみる。
相手の希望を考える前に、自分は何を望んでいるのか。
まずは、そこに目を向ける時間です。
◇実践例1:友人とのランチ
友人から「何が食べたい?」と聞かれたとき。
いつもなら「何でもいいよ」と答えるところを、一度だけ自分に問いかけます。
「もし相手の好みを考えなくていいなら?」
すると、「今日はパスタが食べたいな」と浮かぶかもしれません。
そんなときは、
「私はパスタがいいなと思ってるけど、どう?」
と伝えることもできます。
自分の希望を伝えることと、相手に押しつけることは違います。
◇実践例2:休日の予定
家族から「日曜日、買い物に行こう」と誘われたとします。
でも、なんとなく気が進まない。
「誰にも遠慮しなくていいなら、私はどう過ごしたい?」
「本当は家でゆっくりしたい」
「午前中だけ一人の時間が欲しい」
そんな答えが出てくるかもしれません。
それなら、
「午前中はゆっくりしたいから、午後からでもいい?」
という選択肢もあります。
◇実践例3:頼まれごと
同僚から「これもお願いできる?」と言われたとき。
反射的に引き受ける前に、
「相手に悪いと思わなかったら、私はどうしたい?」
と少し立ち止まってみる。
「今日は自分の仕事でいっぱいだから、引き受けたくない」
それが本音なら、
「今日は難しいのですが、明日ならできます」
と伝える方法もあります。
自分の希望を知ったうえで、状況に合わせて選べばいいんです。
🤔問い②「何が嫌で、何が疲れる?」
好きなことや、やりたいことが分からないときは、反対側から考えるのもひとつの方法です。
ただ、「嫌だ」「疲れる」という感覚に目を向けるのは、少ししんどく感じることもあるかもしれません。
無理に思い出したり、掘り下げたりする必要はありません。
日常の中でふと浮かんだときに、無理のない範囲で眺めてみる。
それくらいの気持ちで十分です。
「嫌だ」「疲れる」という感覚には、自分が大切にしたいものが隠れていることがあります。
◇実践例1:大人数の集まりが疲れる
集まりに参加したあと、どっと疲れる。
「人付き合いが苦手なのかな」と考える前に、何が疲れたのかを振り返ってみます。
「大人数の中で気を遣い続けるのが疲れた」
「会話に入るタイミングを考えるのが疲れた」
そこから、
「じゃあ、本当はどんな関わり方が心地いい?」
と考えてみる。
「2〜3人でゆっくり話したい」
「一人で過ごす時間も欲しい」
そんな希望に気づくかもしれません。
◇実践例2:急に予定を変更されるのが嫌
楽しみにしていた予定が、突然変更になった。
なんだかモヤモヤする。
「どうしてこんなに嫌なんだろう?」
少し余裕があるときに、そう問いかけてみます。
「自分の予定を大切にしてもらえなかった気がする」
「急に変わると気持ちがついていかない」
そこから見えてくるのは、
「自分の時間を大切にしたい」
「変更するときは事前に相談してほしい」
という願いかもしれません。
◇実践例3:休日なのに疲れる
せっかくの休日なのに、家事や用事を詰め込んでしまう。
夕方になると、「今日も疲れたな」と感じる。
そんなとき、少し振り返ってみます。
「休日の何が疲れるんだろう?」
「時間に追われるのが嫌」
「やるべきことで一日が終わるのが嫌」
そう気づいたら、次は、
「本当は何を味わいたい?」
「朝、ゆっくりコーヒーを飲みたい」
「何もしない時間を楽しみたい」
そんな願いが見えてきたら、次の休日は30分だけ予定を入れない時間をつくるのもいいですね。
嫌だという感覚は、なくさなければいけないものではありません。
自分がどんな時間や関係を大切にしたいのか、教えてくれる手がかりにもなるんです。
🤔問い③「今日、一つだけ自分で選ぶなら?」
自分の気持ちが少し見えてきたら、今度は小さく選ぶ時間です。
いきなり大きな決断をする必要はありません。
毎日の何気ない選択から、自分の気持ちを大切にすることは始められます。
◇実践例1:ランチを自分で決める
いつも周りに合わせているなら、今日は自分が食べたいものを一つ選んでみる。
「今日は和食がいいな」
そう思ったら、その気持ちを大切にする。
たとえ相手と希望が違っても、「私は和食がいいなと思ってる」と伝えることはできます。
◇実践例2:帰宅後の時間を選ぶ
仕事から帰ってきて、まだやることが残っている。
でも、なんとなく疲れている。
そんなとき、
「今、私は何をしたい?」
「少し横になりたい」
そう感じたなら、10分だけ休むという選択もあります。
やるべきことを全部終わらせてからでなくても、休んでいいんです。
◇実践例3:誘いへの返事を選ぶ
友人から週末のお誘いが来た。
いつもなら、すぐに「いいよ!」と返信してしまう。
でも、今回は一度だけ立ち止まってみる。
「私は本当に行きたい?」
すぐに分からなかったら、
「予定を確認してから返事するね」
と伝えてもいいんです。
その時間を使って、自分の気持ちを確かめる。
答えを急がないという選択も、自分を大切にする方法のひとつです。
選んだあとの気持ちも、大切にする
小さな選択をしたあとには、
「どう感じた?」
と自分に聞いてみてください。
心地よかったのか。
楽しかったのか。
思っていたのと違ったのか。
どんな感覚も、自分を知るための大切な材料です。
選んでみて初めて、「これは好きだな」「これはちょっと違うな」と分かることもあります。
小さな選択と、そのあとの気持ちを確かめること。
その積み重ねが、自分の気持ちを知る練習になっていきます。
4. 自分の気持ちは、少しずつ見つけていけばいい
「どうしたい?」と聞かれて答えられないと、自分の意見がないように感じてしまうこともあるかもしれません。
でも、今すぐ答えられなくても大丈夫です。
自分の気持ちは、いつもはっきりしているとは限りません。
迷う日もあれば、何も浮かばない日もあります。
そんなときは、「まだ分からない」と答えてもいいんです。
そして、分からない自分を責める代わりに、
「私は今、何を感じているんだろう?」
と、やさしく問いかけてみてください。
相手を大切にするのと同じように、自分の気持ちにも耳を傾けていく。
その積み重ねが、少しずつ「私はこうしたい」という言葉につながっていくのだと思います。
今日の小さな一歩
今日、何かを選ぶ場面があったら、一度だけ自分に聞いてみてください。
「私は、どっちがいい?」
すぐに答えが出なくても構いません。
ほんの少し立ち止まって、自分の気持ちを確かめる。
それだけでも、いつもの選び方とは少し違う時間になるかもしれません。
誰かに合わせることがあってもいい。
迷っても、分からなくてもいい。
でも、あなたの気持ちも、そこにあっていいんです。
「私はどうしたい?」
その答えを、これから少しずつ見つけていきましょう。
どんな私にも、おかえり。