こんにちは。越境ECサイト制作者の太田です。
私は現在、オーストラリアに向けて日本の「包丁」を販売する越境ECサイトを運営しています。
「なぜ、数ある日本の商品の中から包丁を選んだのですか?」と聞かれることがあります。その理由は、私自身の「ある苦い失敗と後悔」が原点になっているからです。
今日は、私が越境ECで包丁を扱う理由につながる、過去の失敗談をお話しします。
憧れだった京都の高級包丁
私は高校時代、友人の実家である精肉店でアルバイトをしていました。そこで職人さんたちが使う包丁の圧倒的な切れ味と、手になじむ使い込まれた美しさに魅了されました。
大人になり、料理が好きになった私は「自分もあんな素晴らしい包丁が欲しい」と思うようになりました。そして念願叶って、京都でとても美しい高級包丁を購入したのです。
その包丁は、持った時のバランスも、刃の輝きも素晴らしく、毎日の料理が本当に楽しくなりました。
冷凍食品を切ってしまった日
しかし、ある日取り返しのつかない失敗をしてしまいます。
急いで料理をしていた私は、カチカチに凍った冷凍食品を、その京都の包丁で無理やり切ろうとしてしまったのです。
「カキッ」という嫌な音がして刃を見ると、美しい刃が欠けてしまっていました。
私はショックで頭が真っ白になりました。「あんなに高かったのに、もう使えない」「ダメにしてしまった」と思い込み、ひどく落ち込んだまま、その包丁を捨ててしまったのです。
「一生もの」だと知らなかった無知への後悔
それからしばらく経って、私は日本の伝統技術や刃物について深く知る機会がありました。居合を始め、日本刀の美しさや刀鍛冶、研ぎ師の存在を知ったのです。
そこで初めて、私は自分の無知を思い知りました。
日本の包丁は、刃が欠けても「研ぎ師」に依頼すれば、綺麗に直して再び使うことができるのです。使い捨てではなく、手入れをしながら何十年も使い続ける「一生もの」だったのです。
「あの時、捨てずに直していれば、今でも私のキッチンで活躍していたはずなのに…」
直して使えることを知らずに、職人さんが魂を込めて作った美しい包丁を捨ててしまったこと。その強烈な後悔が、私の中にずっと残り続けました。
オーストラリアで見た「一生もの」の姿
その後、オーストラリアのホストファミリーと交流する機会がありました。彼らのキッチンには、日本の包丁がありました。
驚いたことに、彼らはその包丁を何年も何年も、とても大切に手入れしながら使い続けていたのです。
その姿を見た時、京都の包丁を捨ててしまった後悔と、日本の職人技術への誇りが一つに繋がりました。
「日本の包丁は、海を越えても『一生もの』として愛されている。この素晴らしい文化と美しさを、もっと世界中の人に伝えたい」
これが、私が越境ECで「包丁」を販売しようと決意した瞬間でした。
まとめ:失敗が教えてくれた「本当に売りたいもの」
もし、あの時包丁を欠けさせていなかったら。もし、直せることを最初から知っていたら。私は今、越境ECで包丁を売っていなかったかもしれません。
無知から大切なものを捨ててしまった後悔があるからこそ、「日本の包丁は一生ものだ」という価値を、世界中の人に正しく伝えたいという強い原動力になっています。
越境ECを始める時、「何を売ればいいか分からない」と悩む方は多いです。そんな時は、自分の過去の失敗や、強烈に後悔していること、どうしても忘れられない体験を振り返ってみてください。
そこに、あなたが「本当に世界に届けたいもの」のヒントが隠されているかもしれません。