ポスティング業務を続けていると、チラシを配布する作業そのものだけでなく、配布前後の管理にも多くの時間が必要になります。
配布するマンションの選定、ルートの作成、スタッフへの指示、投函枚数の集計、勤務時間の確認、取引先への報告など、管理する項目は少なくありません。
私自身も実際にポスティング業務を行う中で、紙の地図や表計算ソフトだけでは管理が難しいと感じる場面が増えてきました。
そこで、現場で感じた課題を整理し、スマートフォン上で配布業務を管理する仕組みの開発を始めました。
## 情報が分散すると確認作業が増える
以前は、配布するマンションの情報、配布ルート、投函枚数、スタッフの勤務状況などを、それぞれ別の方法で管理していました。
情報が複数の場所に分かれていると、確認したい内容を探すだけでも時間がかかります。
また、管理者が把握している内容と、実際に配布したスタッフから報告された内容に違いが生じることもあります。
この経験から、配布に関する情報を一つの場所にまとめることが、業務効率化の第一歩だと考えました。
## 現場の流れから必要な機能を考える
開発時には、最初から機能を増やすのではなく、実際の業務の流れを分解しました。
ポスティング業務は、大きく分けると次のような流れになります。
配布対象を決める
配布ルートを作る
配布担当者へ指示する
現地で配布する
投函枚数を記録する
配布結果を集計する
取引先へ報告する
この流れに沿って、マンションの位置確認、ルートの保存、担当者との共有、投函枚数の入力、勤務記録、日報作成などの仕組みを一つずつ追加していきました。
[投函入力をした位置情報を示す画面]
## 管理者だけでなく、配布スタッフが使えることが重要
業務管理システムを作る際、管理者側の機能を中心に考えてしまいがちです。
しかし、実際に入力を行うのは現地の配布スタッフです。
操作方法が複雑だったり、入力項目が多すぎたりすると、正確な記録が残りにくくなります。
そのため、現地ではできるだけ少ない操作で、マンションごとの投函枚数を入力できる構成を目指しました。
また、管理者が作成した配布ルートを担当者に共有し、担当者がそのルートを確認しながら作業できる仕組みも必要でした。
[配布ルートの一覧画面]
## 配布後の報告までを一つの業務として考える
ポスティング業務では、配布が完了しただけでは仕事が終わらない場合があります。
取引先からは、どの地域に配布したのか、どのマンションに何枚配布したのか、いつ配布したのかなど、具体的な報告を求められることがあります。
記録が分散していると、配布後に情報を集め直して報告書を作らなければなりません。
そこで、現地で入力した情報をもとに、日報や配布履歴を確認できるようにしました。
配布時の記録を、そのまま管理や報告に利用できれば、入力の重複を減らすことができます。
[日報一覧画面]
## 不動産会社のチラシ配布にも共通する課題
ポスティング会社だけでなく、不動産会社が自社でチラシを配布する場合にも、似た管理上の課題があります。
例えば、売却募集や物件案内のチラシを配布するときには、配布対象となるマンションを選び、担当者に伝え、配布結果を確認する必要があります。
単に地域を指定するだけでなく、マンション単位で配布対象を決めたいケースもあります。
このように考えると、配布管理はポスティング会社だけの課題ではなく、チラシを活用するさまざまな事業者に共通する課題だと分かりました。
## 開発後も現場で問題が見つかる
実際の現場で使用すると、開発時には想定していなかった問題が見つかります。
保存しているルートが増えると一覧の読み込みに時間がかかる、通信状況によって地図の表示が遅れる、ボタンの位置によって操作しにくくなるなど、実際に使って初めて分かることが多くあります。
特に業務用のアプリでは、機能が存在するだけでは十分ではありません。
必要な画面がすぐに表示されることや、屋外でも迷わず操作できることも重要です。
そのため、開発後も実際の配布業務で使用しながら、読み込み速度や操作性の改善を続けています。
## 現場の課題をそのまま開発テーマにする
今回の開発を通じて感じたのは、業務効率化では「何ができるか」よりも、「現場で何に時間がかかっているか」を把握することが重要だということです。
現場で繰り返し発生している確認作業や入力作業を見つけ、その作業を減らす仕組みを考えることで、本当に必要な機能が見えやすくなります。
今後も実際のポスティング業務で使用しながら、現場で発生する課題を一つずつ改善していく予定です。
同じように業務管理の仕組みを開発している方や、現場業務のデジタル化を考えている方にとって、一つの事例として参考になれば幸いです。
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