この人の話は聴きたいなと思ってもらうのにとても大切な要素の1つは、スマイルです。
だれでも笑顔の人に惹きつけられます。
「わたしはあなたと話したいです」という快い気持ちが伝わります。
では、緊張するパブリック・スピーキングのシーンでどうやって笑顔をたたえるのか。
とても難しいテーマですね。日本人は一般的に何もないのに笑顔を振りまく文化的な訓練を受けていませんから。
私も20年以上、悪戦苦闘しました。ほほ笑みをたたえるのに苦労する、なんてジョークみたいな本当の話です。
ニュージーランドやカナダ出身のすばらしい話し手たちにパブリック・スピーキングに関するアドバイスを求めましたが、決まって指摘されたのは「もっと笑顔を」でした。
カナダ出身のブライアンは、私がステージ上で100名の聴衆に向かって難しい顔で話している最中に、会場の後方で「スマイリー」をタブレットに映し出して「もっと笑顔を」という激励を送ってくれたほどです。
転機になったのは、思考 ➡ 感情 ➡ 表情 という連鎖に気付いたことです。
笑顔という表情に取り組むだけではだめだったのです。
笑顔を作るには、その前に「笑顔な気持ち」になる必要があり、その前に、笑顔な気持ちになることを「考える」必要があったのです。
オーディエンスについて考え続けることです。
オーディエンスは自分の仲間であり友です。その仲間・友はとても頑張っています。課題を抱えて格闘しています。
助けになりたいです。伝えたいことがあります。
こうやって、オーディエンスに対する温かい気持ちを育てていくと、セッションを準備している時から、自然と温かいほほ笑みを浮かべている自分に気付きました。
セッションを始める直前にもメモを見返して、一連の考えを振り返り、温かな気持ちを沸き上がらせます。
そうすると、たいていは笑顔で聴衆に向かうことができます。