カードを見れば、なんでもわかるんでしょう?
お客さまによくこう聞かれます。
タロットは確かに、不思議な力を持っています。
過去に積み重なった感情、今まさにある葛藤、まだ形になっていない未来のこと……
そういうものを映し出してくれます。
私は占いをそれなりの期間続けてきましたが、カードが示す何かに今も驚かされることがあります。
けれど、タロットにもできないことはあります。
たとえば、タロットは何かを決めることができません。
カードはあなたに選択肢の輪郭を見せてくれますが、どの道を歩くかを命じることはしません。
私のもとに来る方の中には、カードが行けと言った。占いでそう出た。
という言葉を盾にしたい方がいらっしゃいます。
それは人間として理解できる心理です。
重い決断を何か大きなものに委ねたい、という気持ちは誰にでもあります。
しかし占いはあなたの人生の責任を肩代わりしてはくれません。
カードが語るのは可能性であって、正解ではないんです。
同時に、タロットは変えてはいけない未来を決めることもできません。
よく悪いカードが出たと青ざめるお客さまがいらっしゃいます。
しかし私が長年かけて学んできたことは、タロットとは現在の流れが続いた場合の可能性を映す鏡に過ぎないということです。
そして最も大切なこと。
タロットは、あなたの感じる力を代替することができません。
カードはヒントを与えてくれますが、それを自分の人生に照らし合わせて意味づけるのはあなた自身です。
私が最も大切にしていることは、占いへの依存を生まないことです。
月に何度も同じ問いを持ってくる方に、私はそっとお聞きします。
この一ヶ月で、あなた自身は何かされましたか?
占いは羅針盤であって、船の舵ではありません。
方角を示すことはできても、漕ぐのはあなた自身です。
私はカードを前に、毎回そのことを思い出します。
タロットにできないことを知っているからこそ、私はタロットを信じています。
できないことがあるからこそ、できることの輝きが際立ちます。
あなたの迷いを言葉にして、あなたの気づきを後押しし、あなたが一人ではないと感じさせてくれること。
その小さくて大きな役割を手助けしてくれるのがタロットの存在です。
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